「この山は他のプレイヤーも目指してるだろうし、先を越されないようにしないとね」
「そうだね、できるだけ急ごう」
「頑張りますか」
三人どんどん山をのぼって登っていく。
零達が登っているのは一番高い山なので他のプレイヤーも登っている可能性は高い。
時々来るモンスターを対処しつつ登る。
そして、ようやく山頂にたどり着いた。
山頂は綺麗な円形をしており、中央には石で出来た祠があり、その前には白く輝く転移の魔法陣がある。
三人が魔法陣に近づこうとした時、三人が登ってきた反対側から四人のプレイヤーが登ってきた。
向こうも零達に気づいたようで、三人の方を見る。
これはPVPになるなといつでも戦闘できるよう、準備する零と理沙だったが
「あっ!...クロムさん!」
「おっ?...メイプルか...ここで会うとは思わなかったな......ああ、俺達に戦闘の意思は無い。勝てるとは思わないしな」
そう言うとクロム達は武器をしまい、両手をあげる。
「私も戦いたくないです...いいよね、ゼロ?サリー?」
「まあ、そうだね。私達も浪費はしたくないし....」
「一応、警戒はしておいた方がいいかな」
絶対に安全とは言いきれないので、警戒はしておく。
「それで...この祠どうするの?どっちかしか報酬は貰えないんじゃないの?」
「それに関してはどうする?」
理沙の言っていることはもっともで、楓かクロムのどちらかが先に入ることになり、もし攻略に成功したら報酬は無くなってしまう。
楓はしばらく考えると話し出した。
「んー........ゼロ、サリー。クロムさん達に譲ってもいい?」
申し訳なさそうに話を切り出した楓に零は
「それがメイプルのしたいことなら、俺はそれに従うよ」
「私も...ただし、後悔しないこと!それが条件!」
「分かった!....どうぞ、先に行ってください!」
楓がクロム達に言うと、
「いいのか?こういうのは普通早い者勝ちだと思うが....」
「いいんです!私の気が変わらない内に行った方がいいですよ?」
「ありがとうな」
クロムはそう言うと魔法陣に乗って消えていった。
理沙が楓に聞く。
「よかったんだね?」
「うん!フレンドと戦いたくないし」
「後悔してないならいいかな....今頃あっちは戦闘かな?」
「かもしれないな」
「どうする?せっかくここまで来たんだし、終わるまで待ってみる?」
理沙がそう提案した時、魔法陣が再び光だした。
再侵入可能の印だ。
「「「えっ!?」」」
三人が驚く。
クロム達が入ってからまだ一分程しか経ってないのだ。
「ど、どういうこと!?」
驚く楓に理沙が自分の考えを話し始める。
「予想できるのは二つ。ひとつは転移後に装備やメダルを回収するだけだったから速攻で終わった。もうひとつは...」
「超強いモンスターに瞬殺された....か」
零の言葉に理沙は頷く。
「それは...」
「後者の方が可能性は高いな...。装備品とかだったらもう一度挑戦出来るのは変だ」
幸い他のプレイヤーは登ってきそうに無かったため、三人はお互いにステータスを確認しあって戦略を立ててから挑むことにした。
「私は、【破壊成長】で鎧が【VIT+40】になってるのと、HPが増えたぐらい。スキルはバッチリ温存してあるよ」
「私もあんま変わってない。【超加速】も回復したし、【蜃気楼】も残ってる」
「俺は....隠してたがイベント前にこういうスキルを手に入れた」
零がスキルの内容を説明すると
「チート過ぎ!」
「ずるいよお」
理沙は驚き、楓は羨ましがっていた。
その後も二十分程相談した。
「よし!行こう」
「おう!」「うん!」
そして三人は光になって消えていった。
零くんが手に入れるスキルは次話で分かります。
ゼロくんの今後
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スキルをばんばんゲットしていく
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イチャイチャ
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ストーリー進めろや
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番外編