【完結】シルヴァリオサーガRPG実況プレイ   作:ライアン

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お兄様はアドラーの最高指導者であり、神祖滅殺の最終決定の判断を降したのはお兄様です。当然フルメタルギガースの面々の死も、その行いによって生じた犠牲についても最終的な責任もお兄様に帰する事になります。


誓約

 

 神祖滅殺へと動き出したアドラーはまずリベラーティへと了承の意を伝えた。色好い返事を貰えたリベラーティの当主ブリアックはその場で大げさな程に喜び、感涙にむせび泣きながらタツヤの手を取り、何度も何度も感謝の意を伝えて「この恩には必ずや一族を挙げて応える、決して損だけはさせない」ーーーと伝えてアドラーを後にするのであった。

 

 そして次に行われたのはアドラー内部で泳がせていたカンタベリーの間諜に対する()()()であった。大人しく帝国に忠誠を誓い、二重スパイとなるのであれば良し、あくまで故国への忠節を貫くというのであれば望み通りに殉教者にしてやると迫られたシン・ランスロー枢機卿ーーーもとい帝国軍第三諜報部隊・深謀双児(ジェミニ)所属のシン・ランスロー少佐は両手を挙げて降伏の意を示し、迫った側が拍子抜けするほどにあっさりと帝国へと恭順したのであった。

 

「出世も栄光も命あっての物種ですからね。スパイである事を見抜かれていた()()が寛大にもお見逃し頂けるというのであれば感謝と共に帝国への忠誠を誓わせて頂きますとも」

 

 と堂々と言ってのける様に上官であるアルバートは苦笑。今後もこの油断ならず信用も信頼も出来ない部下をこき使う事にするのであった。人格の是非を置いておけばシン・ランスローという男には深謀双児(ジェミニ)隊長さえ務まるであろう才幹を有しているのだから。花形とは言い難いジェミニにとっては始末するにはいささか惜しい男であった。

 

 そうして情報流出の恐れを潰すと軍上層部は秘密裏に神祖滅殺の任を帯びた特務部隊機甲巨人化創星録(フルメタルギガース)の編成と第二世代型魔星の開発に着手。ギルベルトが語ったように多くの死に場所を求めていた傷痍兵がこれに志願し、ダインスレイフが遺した人体改造データと帝国の保有する最新技術が合わさり、心技体を併せ持った鋼の巨人の軍勢が誕生するのであった。

 そうフルメタルギガースへと志願した者の多くは傷痍兵、もう二度と戦えないと判断されて軍務から退いた者達ーーー身も蓋もない露悪的な言い方をすれば既に軍人としては使い物にならないと判断された者達ばかりなのだ。ラウディッツ民政大臣が告げたように本来であればそうした者達が社会に復帰できるよう尽力するのが国の役割であり責務というもの。それを使()()()()()()()()()として利用するなど外道の誹りを免れぬ行いだろう。ならばこそアドラーがこれより為す神祖滅殺とは決して()()などと呼べる代物ではないのだ。

 

「だがそれでも為さねばならぬ事だ」

 

 自らが君臨するこの第38代総統という玉座が敵と味方双方のおびただしい屍を礎にしている血塗られたものである事などタツヤ・奏・アマツは百も承知。その上でそれこそが()()()だと判断した以上もはや躊躇いはなし。決してその死を無駄にしないためにも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と心の炎を燃やすのだ。

 

「というわけだオーバードライブ大佐。貴官にその意志があるのであれば貴官には第二世代型魔星となって貰い、本極秘作戦の指揮を執って貰いたい。これに対して貴官は明確な拒否権を有している。もしも拒否したとしても貴官の進退には一切影響しない事を総統として誓約しよう」

 

 第二世代型人造惑星(プラネテス)、それは生者のままに魔星となった先代総統クリストファー・ヴァルゼライドを下にして提唱された次世代の魔星であった。

 迦具土神壱型の消滅によって帝国はもはや特殊な素養を持った死体によって生み出される第一世代型魔星を新たに作り出す術を失った。素体と成り得る存在を割り出すための術がもはや新西暦では作りようがない最高性能のバイオコンピューターの演算なしには覚束ない以上、流石のネジが外れた研究者達もたった一体の魔星を作り出すためにどれだけの試行回数が現実的に必要となるかを考えた末に断念せざるを得なかったのだ。

 しかしそこで研究者たちの中にまさしく雷の如き閃きが舞い降りる。そう何もアドラーが産みだした魔星は死者をもとにしたものばかりではなかったではないかーーークリストファー・ヴァルゼライド、あの今以てなお最強と謳われる伝説の英雄もまた歪で不完全な存在ながらも魔星と呼べる力を持った存在であったではないかーーーと。

 良識を持った真っ当な研究者(ミリアルテ・ブランシェ)はそれをクリストファー・ヴァルゼライドという人物が有していた破格の精神力あってのものであり、余りにも個人の資質に依拠したものである以上オリハルコンの使用に拘り続けるのは得策ではないという極めて真っ当な判断の下、アダマンタイトの上位互換と言えるセイファートを開発したわけなのだが、何せ元々魔星の開発に携わっていた者たちはそうした良識という言葉には程遠い生粋の研究狂い(マッド)共ばかり。閃きが舞い降りて光明が見えた以上は突き進むのみと言わんばかりにプロジェクトへの支援を要求。そして衝動を超克した魔星が国家にとってどれほど有益な存在かを露蜂房(ハイヴ)という実例を以て知る最高指導者も現在帝国が抱える最高レベルのエスペラント達をそのまま次のステージに進める事が出来ればそれはエスペラントの配備が各国で進む中、セイファートと同様に帝国に圧倒的な軍事的アドバンテージを与えてくれると判断。

 かくして第二世代型魔星の開発は秘密裏に進められて来たのだが、その歩みは牛歩と言わざるを得なかった。何せ死体をサンプルにしていた第一世代型魔星と違って、第二世代型魔星は帝国軍に所属するエスペラントをそのまま次のステージに押し上げる事を目的としたものなのだ。エスペラントと呼ばれる存在の国家と軍にとっての価値と稀少性は今更語るまでもなく、当然失敗して被験者は死んでしまいました等という事に成っては目も当てられないし、成功例であるヴァルゼライドのように強化はされたが寿命が大幅に削れて軍人として働ける期間は数年程度となるのも当然論外。それらの条件を満足なデータ取りも出来ないままにクリアしなければならない以上、当然のように計画は暗礁へと乗り始める。

 しかし、そんな最中に舞い降りた一筋の光明それこそがファヴニル・ダインスレイフの遺した改造データそのものであった。全身に及ぼした改造は何と37回、極め付きとばかりに行われた心臓部へのオリハルコンの埋め込み。それらのデータは暗礁へと乗りかけていた第二世代型魔星の開発に飛躍的な発展を齎した。後は実際にそれらを下にした改造施術を本計画の志願者である傷痍兵達に行い、本作戦を率いる指揮官にして保有する星辰光(アステリズム)から神祖滅殺の切り札と成り得ると考えられているジェイス・ザ・オーバードライブ大佐を心臓部にオリハルコンを埋め込み、全身の骨格をセイファートへと変えた帝国の誇る最新の魔星へと生まれ変わらせる事で以て神祖滅殺の下準備は整うーーーというわけであった。

 だがそれには当然本作戦の中核を担うオーバードライブ大佐の同意が必要となる。オーバードライブ大佐の同意が得られなければアドラーとしては申し訳が立つ程度の戦力をリベラーティへと貸し与えて後の事は完全な出たとこ勝負となるだろう。神祖の持つ不死性の突破に必要と考えられるのはより高位次元との感応性が高いオリハルコンと高位次元との接続そのものに干渉する星辰光(アステリズム)の併用、それがリベラーティから神祖の情報を得た帝国の頭脳(アクエリアス)が降した結論であり、白羽の矢が立ったのがジェイス・ザ・オーバードライブであった。故にジェイスが本作戦に志願しなければ必然神祖を滅殺し得る手段はリベラーティ側の保有する切り札のみとなる。必然的にただでさえ極少と言える神祖滅殺の成功確率は大幅に低下するわけなのだがーーー

 

「というのもだな、貴官が志願しないならば志願しないでこちらとしては構わんのだよ。貴官は優秀だ。軍全体を統括する将官とするにはいささか不安もあるが、前線指揮官として見た場合の貴官は傑出している。その力量も精神性も何から何まで帝国軍人の鑑と称するに値するものだ。そして保有するその星辰光(アステリズム)に魔星としての出力が加われば、神祖滅殺をなし得るというのが叡智宝瓶(アクエリアス)の見解だ。言うなれば貴官は対神祖に於ける我が帝国の()()()と成り得る存在なのだ。それを果たして初手から投入するのはどうかとーーーこの辺りは軍上層部の間でも意見が割れたところでな」

 

 そう神祖滅殺のためにリベラーティへと協力する事は決定しても、送る人員の選抜の段階でもまた当然のように意見の対立は発生する。これが第二世代型魔星へと至った者総てが神祖滅殺をなし得るのであれば問題なかっただろう。しかし神祖滅殺をなし得るのはオリハルコンの出力に加えて高位次元との接続を破断し得る特殊な星辰光(アステリズム)の併せ技が必要となってくれば当然話はまた変わってくる。何せアステリズムというのはその人物固有のものなのだ。当然軍が特定の星光を求めたとしてもそれを保有している人物が必ずいるとは限らないし、しかもアステリズムだけを持っていたとしても肝心要の戦闘技術がお粗末であれば当然のように神祖滅殺は覚束ない以上、その適性者など当然のように稀少も良いところ。それらの条件を総てクリアしたジェイス・ザ・オーバードライブ大佐はまさしく帝国にとっては対神祖の虎の子と言える逸材なのだ。

 その虎の子を果たして初手から投入すべきかどうかは当然のように帝国の上層部でも意見が真っ二つに割れた。当作戦が投入する人員の使()()()()を前提としている以上オーバードライブ大佐を用いるのであれば帝国は貴重な切り札を喪失する事になる。さりとてリベラーティという友邦が自ら泥を被り、おまけにニーズホッグという神へと牙を届かせ得る人材をあちら側も確保している今回が千載一遇の好機なのもまた事実。戦力を出し惜しんだ結果せっかくの神祖討滅の好機を逸したとなっては悔やみきれぬところ。

 故に軍上層部としては極めて異例な事に当人の判断に委ねる事にしたのだ。何せ一国の首都にもぐりこんでその国の中枢を担う四人の要人を纏めて暗殺しようという余りにも無茶で無謀な計画なのだ。その要人4人が非力な文官であるのならまだしもアドラー最高戦力であるチトセ・朧・アマツをも越えると予想される怪物どもなのだからどれだけそれが困難なものかも容易に想像出来るというもの。この作戦の遂行に己が命を使い切る覚悟がなければ成功など到底覚束ない事は明らかであった。

 

「故に重ねて言うが、これを断ったとしても貴官にとっての不利益は一切存在しない。貴官がいざという時に祖国のためにその命を惜しまぬ勇者である事は私も含めてみな重々承知しているのだからな」

 

 一体誰がこの作戦への参加を拒否したという一事で以てジェイス・ザ・オーバードライブが勇者である事を疑うだろうか。彼のその祖国に対する愛国心と献身はこれまでの戦歴と胸に輝くいくつもの勲章が証明している。何よりタツヤにとってはダインスレイフ討伐に際して肩を並べて大いに頼らせてもらった戦友でもある。多くの子どもを持つ()()でもある目前の男が今回の作戦のような畜生働きへの参加を拒否したとしてもそれは無理からぬ事。何せ神祖はアドラーにとってあくまで潜在的な脅威であって差し迫った脅威ではないのだ。放置するのは余りに危険なれど、討滅して得られる実りは余りにも少なく、討滅する行為そのものは完全な汚れ仕事となる。放置するのは危険だと判断したタツヤにしてもリベラーティという協力の見返りとして莫大な報酬を用意してくれた上に汚れ役まで引き受けてくれる素晴らしき友邦(スケープゴート)無しには滅殺には踏み切れなかっただろう。

 

「その任、喜んで引き受けさせて頂きますとも総統閣下。俺は貴方やハーヴェス大将程に大局を考える事が出来るわけじゃない。そんな俺でもこれが千載一遇の好機だって事はわかるつもりです。此処を逃せば次にそいつらを滅殺するチャンスが巡ってくるのは何十年どころか何百年先になるのかもわからない、そしてその次のチャンスが巡ってくるまでの間に奴らの計画が実現しない保証はどこにもない。だったら此処が命の燃やし時ってもんでしょうよ!」

 

 問いかけに対する返答はそんなどこまでも半ば予期していた通りの力強く雄々しいものであったが故に、タツヤもその胸に抱いた葛藤を飲み干すように一瞬だけ目を閉じて

 

「総統として貴官の祖国への尽力と献身に心からの感謝を捧げる、オーバードライブ大佐。故に私は改めてここに誓約しよう。貴官のその献身を決して私は忘れない。歴史に記す事は出来ないが貴官たちの献身をこの胸の奥底にまで深く焼き付けよう。そして祖国に輝く明日を齎す事で以て報いてみせよう。当然遺族に対しては一生困らぬだけの支援を行う」

「その言葉が聞ければ俺としては一切の憂いなしってものですよ。うちの子ども(チビ共)が笑顔で暮らせる国にしてください。貴方ならきっとそれが出来るはずですから」

 

 上官と部下としてではなく一人の対等な人間として、戦友として、そして男として。拳をこつんとぶつけ合い決して違えるわけにはいかない誓約を新たにタツヤ・奏・アマツは行うのであった。




スメラギ「やるやるー僕達も命を賭して任務を果たして来いって部下達を送り出すときはそういうのめっちゃやるわー」
イザナ「その上で当然遺族への補償も怠らないし、国家の功労者として語り継ぐ。当然の事だな、それが上に立つ最低限の義務というものだ」
グレンファルト「ああ、大切な部下を犠牲にするのはいつだとて心が痛むものだ。だからこそその犠牲を無駄にしないためにも必ずやより良き未来を作らねばな」

当作で帝国の開発しようとしている第二世代型魔星は大体スフィアへの接続能力を持っていない版第三世代型魔星と一緒です。気合と根性で以て出力が戦闘中も増大していくという摩訶不思議な事が起こる事を前提にしてボディの耐久性とか頑丈性に重きが置かれているって奴ですね。本気おじさんが37回もの改造を要したのに対して帝国は数度の施術でしかも全身アダマンタイトだった本気おじさんに対して全身セイファートという完全上位互換状態になれるのだーーー!!!アドラーの技術は新西暦一ーーーー!!!
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