間違った世界で生きていく   作:輪廻の主

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コードネーム:カイン

今作の主人公。容姿は東京喰種の金木研を少し凛々しくした感じ。格好いいと可愛いの比率が7対3くらい。白髪に黒曜石のような妖しい光を放つ漆黒の瞳。ブラッドブルードに似た白い肌。

赫子は鱗赫と羽赫を持ち、それぞれアーツ適性の高さにより術攻撃を可能とする。極めて再生能力が高く、四肢欠損だろうが臓器が抉られようが即死でも無ければどんなダメージからでも再生、復元する。

元々は一族の中でも落ちこぼれの烙印を押されていたが、祖父によって鍛え上げられた。13歳になる1ヶ月前に戦場デビュー。以降は祖父と共に戦場を渡り歩いてきた。

因みに細マッチョ。着痩せするタイプで脱いだら凄い系男子。

趣味・特技:読書。食べること。料理(ただし自分の為にはあまりしない)。珈琲を淹れること。

お酒は苦手だが、強いて言うなら甘い系が好き。特にカシオレとカルアミルクが好き。それでもあまり量は飲まない。

戦闘は好きも嫌いもなく、生きるために必要な手段であるため割り切っている。と言うかそれ以外の生き方を教わらなかった。彼にとって戦場での勝ち負けは喰うか喰われるかだ。勝って相手の全てを喰らい尽くす。それが、我々一族にとっての宿命━━━





軽い主人公についての説明でした。

では本編をどうぞ!


プロローグ②

アーミヤの案内はとても分かりやすく、自身の記憶力の高さからすぐに覚えることが出来た。基地内を案内されて改めて思ったが、この移動都市は本当に広い。貿易所や製造所、発電所のようなロドスを運営するにあたって必要な産業施設。オペレーター達の住居スペースや食堂やカフェ、娯楽施設などが集められている住居区。他にも加工所や事務室、訓練室など、運営をする面でもオペレーターの育成と言う面でも必要となる様々な施設が集められている。因みにさっき自分がケルシー医師とアーミヤに会ったのは応接室だ。

 

「以上が、ここロドスの主要施設ですが、何か質問などはありますか?」

 

一通り基地内を案してもらい、今はカフェスペースで一息ついている。

 

これだけの施設を一気に見て回るのにはそれだけの時間を要した。午前中にはロドスに到着したのだが、時刻は既に夜になろうかと言うところ。昼は遅めに食堂で済ませたのだが、そう、自分にとっての食事についてだ。

 

「アーミヤさんは、僕についてケルシー医師から聞いてますか?」

 

お茶を飲む手を止めてアーミヤは頷いた。

 

「はい。必要な事はある程度教えていただきました」

 

「必要な事……と言うのは、勿論ご存知ですね?」

 

「…………はい」

 

嗚呼、自分のこう言う所は直さないといけない。正直、自分でも性格悪いと思う。

 

「僕は、僕の一族は、普通の人間の食事では栄養を摂取出来ないんです。美味い不味い等の味覚には何の問題もないんですが、これはもう感覚の問題ではなくて、体の構造の問題なんです」

 

「はい。知っています。カインさんの一族、喰種(グール)は………ヒトを食べる」

 

所謂、喰人種と呼ばれる存在。空想上の生物、おとぎ話などで語られる存在だ。しかも悪い方の。

 

僕たち喰種(グール)はヒトを食べることでしか栄養を摂取出来ない。さっきも言ったように、普通の食事も味わう事は出来るが、それでは満たされない。そんな一族は、同じような血液を好むサルカズのブラッドブルードとは違い、明らかな恐怖や奇異の対象になってきた。それは感染者と似たような扱いだろう。故に、僕たち喰種(グール)は決まったテリトリーを持たず、“食料”が効率的に手に入る戦場を渡り歩いてきた。より多くのヒトを食べることで力を増す喰種(グール)は、傭兵などになる者が多い。もしくはどこかの国家の軍に入り、危険な紛争地帯に進んで行く者も。

 

自分もこの類いだ。こうするとまず食料に困らない。食べても良いヒトなら、文字通りゴロゴロと転がっていたから。

 

だけど………このロドスではそうはいかない。規律がちゃんとしている組織では死体漁りの真似事など許されないだろうし、恐らく倫理的に拒絶される。ケルシー医師はそこを理解して且つそれでも自分の力が必要だと語った。

 

「安心してください。ロドスの評判を落とすようなことはしません。ですが、極東の言葉で、腹が減っては戦は出来ぬと言うように、空腹時では力が出ない場合もあります。ケルシー医師からは、僕をロドスに入れても問題ないと言われていたので……」

 

「はい。確かに、カインさんの食料問題を解決出来る方を知っています」

 

ほう?どうやらなんとかなるみたいだ。

 

「それでは、最後にその方に会いに行きましょうか」

 

そう言ってアーミヤは席を立つ。

 

今回入ったカフェはとても良い雰囲気だった。コーヒーも美味しかったし。これで陽の光が直接射し込むようだったら100点満点だったのに………。これから非番の時などは、あそこで本を読むのも良いかもしれない。あるいはコーヒーを淹れさせて貰おうか。結構本格的な機器も揃ってたし、豆も良いのを使ってたみたいだ。

 

「あそこのコーヒー美味しかったですね」

 

「ふふ、そう言っていただけて嬉しいです。私はコーヒーは飲めませんが、良い豆を仕入れてるんですよ?カフェを担当してくれてる人からの要望で。カインさんはコーヒーお好きなんですか?」

 

「ええ。飲むのも作るのも好きです

 

「作るのもですか?」

 

「はい。コーヒーにも色々な淹れ方があって、豆に合わせた方法でより美味しくさせることも出来るんです。よろしければ、今度ご馳走しますよ」

 

「本当ですか?楽しみにしてます!」

 

そんな他愛もない話をしながら歩いていく。途中で懐かしい顔を見た。

 

「ん?お前………もしかして『隻眼』か?」

 

「フロストリーフさん?お久しぶりです!まさかここで会うなんて」

 

「あぁ、縁があってな。ふらふらしていたら勧誘されたよ。お前もか?」

 

「ええ。僕はケルシー医師から直々に」

 

そう言うと少し驚いた顔をした。さっきアーミヤも少し言っていたが、彼女が直々に来るのはおかしいことなのだろうか?

 

「ケルシー先生は、ここロドスの医療部門の最高責任者でもあるんです。だからロドスを離れること自体珍しいことなんですよ」

 

と、自分の疑問を見透かしたようにアーミヤが答えてくれた。

 

成る程。そう言えば初めて会った時にも言ってたような気がする。その時は普通の依頼だと思って聞き流していたが……。

 

聞けばケルシー医師はアーミヤの師匠であると言う。成る程。確かにそんな人物が拠点を離れ、態々足を運んでまでスカウトしたと言うのは………驚くべき事なのかもしれない。

 

そしてロドスのリーダーであるアーミヤの師匠と言うことは、相当な地位と権限を持っているだろう。それは1つの部門のトップには収まらないはずだ。

 

「まぁ、お前が味方と言うのは心強い。これからよろしくな」

 

「はい」

 

そしてフロストリーフさんと握手をして別れた。

 

「お知り合いだったんですね」

 

「傭兵をやっていた時に何度か同じ陣営になりまして。結構良いコンビだったんですよ」

 

「そうだったんですか?」

 

傭兵時代………そんな大袈裟なものではないが、と言うかついこの間の事だし。

 

彼女とは様々な仕事を共にした。防衛戦、奇襲戦、撤退戦………キツい仕事には必ず彼女が居た。敵の包囲網を突破する時は、いよいよ死ぬかななんて思ったりもしたが………幸運な事にいつも生き残った。二人で包囲網を突破する時にたまたま古い地下道に逃げ込んだ。死にそうな目に合いながらなんとか逃げ込んだ。その時に持ち歩いていたコーヒーをご馳走したのだが

 

『苦い』

 

眉にシワを寄せでうえぇと舌を出す彼女。その様子がとても面白かった。

 

思い出をアーミヤに聞かせるとコロコロと変わる表情が面白かった。こんなにリアクションが良いと話している側も気持ちが良い。

 

「ふふっ、あのフロストリーフさんが?」

 

「はい、あのフロストリーフさんが」

 

アーミヤが見ている普段の彼女からは想像もつかないだろう。だが、いつかはここでも彼女の色々な顔を見せて欲しいものだ。

 

「あっ、着きました!」

 

話している間に到着したようだ。

 

「ここは医療オペレーター専門の研究施設で、主に鉱石病(オリパシー)についての研究がされています。それぞれのオペレーター達には専用のラボが当てられていて、そこで薬品の調合だったり医療器具の開発だったりと、本当に医療専門の研究開発がされているんです」

 

施設の中を案内されながら向かった先は血液センターと言う場所。

 

「ここにカインさんの食料事情を解決してくれるだろう人が居るんです」

 

「ここに……?」

 

そのまま二人で待っていると、一人の女性がやってきた。

 

長い白髪に透き通るかのような白い肌。その白さの中にも輝く赤い瞳。吹けば折れるだろう華奢な身体。だが、自分には分かる。この匂いは━━━

 

「待たせたか?アーミヤ」

 

「いいえ。私達も今来たところですから」

 

「そうか。それで、彼が?」

 

「はい。彼が今日到着した━━━」

 

「早速研究室へ行こう」

 

━━━━へ?

 

いつの間にか………そう、いつの間にか腕を掴まれ、何も言う暇もなく部屋に連れ込まれてしまった。

 

「さて、喰種(グール)を直に見るのは初めてだ。存分に解剖させてもらおう」

 

彼女はメスを片手に迫ってくる。はっきり言って怖い。いつからここはホラー映画の世界になったのだろうか。明らかな身の危険を感じ後ろへ飛び下がる。

 

「怖がるな。ちょっと腹の中を見せてもらいたいだけだ。どうせすぐ治るんだろ?」

 

「そう言う問題じゃないんですけど………と言うか、あなたは」

 

「………ふっ、やはり分かるか?喰種(グール)は他の種族よりも遥かに五感が良いらしいな」

 

彼女は手に持っていたメスを机の上に置いて近くにあった椅子に座った。

 

「まあ先ずは自己紹介と行こう。妾はワルファリン。サルカズのブラッドブルードだよ」

 

━━━やはりか。ブラッドブルード。僕たち喰種(グール)と同じ様に忌避される種。他人の血液を主食とし数え切れない程の殺人を犯すと言う。まぁ、喰種(グール)も人の事は言えないのだが。

 

「そなたのことはケルシー先生から聞いてはいるが、ここはコミュニケーションの一貫として、そなたにも自己紹介をして欲しいものだ」

 

……………例え初対面でいきなり解剖しようとしてきても、彼女はロドスの医療オペレーターだ。例え初対面でいきなり解剖しようとしてきても、彼女には彼女なりの信念があり、それは人を救う為にあるはずだ。例え初対面でいきなり解剖しようとしてきても、例えその目が獲物を狙う肉食動物の目をしていても、彼女の力は人を助けるためにあるはずだ。

 

…………駄目だ。どう前向きに捉えようとしても駄目だ。やる気だ。確実に殺る気だ。

 

「やれやれ。ジョークのつもりだったんだがな」

 

「………本当ですか?」

 

「2割くらいは」

 

「それは本気と言うのでは!?」

 

ケラケラと笑う彼女━━━ワルファリン。

 

「もう、ワルファリンさん!新人さんを驚かすのはやめてください!」

 

すると部屋の外にいたアーミヤが入ってきてくれた。

 

この時の自分には、彼女が救世主に見えた。

 

「ふぅ、リーダーに怒られてしまっては仕方無い。解剖はやめよう」

 

出来ればこの先未来永劫やめて欲しいものだ。

 

━━━━━━

 

━━━━━

 

━━━━

 

━━━

 

━━

 

「成る程成る程………つまり、妾の食料を分けて欲しい、と言うことだな?」

 

自己紹介とここへ来る経緯を説明し終わった。

 

彼女………ブラッドブルードと喰種(グール)は似た種族だ。人の血肉を糧に生きる存在。

 

彼女が食べている物なら、きっと自分の食欲も満たしてくれるはずだ。

 

「そう言うことなら良いだろう。ただし、条件がある」

 

「条件ですか……?」

 

「あぁ。簡単な事だが、そなたを研究させて欲しい」

 

「解剖する気まんまんじゃないですか!!」

 

やっぱりまだ諦めてなかったんですね!!

 

咄嗟に身構える僕を宥めるようにワルファリンは言った。

 

「そうではないそうではない。いや、確かに解剖もしたいのはやまやまだが…………警戒を強めるな。本当に簡単な事だよ。そなたの戦闘データや生態データを取らせて欲しい。妾が出会った喰種(グール)はそなたが初めてであるからな。こんな機会は早々無い。だからデータを取れる内に取っておきたい。どうだ?」

 

そう言うことか………。喰種(グール)自体の個体数も自分達一族しか居ない為に研究も出来ないのだろう。

 

「それなら………まぁ」

 

「良いのか?後になってやっぱり無しと言うのは駄目だぞ!」

 

「はい。それくらいなら良いですよ」

 

「よし!これで契約は完了だ。今後はそなたの分の血液も用意しておくとしよう」

 

ふぅ、なんとかなったみたいだ。

 

「良かったですね、カインさん」

 

アーミヤがニコニコしている。

 

こう言う時になんて言うのか知っている。アーミヤたん、マジ天使。

 

話しも纏まったので、ここいらでお暇することにしよう。

 

━━━━━

 

━━━━

 

━━━

 

━━

 

「お疲れ様でした。明日はドクター救出任務の詳しい説明と参加メンバーの顔合わせがありますから、遅刻しないようにお願いしますね。時間は14時ちょうどで場所は第2作戦会議室にて行います。それではゆっくり休んでくださいね」

 

「ありがとう。お休みなさい、アーミヤさん」

 

「はい!お休みなさい」

 

こうしてロドス1日目が終わっ━━━

 

「隻眼。お前のロドス加入祝いに皆で一杯やるんだ。さあ来い」

 

て欲しかったなぁって。

 

「フロストリーフさん………僕がお酒苦手なの知ってるでしょ?」

 

「だが飲めない訳じゃ無いだろ?早く来い。みんな待ってる」

 

「みんな……?」

 

「お前が出会ってきた傭兵達」

 

ロドスが人材を必要として居たのは聞いていたから知っていたし、何人かは知り合いが居そうだなと思っていたが………もしやそんなに多いのか……?

 

「因みにどれくらい……?」

 

「食堂の半分は埋まるぞ」

 

マジかー。いや、歓迎されてると思えば嬉しい………が……

 

「すみません。今日は疲れてまして……また後日と言うことで」

 

「駄目だ。もうみんな飲む気満々だ。なんなら既におっ始めてる奴もいたぞ」

 

「ええぇ………。自分、明日重要任務の説明会があるんですけど。それに、それ絶対朝までコースじゃないですか」

 

「安心しろ。そうならないようにアーミヤとケルシーからは夜中まではやるなと言われている。それ以降は各自の部屋でやる予定さ」

 

「いや食堂の使用時間の問題ではなく━━━」

 

「つべこべ言わずに来い。それとも━━」

 

フロストリーフは不安げに自分を見上げる。モフモフとした尻尾も不安を表すように垂れ下がっている。

 

「私と飲むのは………嫌か?」

 

……………狡い。ずるい。そう言われたら断れないじゃないか。

 

「はぁ、もう分かりましたよ。行きましょう」

 

その言葉を聞くや否や、フロストリーフは僕の手を掴み歩きだした。

 

「じゃあ早く行こう!あいつら、私達の分も飲みかねないからな」

 

「急がなくても無くなりませんよ。…………きっと」

 

知り合いの何人かの顔を思い浮かべながら言葉にするが……果たしてそうかと自信が無くなってくる。

 

別に僕はそんなに飲まないから良いのだけど。

 

ふと、僕の手を握るフロストリーフさんについて考える。初めてあった時は、氷のような冷たさだったのに、今の彼女はその時とは比べ物にならないくらい暖かい。

 

きっと、ロドスが彼女を変えてくれたのだろう。

 

それになんだか、これからの生活が楽しみに感じている。

 

━━━━あぁ、楽しみだ。

 

これからの生活に心を踊らせながら、二人で食堂へと向かう。

 

 

 

━━━━食堂での出来事はあまり言いたくないが………一言で言うと、地獄だった。あと、みんなごめん。

 

 




地の分の主人公の一人称を“僕”に統一していこうかとおもいます。

フロストリーフ可愛いよぉ(;´Д`)ハァハァ

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