自由に遊んだらプレイヤー最強になっていました   作:ころころ

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再☆投☆稿



疲れてるって言っただろー!

メイプルは身を乗り出してゼロに詰め寄る。顔の距離はキスでもするのかというぐらい近く、ゼロは顔を赤らめ視線を逸らす。

 

「15!?ほんとに!?」

「嘘ついてどうすんだよ」

「じゃあステータス見せて!」

「ほれ」

証拠を求めるメイプルに、ゼロはそう言って自信のステータスウィンドウをメイプルに見せる。

 

 

ゼロ

Lv15

HP 36/60

MP 18/40

 

 

【STR 60<+120>】

【VIT 0】

【AGI 60〈+60〉】

【DEX 15〈+15〉】

【INT 5〈+5〉】

 

 

装備

頭 【空欄】

体【空欄】

右手 【闇を払うもの】

左手 【青薔薇の剣】

足【空欄】

靴【空欄】

装飾品 【結晶龍の指輪】

【空欄】

【空欄】

 

 

スキル

【成長増加】【毒耐性大】 【片手剣の心得Ⅱ】 【体術Ⅰ】 【剣防御】 【心意】 【武装完全支配術】 【記憶解放術】 【アインクラッド流剣術Ⅹ】【氷結無効】【闇耐性大】【索敵IV】【バトルヒーリングIV】

 

 

【成長増加】

経験値を2倍にする

 

取得条件

5分間でレベルを10にする

 

 

【心意】

強く思うことで思いを力にする。

自動発動。

 

取得条件

エクストラクエスト「青薔薇の竜騎士」をクリア

 

 

【武装完全支配術】

武器の記憶を全解放して、本来ありえない超攻撃力を発揮する。この場合強化にあたる。

1日に10回しか使えない。

 

取得条件

エクストラクエスト「青薔薇の竜騎士」をクリア

 

 

【記憶解放術】

武器の記憶を全解放して、本来ありえない超攻撃力を発揮する。この場合解放にあたる

1日に10回しか使えない。

 

取得条件

エクストラクエスト「青薔薇の竜騎士」をクリア

 

 

【アインクラッド流剣術】

どこか遠くの地にある浮遊城に伝わる剣術。持っている武器により使える技が変わる。

 

取得条件

エクストラクエスト「青薔薇の竜騎士」をクリア

 

 

『闇を払うもの』

【ステータス+100%】

【破壊成長】

 

 

『青薔薇の剣』

【STR+45】【AGI+45】

【破壊成長】

 

 

 

「どこで手に入れたの?」

「クエストでな.....。とにかくキツかった」

「あっ....そうなんだ」

 

メイプルはそのクエストは自分には出来ないと確信した。なぜならゼロの日頃の修練の厳しさを聞いたことのあるからだ。常人がやれば死ぬ半歩手前まで行くメニューを毎日当たり前のようにこなしているゼロがキツいと言ったのだ。それだけでそのクエストの難易度が測れる。

 

「......」

「どうした?」

「おいてけぼり感がすごい」

「じゃあレベリング手伝おうか?」

「それは大丈夫!」

 

そう言って首を横に振るメイプル。恐らく、自身の力でレベルアップしたいのだろう。

すると、メイプルが閃いたような声を出し、ゼロにある案を持ちかける。

 

「あ、そうだ!いいこと考えた」

「どうした?」

「ねえゼロ、勝負しよう!3日間でどっちの方がいっぱいスキルを手に入れれるか!どう?」

「いいよ。じゃあ3日後ね。俺は疲れたからもうログアウトするよ」

 

そう言って立ち上がるゼロにメイプルは笑顔で手を振って送り出す。それにゼロも軽く手を振り返す。

 

「わかった!またね!」

「おう」

 

ゼロはログアウトのため街に帰ろうと歩き出す。すると、視界の端に銀色の金属のような物が居ることに気が付いた。

 

「ん?あれは......」

 

近寄って見ると、そこには十体のメタルスライムが群れをなしていた。

 

「え、メタルスライム?しかもこんなに大量にいるし....とりあえず喜べばいいのか?」

 

ゼロは背中に背負っている剣を抜きながらスライム達に気付かれないようそっと近づき、背後に立った瞬間叩き切る。

メタルスライムはスライム特有の柔らかさと金属の硬さがある。硬くて柔らかい、そんな矛盾を抱えているのだが、その矛盾が合わさってかなり討伐しにくいモンスターに属するのだ。しかし、この男には関係ないようだ。

 

「ハッ!」

 

一発でメタルスライムを両断する。しかし、その音で他のスライム達がゼロのことに気付いたようだ。即座にゼロを包囲し、今まさに襲いかからんと威嚇している。

ゼロはそのことに苦笑いしながらも剣を構える。

 

「【ダブルサーキュラー】!」

 

正面のメタルスライムに突進し、右手の剣で左下からの切り上げから、左手の剣で切りつける。スライムはポリゴン片になったが、背後から別のメタルスライムが襲いかかる。

 

「分かってるんだ、よっ!」

 

振り向きざまに【闇を払うもの】で切りつける。そのスライムに同調して他のメタルスライムも襲いかかってくる。が、

 

「【スターバースト・ストリーム】!」

 

高速の十六連撃がスライム達に襲いかかる。

メタルスライムは細切れになり、ポリゴンとなって消えた。残るメタルスライムは二匹。一斉に飛びかかってくるが、

 

「フッ!」

 

【青薔薇の剣】を横に薙ぎ、両手の剣を鞘に納める。すると、メタルスライムはポリゴン片へと変わり、その場には静寂が残った。

ゼロがその場を立ち去ろうとすると、頭の中に声が響いた。

 

『スキル【斬鉄】を取得しました』

『レベルが20になりました』

 

スキルの中身だけ見て帰ろうと思い、スキルの説明欄に目を通す。

 

 

【斬鉄】

常に発動しているスキル。自身が攻撃する時、相手のVITの半分しか受けつけない。

 

取得条件

メタルスライムを短期間で十体倒す

 

 

「いいな、これ。多分メイプルはこのまま防御力極振りだろうし、対メイプルにはうってつけだ........はぁ、疲れてるんだけどな」

 

ゼロはそう呟くと、ため息をこぼす。

振り返り、森のある一点を見つめながら森の中に響き渡るような大きな声で隠れている者に呼びかける。

 

「おい!そろそろ出てきたらどうだ?」

 

しかし、返事は返って来ない。返ってきたのは木の葉が擦り合う音だけ。ゼロはしばらくの間黙っていたが、痺れを切らしたのか頬を引き攣らせながら【青薔薇の剣】を抜く。

 

「返事がないのならこちらから攻撃することにするが、構わないな?」

 

返事はなかった。

ゼロは【青薔薇の剣】を地面に突き刺し叫ぶ。

 

「エンハンス・アーマメント!──咲け!青薔薇ッ!」

「ちょっ!俺だよ、おれ!クロムだよ!」

「だろうと思ったよ。さっきからその赤い鎧がチラチラ見えてたんだよ。.....で、何の用だ?」

 

【青薔薇の剣】を突き刺した場所からゼロが呼びかけていた場所に向かって地面が凍りついていく。

ゼロの攻撃に恐れを抱いたのかすぐ木の影から隠れていた者は出てきた。

赤い鎧を纏い長身の男性。先程、ゼロが道を尋ねたプレイヤーだった。ゼロは剣を肩に乗せながらクロムの返事を待っている。

 

「お前ら初心者だろ?見守ろうと思ってな。....その必要は無かったが」

「そうか。なぜ隠れていたかには分かった。で、呼びかけても出てこなかったのは?」

 

クロムはゼロから視線を逸らし、小さな声でボソッと呟いた。

 

「だって.....ストーカーに思われると思って」

「えぇ....そうだったのか。っ!まさか、お前....メイプルのことを」

「なわけあるか!」

「まあ、お前が初心者のことを思って見守ってるのは最初から分かってた」

「分かってたんかい!」

「それで、折り入って頼みがある。メイプルのことを少しの間でいいから見守ってくれ。まだ始めたばかりのメイプルは元々騙されやすい性格も相まって詐欺師に騙されるかもしれない。だから、2、3日でいい。そういう奴らからメイプルを守ってくれ。.....もちろん俺もなるべく一緒に行動しようと思っている。だから.....頼むっ!」

「......」

 

ゼロはクロムに深々と頭を下げる。それに、クロムは無言を貫くがしばらくして口を開く。

 

「分かった。その依頼、請け負った」

「っ!お前.........い"い"や"つ"た"な"〜〜〜!!」

「ああっ!お前っ....抱きつくな!」

「その代わり......メイプルに手ぇ出したら、殺すからな

「は、はいっ!!」

 

ゼロは娘さんをください的なことを言われた親馬鹿な親父みたいに凄みを効かせて、クロムを脅す。それにクロムはその大きな身体を大きく震わせながら即答する。

その返事に納得したのかさっきから発している殺気を収める。

 

「じゃ、俺疲れてるから落ちるわ。それじゃあよろしくな、クロム!」

「ひゃ、ひゃい」

「じゃ〜な〜〜」

「お、おう。..................あいつ、怖い」

ゼロくんの今後

  • スキルをばんばんゲットしていく
  • イチャイチャ
  • ストーリー進めろや
  • 番外編

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