「絶対に俺はメイプルと行くっ!!」
「けどなあ.....こっちの方が効率がいいんだが」
「効率なんて知るか。それよりも、こんな姿のメイプルを放っておく方がダメだろ! 俺がメイプルを守るんだーー!!」
ゼロは絶賛暴走中だった。
どうやら、あの装備を着たメイプルを見たせいで頭のネジが過半数が吹っ飛んだらしい。
「ゼロっ! 嬉しいよ? 凄く嬉しいんだけど.....恥ずかしいよぉ.......」
「可愛いーー! 可愛い可愛い可愛い可愛い!」
暴走しているゼロの発言を聞いたメイプルは顔を真っ赤にしてゼロを止める。が、それを見たゼロのネジが余計に吹っ飛ぶ。
「あはは。今日はゼロ、ぶっ壊れてるね」
「それもそうよね。あれだけ楽しみにしていた第四回イベントに参加出来なくて、しかもしばらくログインできないときた。ゼロくん、ゲーム大好きみたいだから結構しんどいらしいわよ」
「しょうがないよ。リアルの用事でしょ?」
「そうだね。お母さんが実家に帰省するんだって。それで、その実家が由緒ある家系でゲームとかやらしてくれないらしいよ」
「「ゼロさん....可哀想です」」
ゼロは他のギルドメンバーから同情と哀れみの視線を向けられるが、頭の中にはメイプルのことしか無いので気付いていないご様子。
しかし、帰省する日程はまだ先なので、今のうちにメイプルニウムを補給して来るべき時に備えているらしい。
ギルド対抗戦に《楓の木》最高戦力であるゼロが出れないというのは、《楓の木》からしたら大問題である。なので、今回のイベントでなるべく最高のイベント報酬を貰いたいのだが......当てにされている当人がこうなっているので難航していた。
「........分かった」
「おっ、ようやく分かってくれたか.....」
ゼロを説得していたクロムから安堵の息が漏れる。が、それは意味の無いものとなる。
「俺がお前ら全員が集めたベルの二倍集めてくれば問題ないだろ!!」
「「「「「........」」」」」
「「「「「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!??」」」」」
「おまっ、それ意味分かってんのか!?」
「止めときなよ」
「お前は馬鹿かっ!」
「本当にやるんですか?」
「ゼロさん.......凄い.......!!」
「まあ、いっぱい集まれば損は無いんだからいいんじゃない? ゼロくんなら多分出来るでしょ! ゼロくんが味方でほんと良かった......」
「こうなったらゼロは絶対に曲げないからね。そ・の・か・わ・り! それが達成できなかったら.......一週間女装だからね」
「やってやらぁ! 行くぞ、メイプル!」
「あ、ちょっと待って!」
そう言ってゼロとメイプルはギルドホームを出ていってしまった。すると、サリーは悪い顔をして笑った。
「みんな、全力でやるよ」
「「「「「おー!」」」」」
ゼロの女装はここまでみんなに期待されていたらしい。
ゼロがどうなったかはお察し......
「エンハンス・アーマメント!! リリース・リコレクション!! 【
「ゼロくん....流石にやり過ぎなんじゃ.....ほら、もう地面がズタズタだよ?」
ゼロは自分の持つスキルを総動員して牛を狩っていた。十分前に始めたのに今ではもう200個を軽く超えていた。
しかし、それでもゼロはスキルの発動を止めず、ずっと狩り続けた。
「そういえば気になったんだけど、ゼロくんのスキルってMP消費激しくなかった? なんでそんなにバンハン撃てるの?」
「ああ、それはこの【聖杯】ってスキルだな。一日に自分のMPの十倍を肩代わり出来て、予めMPを貯めておけるスキルだな。この前、クエスト報酬で貰った」
これは『慈悲深き聖騎士』のもう一つの報酬だ。帰り際にギルに投げ渡された杯がゼロの体に吸い込まれると、出現したウィンドウにスキルを獲得したことが書いてあった。
しかし、サリーにはこのスキルは無かったので、MVP制だったと二人は推測していた。
「それじゃあまた狩りに行こうかな。今回は二人にも手伝って貰おうか。【覚醒】アグモン、ガブモン!」
「呼んだ?」
「ゼロ....たこ焼きまだ?」
「今日は成果によって報酬の配分を決めようと思う。二人とも頑張って」
「「分かったっ!」」
そう言ってアグモンとガブモンは自ら完全体に進化して飛んで行った。
ゼロの料理は人気なようだ。その後、メイプルがゼロにご飯を頼んで、二人でイチャイチャしていたのは多くのプレイヤーに見られたとの事。
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