鬼滅の人柱力   作:狼ルプス

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現状と鬼

「何処なんだ、ここは?」

目を覚まし、辺りを見渡すと、暗い森の中に仰向け状態で倒れていた。

 

「森の中だよなここはしかも夜中……これも修行のお陰か周りがはっきり見える。神様、もうちょっとまともな場所に転生させてくれたって……あれ?」

違和感を感じて自身を確認すると服装が変わっていた。刀もあり、しかも身長も縮んでいるような気がする。それに、左側の髪が左目を隠すように覆っている。

 

「左前髪こんなに長かったっけ?なんかサスケさんみたいな感じだな……おそらく左眼の輪廻写輪眼を隠すためだろうが、ちょっと邪魔だな」

慣れない髪型に違和感があって仕方がない。

 

「確か刀は明治の時点で廃刀令が出ているはず。街中を歩くときは変化させておくか…」

 

『おい春翔……お前の懐から何やら気配を感じるぞ』

九喇嘛から突然話しかけられる。自身の服の中を探ると、中から手紙が出てきた。

 

「手紙か…この感じは、神様の気配……読めって事だろうか」

春翔が手紙を開くと、突如ボム!と煙が出てきて、手鏡が現れた。

 

「びっくりした!……何故手鏡?」

春翔は手鏡を持ちながら、書かれている文を読み始める。

 

 

 拝啓 波風春翔さんへ

 

この手紙を読んでいるということは無事に転生できたと言う事ですね。それとごめんなさい。送った場所がランダムだったためよくわからない場所に転生させたかもしれません。

こうして春翔さんに手紙と手鏡を送ったのは理由があります。とりあえずは鏡で自分を見てください。

 

春翔は手鏡で自分を見ると、少し髪型の変わった自分が映っていた。風が少し吹き、髪が揺れ左目が露わになる。

右眼は瞳が赤く、瞳孔の周囲に黒い勾玉が三つ浮かんでいる。暗闇のせいか赤く発光しているようだ。

春翔はそのまま万華鏡写輪眼に変化させると、勾玉模様から六芒星の形に変わった。左眼は薄紫色の波紋のような模様で、写輪眼の勾玉模様が複数配置されていた。

 

「うん、写輪眼と輪廻写輪眼だよな。でも、やっぱ変な感じだな、自分の瞳がこうなってるのは……まぁ俺が頼んだからだけどさ」

春翔は再び手紙に目を通す。

 

春翔さんは、今、15歳の少年になっています。見た目と髪型も本来より少し弄らせていただきました。

 

 

「15って、ずいぶん若返ったな。転生前は22だぞ俺、いや…あの世で三年修行していたから25か、年はとってないんだろうけど」

再び手鏡を見ると多少イメチェン気味になってしまい、身長も縮み子供に戻ってしまった事に落ち込む。

 

『随分と小さくなっちまったな、春翔』

 

「言うな九喇嘛、どうせまた身長は伸びる。元の身長に戻るかはわからないけど」

 

手紙に目を向けて今度は最後まで読み上げる。

 

 

須佐能乎についてですが、神威手裏剣なども勿論使えます。オマケに本来須佐能乎に出来なかったことをできる様にしています。これは春翔さん自身で見つけてください

 

必要なものは巻物にあるので口寄せをすれば出てきます。

 

それと、この手紙は読み終わったら直ぐに消えます。

 

貴方が天寿を全うした時にまたお会いしましょう。

 

この素晴らしい世界に祝福を。 神様より

 

ボン!

 

読み終わると、手紙と手鏡は消えた。

 

 

「本来の須佐能乎に出来なかったことってなんだろう?早速修行してみるか」

 

『…儂が相手してやろうか?』

 

「そうだな、須佐能乎を使うにはいい相手になる。さっそく時空間に……っ!?」

 

春翔は刀の柄を握り警戒態勢に入る。

 

『何かいやがるな…人間じゃねぇ何かが』

 

「忠告ありがとう」

それは徐々に近づき姿を現した。

 

「キヒヒヒヒ!今日はついてるなぁ!しかも極上の“稀血”じゃねえか!こいつを食らえばあのお方からも認めてもらえる‼︎」

 

肌は人間とかけ離れた色をし、手には凡そ普通の人に備わっていない鋭利な長い爪が反射し、口から覗く歯はギザギザな鋭い牙となっていた。

もはや人間ではない異形の存在が目の前に現れたのだ。

 

「(なんだこいつ?もしかして…こいつが“鬼”なのか、それに“稀血”ってなんだ?)」

不思議と冷静に考える事ができた。厄介そうだが、あの修行に比べれば、たいした事はない。

 

「(丁度いい。あれを試してみるか)」

春翔は「忍愛之剣」と書かれたクナイを取り出し、左手に構える。

 

「キヒヒ、おとなしくした方が身のためだぞぉ…なんたってお前はこれから俺の血肉となるんだからなぁ!ありがたく思え!」

 

『舐められたもんだな、春翔』

 

「(言わせておけばいい……実力の差もわからない頭の悪い奴だ、一瞬で終わらせる)」

春翔はクナイを鬼に向けて投げる。

 

「(なんだぁ…たかが短剣如きで俺に当てられると思ってんのかこいつ?しかもこれは外れる。動く必要もな——)」

 

ザシュッ!

 

「………は?」

自身の視界が反転しているのに気づいた時には、もう遅い。

 

 

 

 

 

 

 

「飛雷神斬り」

 

鬼は頸を跳ね飛ばされ、鮮血が舞う。

 

マーキングしたクナイを鬼の元へ投げ、クナイが相手に近づいた直後に飛雷神の術を発動し、隙を与えず刀で頸を斬り飛ばしたのだ。

 

 

「いつ…の間に⁉︎、なっ何故体が動かせない‼︎」

 

「お前は、俺をただの人間だと思っていたみたいだな。生憎と…普通の人間じゃないのさ……」

 

「この刀の斬撃……貴様、まさか“鬼狩り”か⁉︎」

 

「“鬼狩り”?なんのことかは知らないけど……俺は忍だ。忍と言っても……君達からみると、かなりかけ離れてるけどね」

 

鬼は体を灰にしながら、服を残し消滅していった。

 

「跡形もなく消えた。確か鬼は……元は人間だったって神様が言っていたな………どうか安らかに」

 

春翔は両手を合わせ、消えた鬼に合掌をする。

 

辺りを調べると、人を食い散らかした跡があった。人の遺体や血濡れになった着物が散らばっていた……

 

 

「これは…さっきの鬼がやったのか」

 

『おそらくそうだろうな…さっきの奴の臭いが残っていやがる』

九喇嘛の言う通り、さっきの鬼の臭いが異臭と混じり残っている。

 

「………」

春翔は冷たくなった手を無言で握る。そして春翔は、しばらく握った跡、影分身を使って、遺体を集めた。火葬する為、出来るだけ誰かわかるように判別する。

 

それから、松明を作り、組み立てた木材に火を着けた。

 

数時間後、遺体は全て灰となった。その灰を土に埋め墓標を立てる。

 

「……どうか安らかに眠ってください。もし次あったら……来世に幸せがありますように。」

 

春翔はしばらく死者を弔う。

 

 

 

「行くか…」

 

しばらく祈った後、春翔はその場から移動し、森の中へ移動する。

 

 

 

 

 

 

 

「(この刀、確か鬼を倒すための素材で作ってるて言っていたな。見た目は普通の刀身だが……)」

普通刀は色を持った反射はしないはずだが、この草薙の剣は光にかざすと紫色の光沢を放つ。

春翔はこれが不思議で仕方なかった。

 

「考えても仕方ない。森を抜けるのは日が昇ってからにしよう、とりあえずは……木遁・四柱家の術」

 

開けた場所を見つけ、印を組み、土から生きてるかのように木が動き、木遁で休める小屋を形成している。しばらくすると小さな小屋が完成した。

 

「やっぱり木遁って凄いな…」

春翔は木遁で作った家の中に入る。一人で住むにはちょうど良い小屋だ。

 

 

「今日はとりあえずここで一晩過ごすか」

囲炉裏に火をつけ辺りを明るくする。

 

春翔は、床に座り…巻物をいくつか取り出す。

 

「結構あるな…、取り敢えずこっちから確認するか」

[具]と書かれた巻物を開き、春翔は親指を噛み血を出し、巻物に手を添える。

 

「口寄せの術」

巻物の周りに文字が浮かび上がり煙が発生した。そして煙が収まると、忍具が床に鎮座されていた。

 

「凄い量だな……クナイは手持ちでもあるが、ここまであるのか。他は——」

 

 

 

 

 

 

 

 

他の巻物の中身を確認し、何があるか確認を終えてから、忍具を巻物の中に戻す。

 

「巻物の中身を物を纏めると…忍具と手入れ道具、寝具、衣類、医療キットに薬類、ご丁寧にお金まで…あの神様、至れり尽くせりだよ。それはいいとして……なんでこの羽織まであるんだ?」

 

これから旅をするのには困らない程度の物は揃っていた。しかし中にはNARUTOに出てきた“四代目火影”と背中に刺繍されていた羽織があった。

 

「着る機会なんてあるかな、この羽織。取り敢えず明日、街にでもいってみるか。大正の風景も見てみたいし」

 

 

春翔は布団を敷き仮眠を取ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——数日後——

 

 

「これは……お墓」

刀を腰に携え、蝶柄の羽織を纏った一人の少女が墓標の前に立っている。

 

「(鬼の気配が全くしない。それに、この墓標は建てられてからまだ日は経っていない。鴉からは他の隊士がいる情報はなかった。この森にいた鬼を誰かが倒したとしか思えない。でも……一体誰が?」

 

少女はある組織の任務でこの森に訪れたが、鬼の気配が全くなかった為、しばらく森を調査し、この小さな墓標を発見したのだ。

 

 

「だけど、これはきっと、優しい人が……あなた達を弔ってくれたんですね」

少女はかがむと墓標の前で目を瞑り、手を合わせる。

 

 

 

 

花の剣士と赤き閃光の邂逅はまだ先になる。

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