スキルのせいで厨二病患者に認定されました   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ
※少し修正しました


激突する二つのギルド

「燃え上がれ、真紅の炎帝(バーストエンペラー)!爆ぜろ【炎帝】!【連続起動】!!」

 

此方に急接近してくるコーヒーに、【名乗り】でステータスを強化したミィは【炎帝】を【連続起動】させ、自身の普段から使える最高火力の一撃をどんどん放っていく。

他のギルドメンバーもいる中で【名乗り】を使うのは本当は嫌だったが、今は出し惜しみしている場合ではない。

 

真紅の炎帝(バーストエンペラー)……」

「本当に、ミィ様にぴったりな名乗りだ……」

「流石ミィ様。不謹慎ではありますが、とても素敵です……!」

 

……後ろから聞こえてくる声に、ミィは内心で泣きべそを掻きながら【炎帝】を次々と放っていく。

対するコーヒーは自身に迫り来る【炎帝】をかわす、または【クラスタービット】で防御しながらどんどんミィに近づいていき、【連射】を放つ。

 

「炸裂しろ【フレアアクセル】!」

 

次々と放たれる矢に、ミィは攻撃を放つのを中断し、ちょうど時間切れとなったところで【フレアアクセル】を使って回避する。

 

「穿て【炎槍】!!爆ぜろ【炎帝】!!」

 

さらにその手に持った炎の槍を放ち、ついでとばかりに【炎帝】も放っていく。

 

「援護しますミィ様!!」

 

さらに、同行していた【炎帝ノ国】のギルドメンバーもミィを援護するために近接プレイヤーは武器を構え、魔法や弓が主体のプレイヤーは次々と攻撃を放っていく。

 

「舞うは雷輪 散るは雷の花弁 蒼き雷華よ害意から我を守れ―――舞え、【雷旋華】!!」

 

それに対してコーヒーは【雷旋華】で防御。そのままメタルボードを操作してミィ達へと突っ込んでいく。

 

「炸裂しろ【フレアアクセル】!」

 

ミィは爆発による加速で上空へと上がってコーヒーの突撃をかわすも、それ以外の者は【雷旋華】に激突してしまう。

 

「うわぁっ!?」

「がぁっ!?」

 

ダメージを受けて倒れるギルドメンバー。その光景にミィはギリッと歯を噛み締める。

ミィなら【フレアアクセル】を【連続起動】して拠点に戻ることは可能だ。だが、それをすればコーヒーが追いかけて来るのは明白であり、何よりコーヒーは空を無制限に飛べる。

 

唯でさえメイプルの襲撃を受けている中で、コーヒーまで連れて来れば【炎帝ノ国】は大打撃を受ける可能性がある。

それを避けるためにも、ミィが救援に向かうためにはコーヒーをここで倒すことは必要なことであった。

 

……断じて、個人的な恨みのために倒すわけではないと自身に言い訳しながらだが。

そう考えている間にも、コーヒーは【雷旋華】を維持したままミィに突っ込んで来る。

 

「!飛ばせ、【爆炎】!!」

 

強ノックバック効果のある魔法が放たれ、ミィがその衝撃で吹き飛ぶと同時にコーヒーもノックバック効果で吹き飛ばされる。

 

「流石第一回イベント四位……一筋縄じゃいかないか」

 

【雷旋華】が解けたコーヒーはそう呟きながらも【スパークスフィア】を放ち、ミィも負けじと【炎帝】を放っていく。

互いに膠着状態。だが、コーヒーは足止めだけで十分に対し、ミィは防衛が崩壊する前に帰還しなければならない。

焦りを覚え始めたミィだが、彼女に増援が到着する。

 

「はぁっ!!」

「っ!?」

 

掛け声と共に振り下ろされる二つの長剣。コーヒーは咄嗟に振り返り様にクロスボウで受け止める。

増援―――テンジアは攻撃が受け止められると鍔迫り合いに持ち込むことはせずにコーヒーとの距離を取り、ミィの隣へと降り立った。

 

「兄上!」

「済まないミィ。一日千秋の思いをさせてしまったか?」

「いや、丁度良いタイミングだった。私と兄上、我が部下達と共にCFを倒し、早急に救援に向かうぞ!」

「委細承知。皆の者、ミィの為に誠心誠意、全力を尽くすのだ!」

 

ミィとテンジアの掛け声で、【炎帝ノ国】のギルドメンバーは雄叫びを上げて闘志を漲らせていく。

 

「私が疾風怒濤で攻める。ミィは援護を頼む」

「承知した。兄上の背中は私が守ろう」

 

テンジアは両手の長剣を構え、俊敏な動作でコーヒーに迫っていく。

 

「【雷翼の剣】!」

 

対してコーヒーは雷の剣を持って近接戦の構えを取る。理由はここで矢を放っても無意味であり、【剣ノ舞】持ちのテンジアの攻撃力をいたずらに上げてしまうだけだからだ。

 

「近接の心得もあるのか!面白い!」

 

テンジアはそう言って右の長剣を振るう。対してコーヒーは雷の剣を振るい、互いの剣を打ち合わせる。

 

「むっ……!?」

 

当然、強力なノックバック効果がある雷の剣にテンジアの長剣は弾かれ、テンジアは大きくバランスを崩す。

コーヒーはその隙を狙ってクロスボウをテンジアに向けるも……

 

「甘いな」

 

テンジアはその勢いを利用してバク転しながらクロスボウを蹴り上げ、逆にコーヒーの体勢を崩してしまう。

テンジアは右の長剣を地面に突き刺し、それを軸として回転し左の長剣でコーヒーに斬りかかる。

コーヒーはその一閃を剣で受け止めて凌ぐも、追撃が迫る。

 

「燃える紅炎 その號烈なる焔を以て 我に仇なす者を焼き尽くす―――爆ぜろ!【炎帝】!【連続起動】!!」

 

ミィが【口上強化】と【詠唱】を使って【炎帝】を放ち、それを【連続起動】で次々と放っていく。

コーヒーはそれを二つの【クラスタービット】で防ごうとするも、テンジアが操作に思考を与えないと言わんばかりに猛攻を仕掛け、【クラスタービット】の防御が疎かとなっていく。

 

「天罰覿面。一人で仕掛けたのが仇となったな。このまま押し切らせてもらう!」

 

テンジアはそう言って、両手の長剣を十字に構える。

 

「凍てつく冷刃―――」

 

テンジアが口上を唱えてスキルを発動しようとした瞬間、無数の雷弾がテンジアに向かって襲いかかってくる。

同時にレーザーの如き水砲がミィに向かっており、ミィは【炎帝】を連続でぶつけて相殺する。

テンジアはその場から飛び下がり、その雷弾をかわしていく。

 

「……油断大敵。甘く見ていたのはこちらの方だったか」

 

そう呟くテンジアの視線の先には、その巨体がはっきりとわかる程に近づいていたジベェと、【砂金外装】状態のブリッツの背中に乗って右手に短剣を構え、コーヒーの隣に降り立つサリーがいるのであった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

一方、【炎帝ノ国】の拠点ではメイプル達が猛威を振るっていた。

 

「やっぱり……効かないのかぁ……」

 

マルクスがそう呟く視線の先には、真っ直ぐに此方へと歩いて来ているメイプル達の姿がある。

メイプルが前進する度にマルクスが仕掛けた罠が発動するのだが、圧倒的な防御力で無効となっている。

 

「かかった……!」

 

しかし、マルクスも間抜けではない。メイプルのスキルに制限があると予想して、進行を阻害する為の罠もしっかりと設置していた。

地面から植物が伸び、あっという間にメイプルを拘束していく。

 

「「えい!えい!」」

 

だが、メイプルを拘束した植物はマイとユイが一撃で粉砕してしまった。

 

「あっ……やっぱり駄目だった……」

 

マルクスはその光景にガックリと肩を落とす中、ミザリーがすぐに魔法部隊に指示を出し、次々と貫通能力を持った魔法をメイプル達に撃ち込ませていく。

 

遠距離から次々と撃ち込まれる貫通魔法。メイプルは勿論、マイとユイも避ける素振りもなく前進していく。

当然、【身捧ぐ慈愛】を発動しているメイプルにダメージが入っていくがそれも無意味となる。

 

「癒せ、【ヒール】」

 

最後尾に陣取るシアンが折を見てメイプルのHPを回復するのだ。それも一回の魔法で半分以下となったHPを上限いっぱいまで。

 

「……本当に最悪だよ……罠はどんどん突破されてるし……ダメージを与えてもすぐに回復されるし……」

「これは……かなりまずいですね」

 

マルクスの言葉にミザリーも苦い顔で同意する。何せ、メイプル達の進行を遅らせることが出来ていないのだ。メイプルが拘束されたら動きは一旦止まるがそれだけ。貫通攻撃も回復役がいるせいで無意味である。

 

「皆を下がらせたいけど……ミィがいつ帰ってくるか分からないからそれも出来ないし……」

「俺が前に出る」

「カミュラ……本気?」

「本気だ。この状況で前に出るべき人物は俺以外にいないだろう?」

 

マルクスの問いにカミュラはそう答え、一人で凶悪なパーティーへと向かっていく。

 

「あ、メイプルさん。敵が一人近づいてきています」

「ホントだ。マイちゃん、ユイちゃん、お願い!」

「「任されました!彼方の敵を攻撃せん―――【飛撃】!!」」

 

マイとユイが二振りの槌から遠距離攻撃を繰り出す。

カミュラは大盾を地面に突き刺し、自身のスキルを発動させる。

 

「【リフレクター】!!」

 

カミュラは物理攻撃を大幅に減少させ、代わりに魔法攻撃のダメージが二倍となる防御スキルを発動させる。そのスキルによってカミュラは二人の攻撃を何とか耐えきった。

 

「癒せ【ヒール】!」

 

そのカミュラをミザリーが直ぐ様回復させていく。

 

「シアンちゃんお願い!」

「分かりました!輝け、【フォトン】!【連続起動】!」

 

今度はシアンがミザリーに向けて光の球を連続で放つ。一発でもまともに喰らえば爆死は確実だ。

 

「【カバームーブ】!【魔力吸魂(マジックドレイン)】!!」

 

その光の球をスキルによってミザリーの下へ移動したカミュラが大盾で防御。光の球は爆発せずに大盾に吸い込まれるように次々と消えていく。

 

「魔法を吸いとった!?」

「まさか、メイプルさんと同じ……」

 

マイとユイが目の前で起きたことをメイプルと同じスキルと思ったようだがもちろん違う。

大盾にコピーされたスキル【魔力吸魂(マジックドレイン)】は本来は対象のMPを吸収するスキル。

 

MPを使って放たれた攻撃をそのスキルで防御したら、見事に吸収されたのは偶然発見したものなのだ。

そして、このスキルはメイプルの【悪食】と同じく魔力タンクの役割もあり、回数も一日30回と多いのである。

 

「こうなったら……滲む混沌 出でるは猛毒の化身 三首の顎ですべてを穢さん―――喰らえ、【毒竜(ヒドラ)】!!」

 

メイプルが必殺の毒竜をカミュラに向かって撃ち出し、毒による面攻撃で倒そうとする。

 

「【スキルスナッチャー】!!【魔力吸魂(マジックドレイン)】!!」

 

対するカミュラは二つのスキルを発動。大盾のバツ模様が光り、毒竜が放った毒が先程と同じように吸収されていく。

カミュラの持つ大盾に付与されているスキル【スキルスナッチャー】。

 

このスキルは相手が放った攻撃系統のスキルを50%の確率で大盾にコピーできる、まさに凶悪なスキルである。

だが、使用回数は一日4回。コピーできるスキルの総数も十個、複数持ちのスキルは別々でしかコピーできないと少なくない欠点もある。

 

「カミュラ!コピーは!?」

「……成功だ。【毒竜(ヒドラ)】!!」

 

ミザリーの質問に不敵な笑みと共に答えたカミュラは間髪入れずにコピーしたスキルを発動。大盾からメイプルと同じ毒竜が現れ、容赦なくメイプル達へと襲いかかっていく。

 

「嘘ぉ!?」

 

自分と同じスキルを使ってきたカミュラにメイプルは驚くも、VITが高く、毒も効かないメイプルには通用しない。【身捧ぐ慈愛】の効果でシアン達もノーダメージだ。

 

「やはり効きませんか……」

「だが、これで向こうは攻撃を躊躇う筈だ。【炸撃】!!」

 

カミュラは大盾にコピーされているスキルの一つ、高ノックバック効果のある物理遠距離攻撃スキル【炸撃】を放つ。

その一撃はマイとユイに命中するも、効果が入るのはメイプルでありメイプルは後ろへと飛ばされる。

 

「!!全員でノックバック効果のある攻撃で仕掛けるぞ!メイプルが下がれば連中も引かざるを得ない!」

 

カミュラのその言葉に、魔法部隊は次々とノックバック効果のある魔法を放ち続けていく。

 

「皆、こっちに!」

 

流石にこの状況はまずいと感じたメイプルはシロップを呼び出し、三人を巨大化させたシロップの背に乗せて遥か上空へと逃がしていく。

 

「攻撃役と回復役を逃がしたか……」

「これで多少は楽になりましたが……それでも厳しいですね」

「……盾にコピーされているアレを使う。MPポーションの準備をしておいてくれ」

「……仕方ない、か……」

「ええ、出し惜しみ出来る相手ではありませんからね……」

 

カミュラの言葉にマルクスとミザリーは仕方ないと頷き、カミュラはミィにコピーさせてもらった奥の手をメイプルに向かって発動させた。

 

「【火炎牢】!!」

 

スキルの発動と同時に、メイプルを中心として天に向かって炎が伸び、メイプルはそのまま炎の檻の中に閉じ込められてしまう。

 

「え?何!?うわっ!?ダメージ入ってる!?」

 

防御力に関係なく、一定時間毎にダメージが入っていることにメイプルは驚く。

この切り札がどう転ぶのか。それは……

 

「あっ、シアンちゃんに回復してもらえば大丈夫かも」

 

シロップがギリギリまで降下し、【悪食】温存の為に大盾を外したメイプルがメッセージで回復のタイミングを指示することで事なきを得そうであった。

 

 

 




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