鬼滅の刃~花咲く桜舞~   作:舞翼

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真菰ちゃん立ち位置は、親友からヒロインに上がるって感じでいきますね。
そして、ご都合主義有りです。


上弦の弐

「あれ?カナエちゃんは?」

 

 楓と対峙した童磨は、へらへらと薄ら笑いしながら呟いた。

 対して楓は平静な面持ちでいたが、内心は腸が煮えくり返りそうだ。――楓にとってカナエは命の恩人であり、師であり、家族だ。

 

「さあどこだろうな。つか、お前に教えるわけないだろう」

 

 楓は『亞鬼滅殺』と柄付近に掘られた日輪刀を童磨に向ける。

 

「うーん、そっか。まず君を救済してからってことだね」

 

「お前がいう救済は、ただの殺戮ってことが解らないの?お前、馬鹿だろ」

 

 童磨は「……君、酷いなー」と言って、笑みを消し無表情になる。

 楓は先手と言わんばかりに地を踏み童磨の頸目掛けて刀を振るうが、童磨は対の扇で迎撃し火花を散らす。

 

 ――血鬼術 枯園垂れ。

 

 童磨が刀との競り合いを弾き扇を振るうと、砕けた氷が広範囲に飛び散り楓を襲う。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 ――桜の呼吸 壱ノ型 乱舞一閃。

 

 楓は周囲に花の刃を展開し、全ての氷の刃を弾き落とす。

 そして全ての攻撃を凌いだ後、楓は刀を抜き身の状態で桜の一閃を童磨の頸目掛けて放つ。

 童磨その一閃を、頸に当たる寸前の所で後方に跳び回避する。

 

「わあ。やっぱり君、速いねぇ」

 

 童磨は「カナエちゃんより速いかなぁ」と呟きながら、頬を緩ませる。

 その表情は、新しい玩具を見つけたかのような子供の仕草でもあった。

 

「じゃあ、オレも本気を出そうかな」

 

 ――血鬼術 凍て雲。

 

 童磨が扇を振るい、扇から冷気の煙幕を発生させる。そしてこの冷気の中には、人間の肺胞を壊死させることが出来る血気術も織り交ぜられている。

 それを理解し、楓は咄嗟に地を蹴り後方へ跳ぶ。

 

 ――血鬼術 蔓蓮華。

 

 童磨が扇を振ると、童磨の周囲に生まれた無数の氷結の蔓が伸びて、楓に襲い掛かる。

 

 ――花の呼吸 五ノ型 徒の勺薬。

 

 楓が蔓を、刀を振るった花の九連撃で自身に向かってくる蔓を全て斬り落とす。

 斬られた蔓は地に落ちると、蒸発されたように消えていく。

 

「自身に直撃しそうな蔓だけを撃ち落とすとはねぇ。君、無駄に器用なんだね」

 

 童磨は挑発するようにそう言ってくるが、楓はそんな言葉に聞く耳は持たない。

 そして蔓が掠ったのか、楓の右頬には切り傷が出来、袖を通している着物も所々の布地が切り裂かれている。

 

「(……隙を突くしかないか)」

 

 ――桜の呼吸 弐ノ型 千本桜。

 

 楓が刀を振るうと、無数の桜の刃が童磨の頭上に降り注ぐ。

 童磨は予想外の攻撃に目を丸くしたが、自身に直撃する刃だけを迎撃する。そして楓は“千本桜”が童磨に対して足止め程度しかないことは承知済みだ。

 なので、童磨が桜の刃を迎撃している内に、楓は次の攻撃に移る。

 

 ――桜の呼吸 参ノ型 秋桜・螺旋。

 

 前に飛び出した楓は、童磨の周囲を舞うように斬りつけていく。

 童磨は“秋桜・螺旋”の攻撃を受け所々に切り傷を作り赤い鮮血を流し左腕を欠損させるが、急所になる頸は右腕で持つ扇で守る。――そして、直後に左腕が再生する。

 

「君、オレが出会って来た鬼殺隊の中で一番強いよっ」

 

 童磨は無理矢理扇を斬り上げ攻撃の軌道をずらし、楓の首を目掛けて扇を振るう。

 その間童磨は、急所だけを防げば後は斬られてもいい。というやつだ。

 

「……(隙を突いても頸が刎ねられなかったか)そりゃどうも」

 

 楓は咄嗟に後方に下がり、扇の一閃を避ける。だがこうなると、先程の戦術を取るのは不可能だ。

 なら、花を纏いながら突撃するしかない。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 ――花の呼吸 五ノ型 徒の勺薬。

 

 楓は童磨が扇を振るい発生させた氷の冷気を周囲に花の剣風で吹き飛ばす。

 そして、童磨の急所を狙った九連撃を放つが、童磨は扇で迎撃。

 

「(……やっぱり一度見せた剣技は対応済みか)」

 

 扇と日輪刀が交差し、凄まじい金属音が周囲に響く。――だが、この乱戦で童磨は笑っている。そして楓はこう思う。

 

 ――こいつ、恐怖心が無いのか、と。

 

 だが感情が無ければ、恐怖心が無くて当然なのかも知れない。

 

「綺麗な花の斬撃だねぇ」

 

 そう言ってから童磨は距離を取り、

 

 ――血鬼術 結晶ノ御子。

 

 小さな人形を作り出す。

 それは氷結で作られた、童磨の小さな人形だ。その人形は、楓に扇を振るう。

 

 ――血鬼術 寒烈の白姫。

 

 氷人形が自身の目の前に、氷の巫女が現れ極寒の息吹を吹く。

 楓は“御影梅”を周囲に放ち冷気を斬り裂くように後退していくが、童磨は楓の行動を予測済みだろう。

 

 ――血鬼術 冬ざれ氷柱。

 

 ――血鬼術 蓮葉氷。

 

 小さな氷結の人形と童磨が左手で拾った扇を振るうと、楓の頭上にもの凄い物量の氷柱が形成され、楓目掛けてそれが降り注ぎ、楓は咄嗟に後退しそれを回避する。

 だが、当然この物量の攻撃を全て捌くことが出来ず、楓の体は氷柱と次いでばかりに蓮氷が掠り、体には複数の切り傷を作り、直撃した部位は氷の冷気は楓の体温を奪う。

 

 ――桜の呼吸 弐ノ型 千本桜。

 

 楓が日輪刀を振るうと、桜の無数の刃が童磨と結晶ノ御子を狙い、童磨はそれを後退し回避するが、御子は斬撃の雨で消滅する。

 

「君のそれ、遠距離戦でも応用が効くし便利な剣技なんだねぇ」

 

 童磨は「でもね」と言って扇を振るう。

 

 ――血鬼術 結晶ノ御子。

 

 そう。童磨の結晶ノ御子は召喚に制限はあるが、ほぼ無制限に生産が可能なのだ。

 その数は――六体。童磨を合わせたら、計七体の悪鬼の視線が一斉に楓を貫く。

 ……楓は日が昇るまで先程の硬直戦を継続する算段だったのだが、それは不可能になったのだ。もし、七体の一斉攻撃を放たれたら、楓、カナエの命はここまでになってしまうだろう。

 これを防ぐには、一斉に殲滅しなければ生き残れない。

 

「(……あれしかない、か)」

 

 楓は内心でそう呟くが、この剣技はカナエから『上弦に対抗できる剣技かも知れないけど、絶対に使ったら駄目よ。楓の負担がどんなものになるか予想ができないんだから』と禁止されているのだ。――だが、使わなければ生き残れない。

 

 

 ――桜の呼吸 終ノ型 千本桜・景厳

 

 

 終ノ型は“弐ノ型 千本桜”と同様だが、攻撃全てが倍なのだ。――速さ、殺傷力、攻撃範囲、斬撃数もだ。

 両腕で日輪刀の柄を握り振るった桜の雨が“結晶ノ御子”を全て破壊し童磨に傷を負わせるも、楓の代償はかなりものだ。

 楓は左腕の骨、技の反動で肋骨の骨も折れ、酷使していた足が悲鳴を上げ左足の骨も折れる。――正に終ノ型は諸刃の剣だ。これ以上の戦闘は不可能に近い。

 

「君っ!凄いねっ!オレをここまで追い詰めたのは初めてだよっ!」

 

 童磨は楓を見ながら感嘆な声を上げる。そんな童磨の体は傷だらけで両腕は欠損し頸だけが無事だ。だが、直後に両腕が再生。

 

「……もうそろそろ朝なのかぁ。残念だなぁ、もっと君と遊んでから救済してあげたかったよ」

 

 童磨は地に落ちた扇を拾い「もちろん、カナエちゃんもね」と言ってから、感情の無い笑みを浮かべた。

 

 ――血鬼術 寒烈の白姫。

 

 日が昇るまでに楓を殺せないと悟った童磨は、扇から冷気の煙幕を放ち、堪らず後方へ跳び退く楓。

 

「こっちこそお前を殺せなくて残念だよ――クソ野郎」

 

 楓は自身の現状を悟られないように呟くと、童磨は「酷いなー、君」と楓に言ってからへらへらと笑みを浮かべる。

 

「またね、花の君。今度はカナエちゃんも一緒に救ってあげるからね」

 

 童磨がそう言いながら、周囲に撒き散らされるのは猛吹雪。

 そして、吹雪が止み晴れたそこには童磨の姿は消し去っていた。

 

「終わったか……」

 

 朝日が昇り、楓は呟いた。そして楓は現状は、満身創痍だ。

 楓は日輪刀を鞘に納め、カナエが居る場所へと折れた足を引いて歩き出した。




何か、前作の使い回しが多くてスマン……(-_-;)
り、リメイクなんだし、仕方ないよね。

ではでは次回(*・ω・)ノ
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