「どうしてだよぉぉぉぉ!!」
開幕早々なぜ叫んでいるのかと言うと、もちろんイカがドロップしなかったからである。
読者の皆さんもこんな経験はないだろうか。家に帰ったら楽しみにしていたじゃがりこが家族の誰かに食べられていたり、友達に後で見ようと思っていた映画のネタバレをされたり....。
あんなに楽しみにしていたイカが食べられない。ベタかもしれないが実際にあったらかなりムカつくことベスト10に入っていたりするこれは、絶賛ゼロの心を怒りで燃えたぎらせていた。
ここまで来るとゼロが運営に八つ当たりするのはもう目前だろう。
しかし、そんなゼロくんにもやっと運が向いてきた。
「なんだ、あれ?どこかで見たことあるような柄だけど.....」
ゼロの視線の先に既視感のある卵があった。海の青と同色で紛らわしいが、鍛えられられたゼロの目からは逃れられなかった。
「思い出した!アグモンの卵の柄と一緒だ!ということは....この卵も孵化するのか....アグモンと同じ柄だからアグモンみたいモンスターが生まれてきたりして。それはないか!」
卵が出現したことで怒りが鎮まったことで何処かのゆるキャラみたいな姿をした人達が安堵したり現実逃避してたり。
「そうだ!ペイン達の所に行こう!」
夏休みに友達の家に行くみたいなノリで言われても困るのだが.....。
イカのことを忘れてくれたのは感謝するがそんな軽いノリでプレイヤーの中で二番目なったに強いペインの元に行くのは関係者以外でゼロだけだろう。
「ということで、ペイン達のところに着きましたー!!」
「着きました!じゃねーだろおぉぉおおおおおお!!!」
「お前マジなんなの!?モンスターに乗って来るし!挨拶したと思ったら斬りかかってくるし!なんなのあの赤いドラゴンのモンスター!でっけえ銃持ってるし!」
「まあまあ、落ち着きたまえドラグよ。こういう時こそ一休み一休み」
「お前それ一休さんだろ!」
「落ち着けドラグ。それで、君は何をしに来たんだ?ゼロ」
「お前のところのパーティーに入れてくれ」
「」
「ペインが死んだ!」
順序だてて説明しよう。まず、ゼロはペイン達を探すことにした。走っても良かったが時間がかかるためアグモンを進化させて飛んで探すことにした。その後、一時間程かけてペイン達を捜し出した後はドラグの言う通りである。
ペインは倒れた体を起き上がらせ真意をゼロに尋ねた。
「何が目的だ?」
「特に無い!」
「ねーのかよ!?」
「強いて言うなら楽しそうだから」
「.....それだけか?」
「それだけ」
その場が静寂に包まれた。しかし、その静けさはすぐに破られることになる。
「いいだろう。君が嘘をつくような人間ではないだろう」
「案外とんでもない嘘つきだったり」
「フッならばこのパーティーの全力で君を倒すよ」
「できるもんならやってみな」
「えーと.....帰ってきたけど、どんな状況?」
ゼロとペインが話している内にプレイヤー狩りに出向いていたフレデリカとドレッドが帰ってきていた。
二人はいまいち今の状況が分かっていないみたいなのでペインが説明する。
「なるほどなるほど。つまり君がペインとドレッドとドラグの三人が話していたゼロくんねえ。あの三人ずっと君の話してたんだよ」
「へ〜そうなんだ」
「そうなんだよ〜。勝ちたいとか悔しいとかもう一度戦ってみたいとか」
ゼロとフレデリカが楽しく談笑していると、ゼロから驚きの発言が出てきた。
「なるほど、じゃあ今からやるか」
「え!今するの!?」
「いつやるんだよ。今でしょ」
「林先生か何かか!お前は!」
「早速やろうか」
「こっちはこっちでやる気だし!」
どうやらこの作品ではドラグはツッコミ担当らしい。
しかし、元の性格である好戦的な面はなくなっておらず
「お前はやらないのか?」
「.....やるに決まってるだろ!」
「なら俺も参加しようかな」
「おっみんなやる気満々だねえ。それじゃあ私もやろっかな〜」
「おう、全員でかかってこい」
またもやゼロから驚きの発言が出てきた。だが、実際に出来るので侮れない。この発言でその場が緊張感に包まれる。
「その言葉後悔することになるぞ」
「あいにく俺の辞書に諦めはあっても後悔は無い!それじゃあ.....行くぞ!」
「来い!」
ペイン達は全員身構える。その場が静寂に包まれると最初に仕掛けたのはゼロだった。背中に背負った二振りの剣を抜くと、ゼロの姿が消えた。カスミから盗んだ【一ノ太刀・陽炎】を使ったのである。
「ッ!消えた!?」
「残念、こっちだ」
「えっなんd」
「くそっフレデリカがやられた!」
「くっ」
フレデリカの背後をとったゼロは彼女の背中を十字に斬りHPを全損させる。そのままドラグに斬り掛かるが防がれてしまう。
しかし、その程度ではゼロを止めることは出来ない。
「【ホリゾンタル・スクエア】!」
「何!?」
「ドラグもやられるとはな...しかしスピード勝負ならどうだ?【神速】!」
「.....」
「仕掛けて来ないのならこっちから行くぞ!」
【青薔薇の剣】でドラグの脇腹と胸を斬る。反撃されるが回転して避け、背中と脇腹を切り裂きHPを全損させる。ドラグがドットになって消えると、ドレッドがスピードを上げて翻弄する。すると、ゼロは腕の力を抜きだらんと構える。
「【断罪の聖剣】!」
ドレッドの高速機動は囮だったようだ。しかし、この程度ではゼロを越えることは出来ない。ゼロは予知していたかのような速度で反応すると、【闇を払うもの】を添えるようにペインの剣にぶつける。
「【反魔の意思】、守天流 奥義────回帰」
「なっ!ぐあああああ!!」
守天流 奥義──回帰。相手の技の威力や衝撃、その他諸々をそれ以上にして全て相手に返す技。
【反魔の意思】も合わさって【断罪の聖剣】の全てが上回ったものがペインに襲いかかる。だがしかし、HPが全損することはなかった。
ゼロはほんの僅かだが驚き、その一瞬をつかれペインとドレッドに両手の剣をパリィされてしまう。
「俺は【不屈の守護者】を持っているのさ!ハア!」
「これでもくらいな!」
「くっ!........なんちゃって」
ゼロはほんの僅かだが驚き、その一瞬をつかれペインとドレッドに両手の剣をパリィされてしまう。
しかし、ゼロは笑っていた。
ゼロの両手にあった剣は消え、腰には一振りの刀が出現した。
システム外スキル【クイックチェンジ】、ゼロが元々あったシステムを使って一瞬で武器を変える方法。それを使って武器を【夜桜】に変えたのだ。
「ッ!」
「守天流 奥義────『絶剣 二連』」
守天流 奥義──絶剣。高速で放たれる居合は後手であろうと相手を斬り伏せる。
二連続の居合がペインとドレッドを襲う。
「やっぱり強いな。けど今回はよく追い詰めた方だろ」
「次は勝つぞ。ゼロ」
「言ってろ」
白銀の刃が二人の首を切り飛ばす。
ゼロは振り抜いた刀を鞘に納めると、とある事に気づいた。
「パーティーに入れなくなった.........!!」
この男、天然である。
「ということで炎帝の国のミィさんの所へやって来ましたー!!ってやろうと思ったら..........不味い現場に出くわしちゃったな」
「見ていたのか!?貴様!」
またどういうことか順序だてて説明しよう。
まず、ペイン達をキルしてしまったゼロはありがたくペイン達の集めていたメダルを頂戴し、次の目標であった炎帝の国のミィの元へ向かうためまたもやメタルグレイモンに進化させミィを探していた。そして、一日かけて見つけたミィに話しかけるため下降すると、読者の皆さんは知っているであろうミィの弱気な姿を見てしまい現在に至る。
「いつから見ていた!?」
「えーと...結構最初の方から....」
「〜〜〜〜!!」
ミィが声にならない悲鳴をあげると、顔を真っ赤にしてワナワナと体を震わせる。自分の本当の姿を見られたことが恥ずかしいようだ。それに気が動転して気づいていないのかゼロは更に追い討ちをかける。
「えーと...その...か、可愛いかったよ!」
「......」
「ど、どうした?」
「貴様はここで死んで行けーーーーー!!!」
「落ち着けーーーー!!」
恥ずかしさでいっぱいだった頭が先程のゼロの言葉でオーバーヒートを起こしたようだ。顔を真っ赤にしてゼロに炎の魔法を浴びせる。
しかし、何と言うことでしょう。ミィから放たれた(いつもより大きい)炎の魔法を青薔薇の剣でバッサバッサと真っ二つに斬っているではありませんか。
「無駄無駄!」
「なにっ!」
それには、ミィも驚いたのか一瞬魔法を撃つ手を止めてしまう。しかし、その一瞬が命取りになりゼロの攻撃を許してしまいHPが全損してしまう。
「ヴォーパル・ストライク!」
「ぐはあ!くっ....さっきのことは誰にも言うな!いいな!」
そう言ってミィはドットになって消滅してしまう。
一人になったゼロはポツリと独り言を零した
「もとよりそんなつもりはねえよ......人の秘密を言ったら姉さんに殺されるし」
そんなゼロの背中はかなり震えていた。
ゼロくんを倒すには十二回倒す必要があるのでほぼ無理ゲーだったりする。
そんなゼロくんを震え上がらせる程の姉とは........
そしてまたやるころころクイズ
Q ころころの好きな声優は誰でしょう
ヒント 作中にそれっぽいやつがあります。FGOやってたらわかるかな?
ゼロくんの今後
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スキルをばんばんゲットしていく
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イチャイチャ
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ストーリー進めろや
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番外編