スキルのせいで厨二病患者に認定されました   作:厄介な猫さん

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アニメや他の方の二次小説に触発されて書いてしまいました。
てな訳でどうぞ


遠距離武器でプレイします

「やっと買えた~。発売初日に買えなかったのは痛かったなぁ」

 

黒髪黒目の制服姿の少年、新垣浩(あらがきひろし)はニシシと笑みを浮かべながら、とあるゲームソフトが入ったビニール袋を片手に駆け足で家に帰っていた。

そのゲームソフトの名は『New Wolrd Online』―――通称『NWO』。

 

今話題の新作VRMMOゲームだ。

普通なら事前に予約しとけばいいだけの話だが、浩はそれを面倒くさいという理由だけで怠った結果、発売初日の購入を逃すという結果を招くこととなった。

 

ハード自体はあるので、すぐにでもプレイできる。

……実際のプレイは宿題を終わらせてからだけど。もっとも、明日は学校は休みだから多少夜更かししても大丈夫である。

 

「ただいまー!」

「お帰りー」

 

帰宅すると、リビング辺りから母さんの返事が返ってくる。

浩の両親はちゃんと成績を取っていれば、特にあれこれと苦言は言ってこない親である。

 

「今日は随分と声が嬉しそうね。ひょっとしてお望みのものが買えたの?」

「うん。今日からようやくプレイできるよ」

「そう、良かったわね。だけど、熱中するのはいいけど程々にね。勉強に支障が出たら、親としてはゲーム禁止にしないといけないからね。それが嫌ならちゃんと両立するように」

「分かってるよ。ゲームは宿題をちゃんと終わらせてからやるよ」

「分かってるならよろしい」

 

そうして、浩は夕食、風呂、宿題をさっさと終わらせる。

 

「宿題も全部終わりっと。これでようやくゲームができる!」

 

逸る気持ちを抑えながら、浩は待ちに待ったゲームのハードを取り出す。

 

「~~♪」

 

ハードの電源を入れ、鼻歌混じりにNew World Onlineの初期設定を手早く済ませていく。

 

「初期設定はこれで終わり……次はキャラ作成だ!」

 

浩は高ぶった気分のまま、電脳世界にダイブする。久しぶりの感覚を妙に懐かしく感じながら目を開けると、そこは久々のゲームの世界だった。もちろん、町の中ではなく、キャラクター作成の場所だ。

 

「キャラネームは……リアルバレは嫌だから……コーヒーでいいか」

 

浩は特に迷うことなく、空中に浮かぶパネルにコーヒーと名前を入れて決定ボタンを押す。ふざけたキャラネームだが、自身の名前には微塵も掠りはしないからバレないだろう。

そもそも、学校にも特に親しい友人はいないし。

……ボッチでもいいんだもんね!!

 

「武器は……射撃系統がいいんだけどな……」

 

少し自分のメンタルダメージが入った浩―――コーヒーは気を取り直して初期装備の選択に進む。

コーヒー個人としては銃とかがいいのだが……流石に無いみたいだ。そういった武器が苦手とか、動き回るのが苦手とか、そんな理由からではなく、単に某映画のやアニメのワンシーンの如く、遠距離武器で近接戦闘!というロマンも実現したいからである。もちろん、普段は遠くからネチネチ撃ちまくるつもりだ。

 

「あるのは……弓と弩―――クロスボウだけか。いや、どっちも武器カテゴリーとしては弓だけど」

 

説明文では、弓は端的に言えば威力は低いが連射性が高い。クロスボウは威力は高いけど連射性が低い……と。

ちなみに、弓やクロスボウは矢筒とセットで両手扱いの武器である。

 

「……よし、クロスボウにしよう」

 

クロスボウは銃の親戚みたいなものだ。妥協点としては十分だろう。上手くいけば遠距離では狙撃、近距離では殴るが実現できる。

杖で殴打?魔法で狙撃?論外ですが何か?

 

次はステ振りだが、初期ステータスポイントは100。これをHP(体力)MP(魔力)STR(攻撃)VIT(耐久)AGI(敏捷)DEX(器用)INT(知力)の各種ステータスに割り振るのだが……

 

「ステ振りは……ある程度は適当でいいか」

 

コーヒーはそんなことを呟きながらステータスを振っていく。

 

「次は見た目だな。身長は……変更不可か。髪と眼の色は……変更可能っと」

 

なら、リアルバレ防止目的で髪は白、眼は翠へと設定する。

厨二?この程度は厨二病の内に入らないだろ。うん。

ちなみに、浩の身長は158センチである。もし変更できていたら、7センチ延長していたところだ。

 

そうして、設定が全部終わったので、ようやくゲームスタートとなる。

コーヒーの体が光に包まれ、次に目を開けた先には、活気溢れる城下町の広場であった。

 

「さて、改めてステータスを確認するか……ステータス」

 

コーヒーはそう言うと、ヴォンという音と共に自身の前に半透明のパネルが浮かび上がる。

目の前に現れた自身のステータス画面で、コーヒーは改めて自身のステータスを確認していく。

 

 

===============

コーヒー

Lv1

HP 35/35

MP 13/13(+10)

 

STR 10(+15)

VIT 5

AGI 45(+5)

DEX 30

INT 10

 

頭装備 (空欄)

体装備 (空欄)

右手装備 初心者の弩 【STR+15】

左手装備 (装備不可)

足装備 (空欄)

靴装備 初心者の魔法靴 【MP+10 AGI+5】

装飾品 (空欄)

    (空欄)

    (空欄)

 

スキル 

なし

===============

 

 

STRは装備込みで25、AGIは50か。まずまずだな。所持金は……初期値の3000G(ゴールド)っと。

確認が終わったら、まずはフィールドでモンスター狩りである。初心者装備でも十分に倒せることはネット情報で確認済みだ。

 

「しかし、本当に人で溢れてるなぁ……出遅れたのが本当に悔やまれる」

 

コーヒーは軽く肩を落としながら町の外へと出る。まあ、その分ネットに情報が出回っているから悪いことばかりではないが。

 

「狩り場は……森の中でいいか。平地じゃ目立つし、最初は射撃武器らしく、遠くから狙い撃ちしたいし」

 

そんな訳で、コーヒーは十分足らずで森に到着。手頃な木に登り、そこからモンスターを探していく。

 

「ウサギ型のモンスター……なんかベタだな」

 

最初に見つけたモンスターは、林檎とウサギが混じったようなモンスターだった。林檎のウサギカットが元ネタなのが容易に想像できる。

コーヒーは微妙な気分になりながらも、クロスボウをそのリンゴウサギに向けて構える。

 

距離は……およそ30メートル。

リンゴウサギはこちらに気づいていない。コーヒーはレバーを引いて弦を引っ張り、固定する。

そして、腰の矢筒から取り出した矢をセットし、左目を閉じてリンゴウサギの頭部に狙いを定め……引き金を引いた。

 

ヒュン!

 

小気味いい風切り音を奏で、矢が発射される。

放たれた矢はそのまま真っ直ぐ進み、リンゴウサギの頭部に突き刺さり、その衝撃でリンゴウサギは仰け反って倒れる。

だが、一撃で倒れなかったリンゴウサギはすぐさま起き上がり、辺りをキョロキョロと見渡し始める。

 

そんなリンゴウサギにコーヒーは無慈悲に二射目を放つ。

二射目もリンゴウサギの頭部にヒット。二射目も喰らったリンゴウサギはこちらに気づかず、警戒心を露に身構えて周囲を探っている。三回目のヘッドショットでもリンゴウサギはこちらに気づかない。

 

コーヒーは楽だと感じながら、四射、五射とボウガンから矢を無慈悲に放ち続ける。

放たれた矢は当然の如く全部頭部に当たっており、リンゴウサギは十回目のヘッドショットでポリゴンとなって消えた。

 

ピロリン♪

『レベルが2に上がりました』

 

リンゴウサギを倒したことで、レベルが上昇した。

 

「レベルが上がってポイントも入ったな。ステ振りは……しばらくはしなくていいか。リセットできない以上、もうちょいレベル上げてから振った方がいいだろうし」

 

与えられたステータスポイントは5。事前情報でステータスポイントは偶数のレベルおきに追加されるので、今はとっておいた方がいいだろう。十の倍数の時は二倍である。

 

「さあ、この調子でレベルを上げていくぞ」

 

コーヒーはそう言ってモンスター狩りを再開した。

 

 

―――二時間後。

 

 

ピロリン♪

『レベルが14に上がりました』

『スキル【気配察知I】を取得しました』

『スキル【気配遮断I】を取得しました』

 

あれからリンゴウサギ以外にも、蜜蜂と啄木鳥辺りを融合させたモンスターやムカデ、芋虫、狼等を遠方からの狙撃オンリーで仕留め続けた結果、そこそこレベルが上がり、スキルも獲得した。

途中、大盾使いであろうプレイヤーがコーヒーが狩っていたモンスターに近づいてきていたが、矢を二発、そいつの足下と頬すれすれに撃って追い払ったので問題はない。アイテムドロップも勿論入手済みだ。

ちなみに、この二時間で得たスキルは上記の二つ以外は以下の通りである。

 

 

===============

【狙撃の心得II】

静止状態が五秒以上かつ対象との距離が10メートル以上の時、与えるダメージが10%加算される。

取得条件

【狙撃の心得I】を取得した状態で、半径10メートル以上の距離にいる敵を20体撃破すること。

===============

 

===============

【弩の心得I】

弩装備時、与えるダメージが5%加算される。

取得条件

弩を装備した状態で、敵を50体撃破すること。

===============

 

===============

【一撃必殺】

頭部に攻撃を当てた際、10%の確率で【即死】となる。

ボスモンスターには無効。

取得条件

頭部に止めを刺した攻撃を連続で50回行うこと。

===============

 

 

現時点で一番強力なスキルはこの【一撃必殺】だろう。頭を撃てば十回に一回の確率で、敵の体力や防御力関係なしで殺せるのだから。

ボスモンスターに効かないのは、まぁ、お約束だろう。ボスモンスターまでそうなってしまったら、ゲームバランスが崩壊してしまうし。

 

「時間も遅いし、そろそろログアウトするか……明日は戦利品を幾つか売った後は、装備やアイテムを少し買って、適当なダンジョンとかで資金集めをするか」

 

明日の段取りを考えながら、コーヒーは画面を操作してログアウトするのであった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

【NWO】ヤバいスキル持ちのヤツを見つけた

 

1名前:名無しの大盾使い

狩られるところだった

 

2名前:名無しの大剣使い

kwsk

 

3名前:名無しの魔法使い

PK?

 

4名前:名無しの大盾使い

西の森で単独で探索していた時大ムカデがヘッドショットを喰らっている現場に遭遇したんだ

近くには誰もいないし訝しんでそいつに近づいたら

 

5名前:名無しの槍使い

そのヘッドショットをしていたヤツに撃たれたと

 

6名前:名無しの大盾使い

ああ

最初は足下だったのが次は邪魔するなと言わんばかりに頬すれすれを撃ってきたんだ

それで大人しくその場を去ったんだが

 

7名前:名無しの大剣使い

だが?

 

8名前:名無しの大盾使い

最後に振り返って見た光景はヘッドショットでムカデが倒されて消えるところだったんだ

それも大ムカデのHPが半分以上あった筈なのにだ

 

9名前:名無しの槍使い

へ?

 

10名前:名無しの弓使い

まさかの即死系スキル!?

 

11名前:名無しの大盾使い

状況からしてそうだと思う

もしそいつが最初から排除に動いていたらヤバかったと思う

相手が何処にいるか分からないままだったし

 

12名前:名無しの槍使い

よくキルされずに済んだな

 

13名前:名無しの大盾使い

俺もそう思う

向こうも追い払う感じで矢を撃っていたから良心的な方だと思う

 

14名前:名無しの弓使い

俺と同じ弓使いか

地味にショックです

 

15名前:名無しの魔法使い

元気だしなよ

その内取れるさ

 

16名前:名無しの大剣使い

だけど即死系スキルはどのゲームでも基本強いよな

代わりに低確率だったりボスには効かないというのがお約束だけど

 

17名前:名無しの槍使い

だよな

それがないとゲームバランス崩壊するし

 

18名前:名無しの大盾使い

そうだな

しかし一体誰だったんだろうな

 

19名前:名無しの槍使い

野郎ではなく美少女だったらいいな

 

20名前:名無しの魔法使い

お巡りさんこの人です

 

21名前:名無しの大剣使い

どっちにしろ情報を集めるしかないな

トッププレイヤーになれば、自然と名前も上がるだろうし

 

22名前:名無しの大盾使い

何か分かったら書き込むわ

 

23名前:名無しの弓使い

よろしくお願いします!(敬礼)

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 




他の二次創作(作者の知る限り)では弓は片手武器扱いですが、ここでは両手武器扱いにしました。
実際、弓やアニメの武器が散乱していたシーンにあったクロスボウはどう扱われているんでしょうかね?作者の知る限り、ゲームでは大概両手武器扱いなんですよね。
後、タイトルにあるスキルの取得は少し先となります。
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