鬼滅の刃~花咲く桜舞~   作:舞翼

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年最後の投稿です。


ひととき

「「ただいま帰りました!」」

 

 そう言ってから、楓と炭治郎が小屋の扉を開けると、中からは食欲を擽る匂いが流れてくる。

 

「鍛錬お疲れ様、ご飯できてるよ」

 

「冷める前に、皆で頂きましょう」

 

 真菰とカナエがそう言うと、炭治郎が、はい!と頷き、楓は、おう。と頷く。

 ともあれ、鱗滝、禰豆子、炭治郎、楓、カナエ、真菰、と炭鉢を囲むようにして座る。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「お久しぶりです!真菰さん!」

 

 一口ご飯を食べた炭治郎が嬉しそうに呟く。

 

「久しぶりだね、炭治郎。修行は順調?」

 

「な、なんとか。でも、オレはまだまだってことが解りました」

 

 炭治郎は先程楓と刀を交えたが、自身の一振りは楓の最小の動きで全て避けられ、直後に攻撃(カウンター)を受けてしまっていたのだ。

 その事を話すとカナエが、

 

「炭治郎君は知らないと思うけど、楓の鬼殺隊での位は柱。最上位の位なのよ」

 

 炭治郎はカナエの言葉を聞き、大きく目を見開き楓をまじまじと見てしまった。炭治郎は、鬼殺隊の上層部はガチガチに隊律を護る人たち、とも思っていたのだ。

 だが、楓はその反対とも言えよう、話かけ易いし、近づき難くもなく、隊律に至ってもそこまで重要視してるとも思えないのだ。

 

「だから強いのは当たり前なのよ。それと、楓の柱は名前だけだから、接し方は変えなくてもいいわよ」

 

「そ、そうなんですか?」

 

 炭治郎がそう言うと、楓は、そ。と頷く。

 まあ確かに、楓に威厳があるかと聞かれたら、問われた者は、ない。と答えるだろう。

 

「そういえば、自己紹介がまだだったわね」

 

 カナエは炭治郎の目を見る。

 

「私は胡蝶カナエ。よろしくね、炭治郎君」

 

「よ、よろしくお願いします。竈門炭治郎です」

 

 楓は、これを知ったら驚くかな?と思いながら口を開く。

 

「ちなみに、カナエさんは元柱だ」

 

「――ッ!?」

 

 炭治郎は、本当ですか!?と驚きながら目を丸くする。

 現柱、元柱が居るなんて予想外過ぎる。炭治郎が聞いた話だと、真菰も甲であり、鱗滝も元柱だ。

 オレ、場違いじゃないよね?と考えてしまった炭治郎は当然とも言えよう。

 

「そういえば、楓さんたちは何の呼吸の使い手なんですか?」

 

「俺は花の呼吸だな」

 

「私も花の呼吸ね」

 

 炭治郎は内心で、花かぁ。と呟く。

 すると真菰が、

 

「あと炭治郎、カナエと楓は師弟関係なんだよ」

 

 炭治郎は、だからか。と内心で頷く。そう、カナエと楓は、僅かに仕草が似ているのだ。

 それに、呼吸も同じ。ということも納得だ。

 ともあれ、話の話題が最終選別になる。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「藤が狂い咲いている山の中で、七日間生き残る、ですか」

 

「それが最終選別の合格内容だ。でもその試験では、何人もの受験者が挑戦し、散っていく厳しい試験でもある」

 

 炭治郎の問いに、楓は考え深いように呟く。

 

「でも楓の場合は、余裕だったと思うけど」

 

 そう真菰が言った。

 まあ確かに、楓は無傷で最終選別を突破しているのだ。

 

「……いや、まあ……そうかもな。まあ、鍛えてくれた人がいつも厳しかったからな」

 

 全集中の呼吸を覚えたら、それをまずは一週間続けて見よう。は、鬼畜だったかも知れない。他にも色々あるが、切りが無いので割愛だ。

 だって心配だもんっ、とカナエは両頬を膨らませる。

 

「鬼との戦いは命のやりとりでもあるのよ、だから最終選別までに私の持つ技術を叩き込むのは当然でしょ」

 

 なので、今の楓はカナエの剣技(技術)のほぼ全てを継承してるとも言ってもいいのだ。

 

「それについては本当に感謝してるよ、カナエさん」

 

 楓が感謝を言葉にすると、カナエは。そう。と嬉しそうに頷いた。

 

「てか、真菰も余裕そうに突破したと思うけど」

 

「あれは楓と一緒に行動してからだよ。もし一人で行動してたら死んでたかも」

 

 そう。一人で行動していた場合、真菰は――手鬼に殺されていただろう。

 炭治郎は、真菰が死にそうになった、と聞き、顔を若干青くする。

 自身より数段強い真菰が殺されそうになっているのだ。もし自分が挑んだら一日も経過すること無く死んでしまうのではないかと不安になる。

 

「心配しないで炭治郎。今のまま修行をして力を付けていけば問題ないから」

 

「そ。俺たちの場合の最終選別は、予想外の鬼がいたからな」

 

「その鬼は私と楓が滅したから、そこまで不安にならなくて大丈夫だよ」

 

「そう、ですか」

 

 炭治郎は安堵の息を吐く。

 だが、油断をすれば命取りになる。それが最終選別なのだろう。

 

「ところでお前たち、今日は蝶屋敷に帰るのか?」

 

 鱗滝が楓たち問いかけた。

 

「はい。まだ、これから予定があるんです」

 

「そうだね。今日は私が交えるんだっけ?」

 

「楓みたいにやりすぎたらダメだからね、真菰ちゃん」

 

 そう。今日夜に楓たちが、カナヲに稽古をつけることに決まっていたのだ。

 ……まあ、元柱に現柱、甲隊士が稽古をつけることが鬼畜に見えてしまうが、カナヲからの頼みなので問題ないはずだ。

 そして炭治郎は片頬を引き攣らせる。

 炭治郎の現修行もかなり辛いものなのだ。失礼だが、稽古を受ける者はマゾなのかと思ってしまう。

 

「じゃ、時間があればまた来ます」

 

「私も時間があえばまた来るね。炭治郎、修行頑張ってね」

 

「炭治郎君、広い視野を持って修行するのよ。きっと結果に結び付くはずだから」

 

 炭治郎は、はい!と頷く。

 

「禰豆子もまたな」

 

「ウー」

 

 そうして、楓たちは禰豆子を一撫でして小屋の扉を開け、狭霧山を後にした。

 こうして、楓たちと炭治郎たちの邂逅が終わりを告げたのだった。




……小説を上手く描ける人は凄いなぁ。
ちなみに、炭治郎は楓たちのアドバイスもあり問題なく岩を斬りました。
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