鬼滅の人柱力   作:狼ルプス

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柱と赤き閃光

どうも…波風春翔だ!現在俺は街中を全力で駆け出している!

理由としては鬼殺隊の関係者に遭遇したからだ!

あまり目立つ様なことは避けたいため術は使っていない。

 

それにしても

 

 

「待ちなさい!絶対に逃さない!」

 

 

「(あの子速いな…それに動きも普通の女性とは思えない、鬼殺隊の連中は全員ああなのか…)」

春翔は鬼殺隊の事は珠世にどのような組織か聞いただけでどんな技術を持っているかは聞いていないため未知数だ。

 

「(流石に人が少ない…人混みに紛れるのはまず無理だな、変化したいところだがこの状況じゃ無理だ。あまり目につく様なことは避けたい)」

春翔はどう撒こうか考えていた。神威を発動しようにも自身が時空間に移動する際はその場から動けず隙ができてしまうため却下した。しばらくして町から出て人気はなくなった。

 

「あなたには聞きたいことが沢山あるんです!手荒な真似をされる前にあなたを鬼殺隊本部に連れて行く必要があるんです!お願いします!一緒に同行してください!」

 

少女は大声で説得を試みるが春翔は振り向くことなく走り続ける。

 

「そんなこと言われて大人しく捕まるつもりはない!政府からの非公認組織ならなおさら信用できん」

 

春翔は言い返すと更に速度を上げ距離をどんどん離す。

 

「(速い!あの速度…柱同等の…いや…下手するとそれ以上、まずい…このままじゃ逃げられる)」

 

距離を離され、しのぶは諦めかけたが、先を見ると二人の隊士が春翔の目の前に立っているのが見えた。

 

 

「よぉ、派手に逃げ回ってるじゃねぇか…赤の閃光さんよぉ」

 

「…………」

一人は派手な格好をした長身の男で、もう一人は半端柄の羽織を羽織った青年だった。

 

「誰だ?あんたらは」

 

「よくぞ聞いてくれた!いいか?俺は神だ!その名を頭に叩き込んでおけ!鬼殺隊・音柱宇髄天元、もう一度言うが…俺は神だ!!」

 

 

ヒュゥゥと、風が吹き間が開く。

 

「(何いっているのあの人?全然意味がわからないわ、冨岡さんは何か言ったらどうですか!)」

 

すると春翔がゆっくりと手を上げる。二人は何か仕掛けると思ったのかいつでも動ける様に警戒するが、

 

「具体的には何を司る神だ?」

 

『オイ、それは質問するところか?』

 

九喇嘛は春翔に突っ込み呆れている。九喇嘛の印象はアホだ。アホを司っていると思っている。

 

「おっ…いい質問だ。見込みがあるなお前」

 

「(何処がいい質問よ…アホの質問の間違いでしょ!)」

 

しのぶは会話に呆れており、これの何処に見込みがあるのだろうと思ってしまう。

 

「俺は派手を司る神…祭りの神だ」

 

「祭りの神か、よろしくな…祭りの神、んでそっちのあんたは」

 

 

「…………」

 

「俺は波風春翔…あんたの名前は?」

 

「……冨岡義勇」

 

よかった、ちゃんと名乗ってくれた。

 

「義勇…いい名前だな、それで…鬼殺隊のあんた達が俺になんの用だ?」

 

「胡蝶の鴉から伝令が来たんだよ。赤の閃光を見つけたってな。んで近くにいた俺達が駆け付けたってわけよ、単刀直入に言うが…大人しく俺らと同行する気は「ない」…即答か」

 

 

「当たり前だ。同行してくださいって言われて素直に承諾すると思ったか?」

 

「それもそうだな…んじゃ悪いが、少し派手にいかせてもらうぜ」

すると春翔を囲む様に三人の女性が取り囲む。

 

「(三人も忍ばせていたのか…それにあの独特な動き、忍か?この世界の大正時代は忍がいたのか?)」

 

「大人しくしてな、逃げ場はないよ、坊や」

 

「申し訳ありませんが…大人しくしていてください。手荒な真似はしたくありません」

 

「ご、ごめんなさい!何もしないでいただけるとありがたいです」

 

「(個性的なくノ一だな)」

春翔は周囲を確認した。辺りに人気はなく鬼殺隊の剣士しかいない。近くに建造物も無く町からは離れてしまい、辺りは平地で姿を眩ませるには難しい。

 

『どうする…囲まれちまったぞ』

 

「(何とかして逃げ切らないとな…珠世さんと愈史郎さんの事もある。鬼殺を生業としてる奴らに鬼と関わりなんて持っているのが知られたらあの二人に危険が及ぶ)」

春翔は現在五対一の不利な状況……普通ならそうだが、春翔は普通の人間ではない為、どう撒こうか思考を巡らせている。

春翔は近くの川に目を向ける。

 

「(ちょうど良い、あの川を利用させてもらうか)」

春翔は巻物に変化させていた刀を元に戻し抜刀し構える。

鬼殺隊の剣士達は突然巻物が刀に変化したのに驚くも刀を抜き構える。

 

「巻物が刀に…派手に妙な術を使うな」

 

「宇髄…あれは人間だ。鬼ではない」

 

「お前に言われなくてもわかってるわ。結局実力行使になっちまうわけか」

鬼殺隊の剣士達はいつでも動けるよう、神経を研ぎ澄ませる。

 

春翔は両手を巧みに動かし高速で印を組む。

 

「(何をするつもりだ?)」

 

「水遁・水龍弾の術」

近くの川から龍を象った水が現れ、春翔の周りを飛び回る。

 

「なっ⁉︎」

 

「な、何じゃありぁ⁉︎」

 

「み、水の龍⁉︎」

 

「嘘でしょ⁉︎」

 

「いやーー!結局こうなってしまうのですか⁉︎」

そして水の龍は鬼殺隊に襲いかかる。近くいた柱の二人は回避する。しかし水龍は止まらず追撃をする。

 

「水の呼吸 弐ノ型・水車」

 

垂直方向に身体ごと一回転しながら斬りつけるが、水のため水龍に傷はつかない。

 

「冨岡!!あの龍はおそらく物理的な攻撃は効かねぇ!術者をなんとかしねぇと無理だ!」

水の龍はクノイチの女性の方へ気が向いている間に、宇髄と冨岡は春翔へ剣を向ける。

 

「音の呼吸 壱ノ型・轟!」

宇髄は二刀を頭上から振り下ろす。春翔は危機感を感じたのか後方へと回避した。剣が地面に叩きつけられると同時に爆発がおこる。地面に大穴を開ける程の威力だった。

 

「(何だあの刀、叩きつけた途端爆発した。忍刀七人衆の爆刀・飛沫みたいなものか?それにこの二人…呼吸の仕方が独特だ。鬼殺隊ならではの戦闘技術か?さっきの半羽織は水が見えたが……本物の水じゃない、錯覚するくらいの技術があるのか)」

春翔は冷静に分析し、二人の剣士の技は呼吸によって生み出されていることに気づく。

 

「(この二人に遠慮はいらないな。剣の腕は相当な実力者なのは確かだ。殺さないように気をつけないとな)」

春翔は気が散った為、水龍は消え水へと戻り地面へと落ちるが、地上にいたクノイチ三人は水浸しとなり、びしょ濡れになってしまう。

何やら喚いていたが、こちらの二人に集中する。

 

「水の呼吸 漆ノ型・雫波紋突き」

半羽織の男は水の最速の突きを繰り出すが、春翔は刀で受け流す。

 

 

「肆ノ型・打ち潮」

淀みない動きで斬撃を繰り出しながら繋げる。春翔はこれを回避するが左眼に身につけていた眼帯が切れてしまい左眼があらわになる。

祭り神が二振りの刀を振り抜き、鍔迫り合いとなる。

 

「柱を二人に派手にやるじゃねぇか、それとその刀…日輪刀か?何で鬼殺隊でもないお前が持っている?」

 

「日輪刀?この刀はずっと持っている愛刀だ」

 

「そうかい、それとお前は何者だ?鬼でもないお前が何故あんな派手な血鬼術擬きを使える?」

 

「血鬼術ではない…忍術だ」

 

「忍術?お前…忍か?しかし俺はお前のような忍は見た覚えがないな」

 

「お前が思っている忍じゃない、常識を遥かにかけ離れているけどな。悪いがすぐに終わらせる、あいにく暇じゃないんでな」

 

春翔は天元を押し返し距離を取るが、全方位から先程のクノイチ三人と義勇が仕掛けてくる。

 

春翔は両手を広げて雷遁を発動させる。

 

「千鳥流し!」

 

千鳥……雷切の応用技で、全身に千鳥を流して纏う術である。触れた敵を弾き飛ばすことができ、地面に触れたり、持っている刀を地面に刺すことで電流を流し広範囲攻撃も可能だ。

 

「「「アババババ!」」」

勿論加減はした。本気でやると殺しかねないからな。多少は麻痺してもらおう。

クノイチ三人は地面に倒れ込み動けないが、柱の二人は剣先を地面に刺し杖代わりにするよう膝をついている。

 

 

「…くっ」

 

「今度は雷かよ、テメェ……本当に人間か?」

 

「人間だよ…一応加減はしておいたが、しばらくはまともに動けないぞ」

千鳥流しで麻痺しているため二人は動けないが、倒れることはなかった。

 

「俺はここで退散させてもらうぞ、お前ら鬼殺隊に捕まるのはノーサンキューだからな」

春翔は念のため先ほどの町に飛雷神のクナイを置いており、春翔は先ほどの町へ飛ぼうとするが、

 

「まって!あなた、一体何が目的なの!!あなたも鬼を倒しているなら、目的も鬼殺隊とやっている事と同じはずでしょ!それと何よ、“のうさんきゅー”って!?」

少女が怒鳴りながら俺の目的を問い出す。春翔は首だけ振り向き

 

「お前らには関係ない事だ……」

そう告げた後、その場から消えた。その場に残された鬼殺隊の隊士は敗北を認めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、これで懲りてくれるといいが「は、春翔くん?」……え」

 

春翔は声のした方へ振り向くと、そこには春翔の飛雷神のクナイを持っている胡蝶カナエの姿があった。


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