スキルのせいで厨二病患者に認定されました   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ


一人でダンジョンへ

ゲーム開始から早一週間。

ダンジョンでアイテムを採掘したり、レベルを上げたりと、浩ことコーヒーはゲームを満喫していた。

そんなコーヒーの現在のステータスは以下の通りである。

 

 

===============

コーヒー

Lv.20

HP 235/235(+45)

MP 53/53(+15)

 

STR 25(+18)

VIT 5(+18)

AGI 72(+8)

DEX 50(+13)

INT 16(+3)

 

装備

頭装備 革のハチマキ 【HP+5 MP+5 DEX+2】

体装備 革のコート 【VIT+5 AGI+3】

右手装備 スチールボウガン 【STR+18 DEX+3】

左手装備 (装備不可)

足装備 革のズボン 【HP+10 VIT+5】

靴装備 革のブーツ 【AGI+5 DEX+5】

装飾品 フォレストクインビーの指輪 【VIT+6】

    革の手袋 【VIT+2 DEX+3 INT+3】

    (空欄)

 

スキル

【狙撃の心得IV】【弩の心得III】【一撃必殺】【気配遮断II】【気配察知III】

【ソニックシューター】【砕衝】【アンカーアロー】【跳躍I】【壁走りI】

【体術I】【連射I】【遠見】【射的距離強化小】【釣り】

【採掘I】【HP強化小】【MP強化小】【麻痺耐性小】【毒耐性小】

===============

 

 

スキル【連射I】は自身のDEXの10%分、矢を立て続けに放てるスキルだ。一度使うと、再使用可能になるまで二十分はかかるが、【一撃必殺】持ちのコーヒーには十分に嬉しいスキルだ。

【壁走りI】は五秒の間だけ壁を走れるスキルだ。【跳躍I】と合わせれば、アクロバットな動きが可能である。

 

【射的距離強化小】は遠距離攻撃の有効射程が【DEX】×1.5倍の数値でメートル単位で上昇するスキルである。

ちなみに装備品は基本、NPCショップで買い揃えたものである。

 

生産職プレイヤーによるオーダーメイド品は、生産職プレイヤーのスキル次第ではかなり高性能となるが、製作には最低100万Gかかるので、現時点では諦めている。

 

「そろそろ、ダンジョンのボスと戦いたいところだな……このステータスならソロでも十分に行けるだろ」

 

パーティーを組める相手がいないコーヒーは今日、本格的にダンジョンを攻略するつもりである。場所は既に攻略情報のある町から東側の方にあるダンジョンだ。

……別にフレンドがいないからではない!

 

「さて、ダンジョンに行く前に武器のメンテをしてもらっておくか」

 

回復アイテムの類は既に購入し終えていたコーヒーは、肩に担いだ《スチールボウガン》を担ぎ直し、町にある一軒の店へと向かって行く。

 

「イズさーん。武器のメンテお願いしまーす!」

 

目的の店に入ったコーヒーを出迎えたのは、カウンター越しに作業をしている薄い水色の髪の女性だった。

 

「あら、いらっしゃいコーヒー。昨日メンテしたばかりなのに……まさかとは思うけど……」

「違います!今日、東にあるダンジョンの一つを一人で攻略するので、念のためにです!」

「あら、そうだったの」

 

イズと呼ばれた女性は慌てて弁明したコーヒーの言葉に納得し、カウンターに置かれた《スチールボウガン》の耐久値を確認していく。

 

「昨日の今日だから流石にそこまで減っていないけど……コーヒーの武器の扱いは本当に酷いから念入りにメンテしておくわね」

「ありがとうございます」

「お礼を言うくらいなら、もっと武器を大事に扱ってほしいわ。クロスボウで殴ったり攻撃を防いだり……本当に雑に扱うんだからね、コーヒーは」

「……善処します」

 

イズの迫力を感じる笑顔の前に、コーヒーは目を若干逸らしながら答える。

最初に噂を聞き、武器のメンテを頼もうと店に訪れて耐久値がギリギリのクロスボウをイズに見せた結果、コーヒーはカウンター前で正座をし、クロスボウをどう扱っていたのかを話す羽目となった。

 

ちなみにクロスボウの耐久値がギリギリだったのは、クロスボウでモンスターと近接戦闘をやらかしたからである。理由は狙撃にそろそろ飽きてきたからというだけ。

 

コーヒーは武器のメンテが終わるまでの間、改めて所持品やスキルを確認していると、店の扉が開く。

誰が来たのかと、コーヒーはチラリとそちらに視線を向けると、そこにはいつぞやの大盾使いの男だった。

 

「いらっしゃいクロム。今日は盾のメンテかしら?」

「ああ。今日は初挑戦のダンジョンに向かうからな。イズ、悪いが入念にメンテしておいてくれ」

「わかったわ。だけど、先客がいるからその後でいいかしら?」

「先客って……そいつか?」

 

クロムと呼ばれた大盾使いの男がこちらに気づいたので、コーヒーは作業を中断して顔を向け、軽く挨拶することにする。

 

「初めまして。イズさんに武器のメンテを先に頼んだコーヒーです」

「俺はクロムだ。……コーヒーって、結構変わった名前だな」

 

クロムは苦笑して呟く。イズの時も、コーヒーの名前を聞いて似たような反応をしていたから、コーヒーは特に気にした様子もなく装備とアイテムの確認を再開していく。

 

「武器のメンテってことは、コーヒーもどこかのダンジョンに潜るのか?」

「はい。東にあるダンジョンを一人で」

「一人でダンジョンに潜るつもりなのかよ……装備も見た限り後衛のようだし、厳しいんじゃないのか?」

 

画面から顔を逸らさずに質問に答えるコーヒーに、クロムは呆れたように溜め息を吐きながら心配する。

 

「ご心配どうも。一応、ザコモンスターなら確率で即死できるから、そこそこは大丈夫なので」

「確率で即死ねぇ……って!?コーヒー!お前、即死系スキルを持っているのかよ!?」

 

クロムが物凄い勢いでコーヒーに食いついてきた。コーヒーは面倒だと思いつつも、クロムの疑問に答えることにした。

 

「……頭を攻撃した時に低確率で。当然、ボスモンスターには効かないし、取得条件を教える気もありません。欲しかったら頑張って自力で見つけてください。後、周りに言いふらすようなら……次からはその頭を撃ち抜くことにします」

「次からはって……お前があの即死攻撃をしていたヤツなのかよ!?」

 

クロムがあの時の下手人がコーヒーである可能性に気づいて声を上げる。

そんなクロムに、コーヒーは正解だったこともあり、攻撃してきた理由を明かすことにする。

 

「モンスターを横取りされたくなかったので。その場でPKされなかっただけ感謝して下さい」

「ったく……そんでコーヒーはあの時何処にいたんだ?近くにはいなかったぞ?」

「30メートル先の木に隠れて狙撃していました」

「……ああ。だから近くにいなかったのか……せっかくだしフレンド登録しておくか?」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

再び呆れたように溜め息を吐きながらフレンドになるか聞いてきたクロムに、コーヒーはあっさりと了承して登録する。ちなみにイズとは、カウンター前で正座することとなった日にフレンド登録している。

 

「はい、コーヒー。武器のメンテ終わったわよ」

「ありがとうございます」

 

コーヒーはイズにお礼を告げながら《スチールボウガン》を受け取り、店を後にするのであった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

341名前:名無しの大盾使い

例の即死スキル持ちに遭遇したというかフレンド登録したw

 

342名前:名無しの魔法使い

え?

 

343名前:名無しの槍使い

どうやって?

 

344名前:名無しの大盾使い

知り合いの生産職の店に盾のメンテを頼みに行ったら遭遇した

そして話の流れでそいつだとわかった

 

345名前:名無しの弓使い

それで肝心のそのスキルは?

 

346名前:名無しの大盾使い

まあ待て

その即死スキルは頭を攻撃した時に低確率で発生するようだ

同時にボスモンスターには効かないとも

 

347名前:名無しの大剣使い

ふむふむ

取得条件は?

 

348名前:名無しの大盾使い

それは教えてもらえなかったな

後周りに言いふらしたら次からは問答無用でPKだと釘を刺された

なのでこの話はここだけに留めておいてくれ

ちなみに男だった

 

349名前:名無しの弓使い

男なのか

残念

後了解です

 

350名前:名無しの魔法使い

上に同じく

 

351名前:名無しの槍使い

俺も

 

352名前:名無しの大剣使い

俺も

 

353名前:大盾使いのフレンド

名無しの大盾使い

今度パーティー組んだ時に囮をやれ

それでPKは勘弁してやる

 

354名前:名無しの弓使い

噂の本人が見てた

 

355名前:名無しの大剣使い

 

356名前:名無しの魔法使い

御愁傷様です

 

357名前:名無しの槍使い

囮頑張れ

 

358名前:名無しの大盾使い

泣きたい

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「クロムのやつ……速攻で掲示板にカキコしやがって」

 

コーヒーはブツブツと文句を言いながら、道中のモンスターの頭に矢を撃ち込みながら目的のダンジョンに向かって進んでいく。

 

フレンド同士の会話くらいなら容認するつもりではあったが、掲示板という不特定多数が見られるもので話題にされたら堪ったものではない。

 

一応、最低限の情報しか書いていなかったので、その辺りを考慮してパーティーを組んだ時の囮役を突き付けることにしたのである。

 

「ん?」

 

そんなこんなで森を歩いていると、視界の隅で何かが光ったような気がしたコーヒーはその場で足を止め、周囲を見渡していく。だが、視界に見える範囲では仰々しく生い茂っている樹木しかない。

 

「念のために【遠見】でも確認してみるか」

 

コーヒーはスキル【遠見】で改めて周囲を見渡していく。

すると、ちょうど左の方向に、何かを模した金の彫像を祀った小さな祠が佇んでいた。

 

「何だあれは?何かイベントか?」

 

コーヒーは疑問を露にその祠に近づこうと歩を進めていく。

すると、その祠はスゥー……っと幽霊のごとくその場から消え去っていった。

 

「消えた?何かしらのギミックということか?」

 

コーヒーは先ほどまで祠があった場所に注視しながら下がると、祠はさっきとは逆の動作で再びその場へと現れた。

 

「完全に何かのギミックだな。こういうやつの定番はこの場所から攻撃を当てることだが……距離は大体300か……」

 

祠の扉は観音開きで中の彫像が露になっているので、普通に考えればその彫像に当てるのが定石だろう。

だが、ここから祠までの距離は目測でおよそ300メートル。

 

祠に周りを守られているから、正面からでしか当てられない。

かなりの鬼門だが、今のステータスとスキルならいける筈。コーヒーはそう考えて《スチールボウガン》に矢をセットする。

 

「【ソニックシューター】」

 

青いエフェクトに包まれた矢が、祠の中の彫像より少し上の方向に向けて発射される。

射程距離が長い射撃スキルと射程距離が延長されるスキル。加えて発射角度。

それらが合わさったことで、コーヒーが放った矢は祠の中の彫像に綺麗に当たった。

途端、その祠に向かって雷が落ちた。

 

「うおわっ!?」

 

距離があるとはいえ、突然の雷にコーヒーが驚いていると、ゴゴゴゴ……という音が聞こえてきそうな程に祠が小刻みに揺れ、徐々に祠の下の地面が盛り上がっていく。

やがて祠の揺れが収まると、中へと潜れる洞窟が出来上がった。

 

「完全にダンジョンの入口だよな……もしかして、未開のダンジョンか?」

 

コーヒーは訝しみながらその洞窟へと近づくも、洞窟と祠は消えずにその場に存在し続けている。

 

「よし!予定を変更してこのダンジョンを攻略するか!」

 

コーヒーは気合いを入れるようにパァンッ!と拳で掌を叩き、洞窟の中へと入っていくのであった。

……すぐ近くに落ちていた、祠に祀られていた金の彫像に気づくことなく。

 

 

 




こういったダンジョンがあってもいいよね?中には死亡回数で入れるダンジョンもあったし……ね?
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