【完結】シルヴァリオサーガRPG実況プレイ   作:ライアン

21 / 69
まあ裏切りというか元から潜伏した核地雷型時限爆弾みたいなアレですが


恐ろしいのは目に見えぬ裏切り

 

 おはこんにちばんわ。今日も生まれてからずっと勝ち組街道驀進しているタツヤお兄様のお話をやっていきたいと思います。さて東部戦線での戦いの日々ですが、以前にも言いました通り流石にエスペラントになっていない頃の本気おじさん相手にこの布陣かつスペックで後れを取るような事はまずありませんし、本気おじさんもこのころはまだエスペラントになっていないのもあって大分慎重(トリニティ時代と比較すれば)なため、まず討ち取る事は出来ない状態となっております。従って例によってキンクリをします。1年もするとカイト隊長の死による動揺も収まって、バルゴの立て直しが終わるので帝都への帰還が決まります。いざや凱旋です。

 ここぞとばかりに盛大な凱旋式が行われています。まあ血統派にしてみれば改革派が勢力を伸ばしていて頭を悩まされているところに、血統派の一角を担うアマツのゾディアック隊長が戦死してしまったという状況ですからね。そんな中由緒正しきアマツの嫡男が大活躍して帰国したとなれば、せっせと宣伝するのは当然と言えば当然なのでしょう。なお、実はヴァルゼライド閣下とツーカーな仲の模様。まあ7年間もずっと会っていないとなれば普通は疎遠になったと判断するからね仕方がないね。うぷ主も7年以上音信不通の学生時代の友達からある日突然連絡が来たら、何かの勧誘だとまず真っ先に警戒すると思います。

 

「東部での活躍は聞いているぞ、中将」

「流石は由緒正しきアマツの血を引く者。貴殿の活躍は卑賎な成り上がり共に血の何たるかを刻み込んだであろう」

「これからは貴殿がアリエスの隊長だ。その力を以て尊き天津の血脈を守護する盾となってくれることを期待する」

 

 というわけでついにアリエスの隊長就任です。晴れて隊長になった事でもう血統派に用はありません、すぐにヴァルゼライド閣下に会いに行きます……というわけにはいきません。何せ隊長に就任したばかりのこの時期は一緒に東部で戦った直属の部隊以外は現状士気も練度も低い状態です。この状態で改革派に鞍替えしても部隊が言う事を聞いてくれません。改革派に合流するのはしっかりと部隊を鍛えて手なずけてからの話です。また改革派に合流する前にきちんとパッパとマッマ、そして婚約者ともお話しておく必要があります。そんなわけでしばらくはまたせっせとナギサちゃんとコミュったり、シズルさんとコミュったり、チトセネキと一緒に修行したり、ムラサメ大尉と修行したりになるのでキンクリです。

 

 そんなわけでアリエス隊長就任後1年経過して、時は新西暦1025年、機は熟しました。いよいよ雌伏の時代は終わりです。まずは奏家現当主であるパッパの説得を行います。

 

「おお、タツヤか?今日は一体どうした?」

 

 自慢の息子にパッパも鼻高々状態ですね。改革派の隆盛は気になるけどまあうちには自慢の息子が居るから平気やろみたいな感じでしょう。なおその自慢の息子の心はずっと改革派と共にあった模様。というわけでいざや【説得】コマンドを選び、選択肢の中から【改革派への転向を申し出る】を選びます。

 

「お前は一体何を言っているのだ?良いか我ら奏の一族は尊き天津の血脈を受け継ぐ名門中の名門。そしてお前は私の跡を継ぎ、奏の家の当主となる身だ。いや、それだけではない。既にお前はその若さでアリエスの隊長を務め、潮家の息女と婚約も結んでいる。お前ならばこの軍事帝国アドラーの頂点たる総統の座へと就く事とて十二分に可能だろう。そして奏の家はお前の手によって最盛期を迎える。その約束された栄光の未来を投げ捨て、あの卑賎なる成り上がり者めに自ら下るような真似をどうしてする必要がある!」

 

 パッパが血相を変えて色々と言ってきています。この頃はまだチトセネキが総統と組んでおらず淡の家も粛清されていないため、現状まだまだ血統派が有利な状態ですのでパッパとしては豪華客船からどうして泥船に乗り込むような真似をするんや!という気分なんでしょう。ちゃうんやパッパ、乗り換えるのが今が絶好の機会なんや。というわけで溢れる知性で以て血統派の未来がそんなに長くない事をまずは説きます。

 

「……確かにお前の言う事に一理ある事を認めよう。だがそれでも尊き天津の血を受け継ぐ我らが卑賎なる成り上がりに降るなど……」

 

 パッパも何のかんので名門一族の当主をやっていないので相応の知性はあります。しかし名門一族の当主をやっているのでプライドも高いです。なので此処はお兄様の熱き情熱を以て説得です。

 

「ヴァルゼライドは決して無下にしないだと?何故そんな風に断言する事が出来る。奴など所詮は卑賎な成り上がり、我らのような生まれつきの貴種など目障りで仕方が無い存在だろうに」

 

 ちゃうねんパッパ。ヴァルゼライド閣下、そんな器の小さな人じゃないねん。悪には相応の裁きが下されるけど悪じゃければ遅咲きの花を見守る位の事は出来る人やねん。

 

「だからなぜそうも断言することが……いや待て、まさかそういう事なのか?タツヤよ、お前はまさかずっと前から()()()()()だったのか?」

 

 うん、そうだよ。お兄様はずっと前からギルベルトやヴァルゼライド閣下とツーカーな仲だったよ。だって今のアドラー糞じゃん。でもパッパとマッマに妹を愛する心も嘘はなかったからこうやって雌伏していたんだよ。

 

「全く……愛する息子が何を考えていたのかもまるで把握していなかったとはな。だが同時にどこか得心が行く想いがあるのも事実だ。どうやら私のような旧い人間が通じる時代はもう終わろうとしているようだ。タツヤ、()()()()()。お前の思う通りにするがいい。今日からはお前が奏の家の当主だ」

 

 ちゃんとパッパとコミュり続けて愛情度を上げた上でゾディアック隊長に就任しており、精神力と知力の双方でパッパを上回っていた為に無事に説得成功です。マッマの方はパッパの方から説得してくれますので続いてシズルさんを説得です。

 

「どうしたんですか、今日はそんな真剣な顔をされて」

 

 実は俺改革派でこれから奏の家も改革派に鞍替えするんだ。だから潮の家も一緒に改革派に鞍替えしてくれると嬉しいなって。寝耳に水な話だとは思うけどこれが一番みんな不幸にならずに済む道なんだ。トラストミーとこんな軽いノリではないでしょうが、パッパに続いてシズルさんを説得です。

 

「わかりました。そういう事であれば私も父と母を説得してみます」

 

 ……アレ?いや聞き分けが良いのは有難いけどいくら何でもあっさり過ぎないですかね。

 

「私、嬉しいんです。タツヤさんがこうしてようやく真意を打ち明けてくれた事が。事後承諾じゃなくてちゃんと相談してくれたことが凄く嬉しいんです。だってずっと前から、私気づいていましたから。タツヤさんが本当は血統派なんかじゃないってこと」

 

 マジで!?パッパやマッマでさえ気づいてなかったのに!?

 

「はい、だって好きな人の事ですから。話していれば気づきますよ、余り女の勘を舐めないで下さいね。何時だって女は男の人が思っているよりもはるかによく観察しているものなんですから。だから正直なところ、少しだけ不安だったんです。そんな人じゃないと分かっていても、タツヤさんが私との結婚を受けてくれたのは、周囲を欺くためのもので私の事はなんとも思っていないんじゃないかって」

 

 ギルベルトじゃあるまいし、お兄様そこまで効率重視の外道じゃないYO!

 

「だから……自惚れて良いんですよね?こうして私にタツヤさんが打ち明けてくれたのは、私が貴方にとって大切な存在だからと、そんな風に自惚れても良いんですよね」

 

 流石に年貢の納め時ですね。婚約者に此処まで言わせて応えないようなヘタレではお兄様はないでしょう。「苦労をかけると思うが、自分に付いてきて欲しい」を選び「愛」を選択です。

 

「はい……不束者ですが、どうかよろしくお願いします」

 

 シズルさんの説得というか告白も無事成功です。まあ一度火のついた大和の女性を止める事は出来ませんというお話でしたね。そして晴れて【アマツの愛】を取得です。これによりヴァルゼライド閣下とコミュったりしても光堕ちが発生しなくなりますし、ステに各種ブーストがかかるようになります。やったね。

 

 さてこの勢いでシズルさんを連れてシズルさんのパッパの説得です。

 

「おや、タツヤ君。相変わらずシズルとは仲睦まじいようで結構な事だが、今日はどうしたのかね?」

 

 説得に失敗してもシズルさんは家を出て付いてきてくれますが、やっぱり家族仲良くに越したことはありません。いざや溢れる知性と燃える情熱で以て潮家当主を説得です。

 

「改革派に就くだと……馬鹿な君は一体何を言っているのだ!第一そのような事を君の御父上が許すはずが……何、既に君に当主の座を譲られて隠居するつもりだと!?奏の家は親子そろってとち狂いでもしたのか!もう良い、そのような裏切り者に可愛い娘を託せるわけがない!婚約は破談だ!」

 

 めっちゃ怒りだして取り付く島もない状態ですね。なので此処は一先ず、話を聞いてもらうために娘さんの方から男親に対する特攻兵器をぶち込んでもらいます。

 

「お父様、もしもそうなったら私はこの家を出て行ってタツヤさんに付いて行きます」

 

「な!?シズル、お前は何を言っているのか……」

 

「わかっています。今の私があるのはお父様とお母様のおかげだという事は。感謝していますし、愛しております。それでも()()()()()()()というのならば、私はタツヤさんの方を選びます」

 

 シズルパッパが絶句しております。なんというか娘に此処までバッサリ言われるとちょっと可哀想になりますね。

 

「ですが私だって本当はそんな事はしたくありません。だって私にとってはお父様もお母様も大切な家族ですから。なのでお父様、せめてタツヤさんのお話を聞いて頂けませんか?」

 

 落としてから妥協点を提示する見事な話術。流石ですね。

 

「……わかった。他ならぬ娘に免じて少しだけ君の話に耳を貸そう」

 

 というわけで説得パートに移りましたので再び溢れる知性で以て説得です。いやこのままいっても最期には改革派に血統派負ける運命なんですよ。だって相手はあのヴァルゼライド閣下なんですよヴァルゼライド閣下。しかもそこにギルベルトまでもがいて、カグツチさんのバックアップまで受けているんですよ。勝ち目なんてないんすよ勝ち目なんて。鞍替えするならこのタイミングなんですよ。

 

「栄枯盛衰……滅びないものなどこの世界には存在せず時代の節目というのはいつか必ず訪れる。言葉だけならばありふれているが、自分がそうした時代に立ち会う事になろうとはな……潮の家は()()従う。どうか娘をよろしく頼む」

 

 ヴァルゼライド閣下に従うというのはやはりアマツのプライドが許さないんでしょうね。まあ無理もないと言えば無理もないし、仕方がないと言えば仕方がないです。持っている者が有利なのがこの世の中で、持っている者程それに比例してプライドも高くなりますし、持っているものを捨てる決断をするのも難しいものですからね。

 

 なんにせよ奏と潮、双方の家を説得して全ての準備は整いました。いざやヴァルゼライド閣下と8年振りの再会です。イェーイ、ヴァルゼライド閣下ー元気ーー!

 

「久しいな奏、壮健そうで何よりだ。お前の祖国に対する尽力、俺も伝え聞いているところだ。お前という友を持った事、心より誇らしく思う。それでこうしてわざわざ俺の下を訪ねて来たのは、そういう事だと受け取っていいのだな」

 

 そうです、雌伏の時は終わりです。長きに渡ってつけていた血統派の仮面は放り捨ててこれからは晴れてお兄様も改革派の一員です。よろしくね。

 

「……お前のその想い、友として嬉しく思うし有難くも思う。だが本当に良いのか?俺と轡を並べる事、奏の家と潮の家は決して良くは思わぬだろうに」

 

 あ、パッパと義理のパッパならきっちり説得して来たよ。説得(物理)じゃなくてちゃんと説得(言葉)で。

 

「なんだと?いやそうだな、タツヤ・奏・アマツという男は()()()()()だった。大したものだよ本当に。お前という男を俺は心から尊敬する。ーーーお前という賢者に比べて愚かにもほどがある男だが、共に尽力するとしよう。この国に光を齎し、輝く明日を作る為に」

 

 ヴァルゼライド閣下と熱い握手を交わした事で晴れて奏の家粛清は完全回避です。以降お兄様が死んだとしても奏の家が粛清される事はありませんが、死ぬと色んな人が曇るのでアスクレピオスを乗り越えるべく修練あるのみです。

 

  ーというところで今回は此処まで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 




血統派「タツヤ・奏・アマツ最高や!これはヴァルゼライドに対抗する血統派の次世代のホープ!アリエス隊長にしたろ!」
お兄様「アリエス隊長になって部隊も掌握したし、実家と婚約者の実家説得して改革派に就くわ」
奏家当主「息子がこう言うし、もう当主の座は息子に譲って隠居するわ」
潮家当主「娘が結婚認めてくれないなら家出て行くっていうし、よくよく聞いてみたら一理あるし義息子に従うわ」
血統派「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

これには改革派はみんなニッコリ(血統派は憤死)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。