鬼滅の人柱力   作:狼ルプス

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蝶と赤き閃光

上弦の弐と戦って三カ月経った。

 

「はぁ、最悪だ……」

 

上弦の弐との戦いの後、しばらくしてから愈史郎さんから手紙がきた。上弦の鬼と遭遇したのに血の回収を忘れていた事を知られたのだ。手紙の内容は一言…大きい文字で、

 

 

 

 

「死ね!」

 

 

と書かれていた、しかも赤い文字で。

 

 

 

確かにド忘れていた俺も悪いが流石にその一言は傷つきますよ。

 

 

 

 

 

 

そして、九喇嘛に驚かされた。ある日、山道を歩いていた時、偶然湧き温泉を見つけ、入浴していた際、九喇嘛が小さいサイズで俺から出てきたのだ。

 

九喇嘛が言うには、長くはいられないとのことで温泉に満足すると消え、俺の中に戻っていった。

 

 

俺はと言うと変わらず旅をしていた。鬼殺隊の関係者にバレない様流浪していた。時折鬼殺隊の隊士を見かける事もあった。背中に滅の文字が刺繍されているためすぐに気づく。羽織を羽織っている者もいた。刀は上手く隠してはいるが、非公認組織故、偶に警察にバレて逃走劇を繰り広げていた光景も目撃した。俺の場合刀を変化させているためバレることはまずない。

 

 

 

「もう転生して二年近くになるんだな……」

 

春翔は、新たな生をもらい思い出に浸っていた。普通じゃない人生を過ごしているが苦ではない。鬼を倒しても人からは罵倒される事もあったが、最近は軽く流している。

 

 

「(あの蝶柄羽織の女の子、どうなったんだろうな)」

 

 

『何だぁ?あの小娘の事が気になるのかぁ〜、春翔?』

 

 

「(気になると言うか…あの後どうなったか気になってるだけだ。傷は治したが、上弦の鬼の術で肺に何かしら影響を及ぼしていたからな)」

春翔は少女の傷を治した後は、鬼殺隊に任せその場から退散したのな。

 

正直外科関連は専門外な為、春翔にはどうする事もできなかった。

 

 

 

現在春翔は街の茶屋に寄っており休憩している。みたらし団子を食べながら九喇嘛と会話している。

 

 

『最近やたらと鴉がうろちょろしてるな…』

 

「(たかが鴉だろ…何処にでもいる)」

 

『そうじゃねぇ…今いる鴉の殆どが同じ個体の鴉だ。お前は大して気にしてはいなかったからわからねぇだろうな』

 

「(どう言う意味だ…九喇嘛?)」

 

『匂いを嗅いでみろ、鴉から微かに花の様な臭いがする筈だ』

春翔は試しに匂いを嗅いでみると花の香りを嗅ぐ事ができた

 

「(確かに…何かの花の匂い、それと僅かだが人の匂いがするな)」

 

『おそらくつけられているな…ただの鴉じゃねえってことだけは頭に入れておけ……』

 

「(わかった。今後は警戒しておく、少し格好を変えた方がいいかもしれないな)」

春翔は代金を払い茶屋から離れる。そして、人気のない場所に移動し、神威を発動させ、時空間で服を着替えた。

 

格好はほぼ『BORUTO』のサスケさんが着ていた衣装だ。ただ、髪型が髪型のため、よりサスケさんっぽくなってしまった。

 

 

 

 

着替えが終わった後、神威を再び発動させ、現実に戻る。

 

現実に戻ると、春翔は左目に眼帯をつけ、人混みに紛れ、移動を再開する。

 

 

「(うまく撒いたみたいだな)」

辺りを見渡し、鴉がいないのを確認し安堵の息を吐く。

 

「(あの鴉…一体なんなんだ、鬼殺隊にも口寄せ動物的な奴がいるのか)」

 

春翔は考察しながら歩くと、

 

「やめてください‼」

 

「ん?なんだ」

 

突然、女性の嫌がる声が聞こえ、足を止めて、声が聞こえた方に顔を向ける。

するとそこには、風呂敷を抱え、蝶の髪飾りを身につけた少女がいかにもチャラそうな男3人に言い寄られていた。

 

「(この時代にもいるんだな、ああいうやつら)」

春翔が過ごしていた時代の言い方ではナンパだ。

周りは手助けしようとする様子はなく素通りしている。春翔は溜息を交じりながら近づいていく。

 

 

 

 

 

 

 

「いいじゃん、いいじゃん俺らと一緒に遊ぼうよ」

 

「楽しいよ~」

 

「私は忙しいんです。誰があんた達なんかと」

 

「そんなとこより、俺らと違うとこい「おい、あんたら」あ?」

 

「えっ?」

 

見兼ねた春翔は、男たちを止めるため、声をかけた。

 

「なんだテメェ?」

 

「ただの流浪人だ。その娘に言い寄るのはやめろ」

 

「はっ?なんでだよ?ガキには関係ねぇだろ?」

 

「ハァー、見るに耐えないな」

 

「なんだと?」

 

「大の男三人が、一人の女に寄ってたかって無理矢理口説こうとするのがあまりにも酷くてな、くくっ……笑いしか出てこないな」

 

「んだと?オラッ‼」

 

「ッ⁉危ない‼」

 

春翔の言葉に怒ったチャラ男の一人が、春翔に向かって殴りかかる。

 

少女は危険を感じ、春翔に叫ぶ。

 

 

だが、今目の前にいる少年は普通ではなかった。春翔は拳を片手で難なく受け止める。

 

「…………ッ!」

春翔の右眼は写輪眼に変化させ殴りかかった男を睨みつける。

 

 

「ガハッ…………!?」

 

 

千鳥で男の心臓を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

「あ…………あぁ……ああああああ…………っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

幻 術 だ。殴りかかった男に、俺が千鳥で心臓を貫く幻術を見せた。

 

 

『やり過ぎなんじゃねぇのか?』

珍しく九喇嘛が同情している。

 

 

やり過ぎだって?こう言う奴は少し怖い目に遭わせないとわからないからな。幻術はしばらくしたら解けるよう設定した。

 

 

 

 

 

 

 

「…え?」

 

「なっ!テメェ⁉」

 

「兄貴に何しやがった⁉︎」

 

他の男も、春翔に殴りかかる。

だが

 

「甘い!」

 

「がっ⁉」

 

「がはっ⁉」

 

春翔は足で男たちを蹴り飛ばす。こんな奴らの拳なんてぬるすぎる、今の俺にとっては遅く見える。

 

 

少女はまさかの事態に驚く。そして、驚く男達を、春翔は地面に投げた。

 

「いてて」

 

「こ、このガキ」

 

「さっさとそいつ連れて失せろ。二度とこんな事はするな」

 

殺気を放ちながら言う。俺の殺気に案の定、男達は顔をひきつらせていた。

 

 

「お…おい、このガキヤベェぞ、いくぞ」

 

「あ、ああ」

 

二人は幻術をかけた男を引きずってその場から逃げていった。周りから視線が集まってきた為、春翔はその場から離れるよう歩きだした。

 

 

 

 

 

その時、

 

 

 

「あ、あの‼待ってください‼」

 

「ん?」

 

先程の男達に言い寄られていた少女が、春翔に待つよう声を上げた。春翔は足を止めその少女に顔を向けた。

 

「なんだ?」

 

「その……助けてくれて、ありがとうございます」

 

「気にしないでくれ。見てられなくて勝手にしただけだ」

 

「そうですか」

 

「……じゃあ、俺はこれで」

 

春翔はそう言って、その場を後にしようとするが

 

 

「待ってください‼」

 

少女が春翔がその場から去るのを阻止した。

 

「…………なんだ?」

 

「何かお礼をさせて下さい、助けられて何もしないのは……」

 

 

「俺が勝手にしただけだ。気にする事はない」

 

 

「素直にお礼も受け取れないんですかあなたは!だったらせめて名前だけでも教えてください‼」

 

何故か青筋をたてながら怒鳴り、俺の名前を聞いてくる。 

 

 

「……波風春翔」

 

「………えっ?」

俺の名を聞いた途端、少女は驚き目を見開いた。

 

「これでいいだろ…生憎暇じゃないんでな」

 

「ちょっ、ちょっと待って!」

 

少女は春翔の手を握って立ち去るのを阻止する。

 

「……今度は何だよ?」

 

「もしかしてあなた……姉さんを助けてくれた…波風春翔?」

 

「は………姉さん?」

 

「こう言えばわかりますか!蝶柄の羽織りをは羽織った女性の事!そしてこれは…あなたの物でしょ!」

 

少女は風呂敷の中から飛雷神の術式付きのクナイを春翔に見せつけた。

 

「お前……何でそれを持っているんだ?」

 

「やっぱりその反応、あなただったんです「しのぶ〜」ね、姉さん!」

 

「ごめんね〜遅くなっ……て、えっと、しのぶ…この人は?」

 

「この人よ姉さん!姉さんを助けてくれた人!」

 

「え?は、春翔くん…なの?」

姉さんと呼ばれた少女は服装や眼帯などを身につけ変えている為すぐには気づかなかった。しかし、しのぶと呼ばれた少女に教えられた途端、ハッと気づいたようだ。

 

 

『オイ…どうするつもりだ?春翔』

 

「(どうするつもりだって?目の前にいる二人は鬼殺隊関係者と分かった時点でもう決まっているだろ)」

 

春翔は何も言わずその場から走り出した。

 

「あっ!ちょっと待って!春翔くん!」

 

「姉さんはそこで待ってて、私が追いかけるから!」

しのぶは持っている風呂敷を姉に預けて、春翔を追いかける。

 

 

 

 

鬼殺隊と人柱力の忍との逃走劇が始まった。

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