鬼滅の刃~花咲く桜舞~   作:舞翼

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柱合会議

 ~産屋敷邸 中庭~

 

「……やっぱり行きたくないんだが」

 

「ここまで来たんだから、そんなこと言わないの」

 

 楓が拒否の言葉を発すると、カナエが「もう」と優しく諭す。

 そう。楓とカナエは、お館様からの手紙で柱合会議に参加して欲しいと呼ばれたのだ。といっても、楓とカナエは切り傷は何とか塞がったが、まだそこに当てている包帯が取れず、未だに折れている骨も包帯で固定している状態だ。

 

「……わかったよ」

 

 楓は渋々頷き、そしてカナエは「うんうん」と頷いた。

 ともあれ、楓は松葉杖をつき、カナエが楓に肩を貸すようにして歩く。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 扉を開けると、行燈が照らす室内に九人の柱が座っていた。その場には、しのぶの姿もある。

 やはり、しのぶが楓たちと話し合ったことは、『柱の座』についてのことであった。条件付きとして、蝶屋敷内ではカナエの姿を取り作るのは止める。ということもなったが。

 

「花柱、胡蝶カナエ。召集の為参上致しました」

 

「階級癸、栗花落楓。同じく招集の為参上しました」

 

 カナエと楓が、そう言ってから一礼する。

 楓たちの怪我だが、お館様の鴉経由で柱たちに伝わっていたらしいので、怪我のことに関しては突っ込まれることはなかった。

 怪我も有り、座ることができない為、楓とカナエは部屋の隅で姿勢を正して立っていることが許可されているのだ。

 

「胡蝶姉よォ。お前怪我は大丈夫なのかァ?」

 

 風柱・不死川実弥の問いに、カナエがにっこり笑う。

 

「問題ないわよ。彼よりは軽傷な方だしね」

 

 そう言うカナエだが、肺胞が壊死していることを考えると、楓より重傷なのは気のせいだろうか?

 

「栗花落のことかァ?てかァ、栗花落は何者なんだァ?」

 

 実弥の言う通り、階級癸、栗花落楓の名前は誰も聞いたことがないのだ。

 もしかして、階級の一番低い彼がカナエと共に上弦と戦ったというのか?

 

「楓は私の弟子よ。強さも、柱に匹敵するわね」

 

「胡蝶姉の継子見てぇもんかァ。つか、弟子を取ってるなんて聞いたことねェぞォ」

 

 実弥の疑問。いや、柱たちの疑問は尤もだ。

 カナエが弟子を取っていたなんて聞いたことがない。

 

「楓は私の弟子でもあり、私たちの家族だから知らなくて当然よ。――それに、楓の力がなければ、私は死んでいたでしょうね」

 

 カナエの言う通り、あの時楓の一閃がなければ、カナエの首は童磨の扇によって斬り落とさせていただろう。

 その時、

 

 

「――お館様のお成りです」

 

 

 そう誰かが呟き、鬼殺隊当主が姿を現す。

 お館様が、最終選別で拝見した双子の肩に手を添えながら部屋に入って瞬間、柱たちは座りながら綺麗に頭垂れた。楓とカナエもそうしたいが、この怪我で自由が効かない。隅に立つだけだ。

 

「お館様におかれましても、ご壮健でなによりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」

 

「ありがとう、実弥」

 

 実弥が座ったお館様にそう挨拶すると、お館様は楓とカナエに目を向ける。

 

「――カナエ、楓。怪我を負いながらも招集に応じてくれたこと、感謝するよ」

 

「いえ、勿体ないお言葉」

 

「このような怪我、問題ないです」

 

 楓とカナエは一礼する。

 

「今日の柱合会議、このような恰好で申し訳ありません」

 

 カナエがそう言うと、お館様は微笑んだ。

 

「構わないよ。二人とも、事情が事情だからね」

 

 そして、お館様が周りを見回すと口を開く。

 

「じゃあ、柱合会議を始めようか。最初の議題は、各柱に通達したように、上弦の弐。についてだ。――楓、カナエ、君たちが遭遇した、上弦の弐についての仔細を報告してもらえるかな」

 

「「わかりました」」

 

 楓とカナエは、回りを見渡してから口を開く。

 

「私はあの夜、上弦の弐と遭遇しました。上弦の弐は、鋭利な対の扇を携える鬼で、冷気を操る血気術を使用し、その中には凍てついた血を霧状に撒き散らす血気術があります。これを吸ったら肺胞が破壊され、呼吸の使用が許されず、鬼殺隊士にとっては致命傷です。――私の場合は初手を誤り冷気を吸ってしまい、徐々に戦闘力を削がれていきました。そんな時、楓の助けが入ったんです」

 

「助けに入れたと言っても、上弦の弐を退かせることしか出来なかったんですけどね。ともあれ、上弦の弐との戦闘で上弦の弐は、俺とカナエさんの花の呼吸の剣技を見てました。多分ですが、奴は鬼殺隊士の呼吸剣技の全ての情報を抜き取ってから殺す、そう感じました。それに奴は自身の分身を約六体形成することが可能です。その能力も、本体と変りありません。――それと上弦の弐は、女性を好んで襲う傾向があります」

 

 楓とカナエが全てを言い終えると「報告は以上です」と締め括る。

 

「ありがとう、楓、カナエ。そうか……上弦の弐は、氷の血気術を使うんだね」

 

 その後は、暫く柱たちによる対策案が飛び交い、それができる限り出尽くした後、お館様が静かに頷いた。

 

「では各自、上弦の弐の特徴を念頭に置いて、楓からの情報を無駄にしないように」

 

 その言葉の次に、各柱たちは頭を下げ、俺も慌てて頭を下げた。

 

「それじゃあ、上弦の弐についての議題は終わり。楓とカナエは下がっていいよ」

 

「「御意。お先に失礼します」」

 

 楓とカナエは、隠の人たちに連れられ産屋敷邸を後にしたのだった。




真菰ちゃんは蝶屋敷で、きよたちの相手をしてますね。
ちなみに、真菰はお見舞いに来てからずっと蝶屋敷に泊まってます。楓とカナエが心配で離れることが出来ないと言った所でしょうか。

ではでは、次回(*・ω・)ノ
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