鬼滅の刃~花咲く桜舞~   作:舞翼

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稽古

「皆、できたぞー」

 

「頑張って作ったから、いっぱい食べてね」

 

 そう言ってから、楓と真菰がテーブル椅子に座っている各々の前にご飯を運んでいく。

 楓と真菰も着席した所で、全員が「いただきます」と音頭を取ってから利き手で箸を持ち、おかずとご飯を口の中へ運んでいく。

 真菰が炭治郎たちに、お粥か献立(白米)どっちにするか聞いた所、炭治郎たちは迷わず献立(白米)を選択したのだ。なので、満身創痍ながらも居間で皆と食を囲んでいるのだ。

 

「炭治郎たちの口に合うか?」

 

「はいっ!とっても美味しいです!」

 

「マジで美味いです!」

 

「鮭大根って初めて食ったが、ここまで美味いのか!」

 

 炭治郎、善逸、伊之助がそう言い、再び箸を使用しご飯と共におかずを口の中に搔き込んでいく。

 炭治郎たちを見た楓は「喉に詰まらせるなよ」と苦笑していた。

 

「ふふ。あんなに美味しそうに食べてくれるなんて、ご飯の作りがいがあるね」

 

 真菰が満足そうに頷く。

 

「だなぁ。まさか、あそこまで喜んでくれるのは予想外だな」

 

 そんな中、無言で鮭大根と白米を黙々と食べ続けているのは、しのぶの隣に座る “水柱・冨岡義勇”である。

 あの後、しのぶに相談した所、「……そうね。冨岡さんはちゃんとご飯を食べているか心配だから、蝶屋敷で食を囲むことを許可するわ」と、しのぶのお許しが下りたのである。

 

「……栗花落兄、お代わり」

 

 食べるの早ッ。と驚愕する楓。

 そんな義勇を見てカナエも、あらあら。と微笑んでいた。

 

「……鮭大根も追加で」

 

 ちゃっかり、おかずもお代わりする義勇。

 楓は義勇から茶碗を受け取り、ご飯大盛りと、鮭大根を鍋から盛り付ける。

 「どうぞ、冨岡さん」と楓から茶碗を受け取った義勇は、幸せな笑みを浮かべながら食事を摂っていく。

 

「……冨岡さん。少しは遠慮して下さい」

 

 しのぶは義勇にそう言うが――、

 

「……栗花落兄と真菰が作るご飯が旨いのがいけない」

 

 「え、(俺)(私)たちの所為?」と、苦笑する楓と真菰。

 

「……胡蝶妹。蝶屋敷には、ちゃんと食事の代金は支払うから問題ない」

 

 自己完結させ、ご飯を食べ続ける義勇を見て、しのぶの額に一つの青筋が浮かぶ。

 

「……私が言いたいのはそういうことじゃなくてですね」

 

 しのぶは、はあ。と溜息を吐く。

 「何を言ってもダメだろうだろな」と悟ったしのぶは、感情を律し、ご飯を食べるのであった。

 

「……あ、あのー。オレたちも、白米と鮭大根のお代わりをお願いしたいです」

 

 炭治郎の言葉に頷く、善逸と伊之助。

 「じゃあ、私が盛り付けるわね」と申し出たのはカナエだ。

 カナエは立ち上がり、炭治郎たちから受け取った茶碗の中にご飯と鮭大根を鍋から盛り付け、炭治郎たちに再び渡す。

 

「はい、皆。お代わりよ」

 

 カナエの言葉に、満身創痍ながらも炭治郎たちは「ありがとうございます!」と言ってから、再び箸を持ちご飯を食べる。その表情は、とても幸せそうだったと書いておこう。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~道場~

 

 食事から数時間後、楓は道場に場所を移していた。――そう。これからカナヲと楓の稽古なのだ。

 楓は立て掛けてある木刀を手に取ると、

 

「カナヲ、待たせた」

 

 木刀を素振りしていたカナヲは、楓を見ながら頭を振った。

 

「ううん、大丈夫だよ。兄さん」

 

 そう言ってから、楓とカナヲ木刀を構える。

 楓とカナヲは同時に床を力強く蹴り、

 

 ――花の呼吸 五ノ型 徒の勺薬。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 カナヲが振るう花の九連撃が楓の急所目掛けて放たれるが、楓は自身の周囲を囲うように花の斬撃を放ちこれを相殺。直後に互いの木刀が交錯し、競り合いになる。

 木刀を弾き間合いを取ると、無数の剣戟を打ち合う楓とカナヲ。

 

 ――桜の呼吸 肆ノ型 桜花乱舞。

 

 ――桜の呼吸 肆ノ型 桜花乱舞。

 

 楓とカナヲの思考が重なったのか、同じ型を繰り出し、それは互いに相殺される形になる。

 

 ――花の呼吸 肆ノ型 紅花衣。

 

 楓は木刀を弾いた勢いで体を捻り、下から上へ刀を振るう。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 カナヲは自身の周囲に花の斬撃を放ち、楓の斬撃を受け止めると再び距離を取る。

 

「(……やっぱり固いな。カナヲの“御影梅”は)」

 

 楓は内心でそう呟く。

 楓が思うには、カナヲの“御影梅”の隙を突かなければ、カナヲに有効打を入れるのは難しいだろう。

 

「(……隙が全くない)」

 

 カナヲは内心でそう呟く。

 先の攻防でカナヲは隙を突こうとしていたが、楓は全く隙を与えなかった。

 楓とカナヲは道場の中を縦横無尽に動き、木刀を交差させる。――そして、カナヲが木刀を斬り上げた時、楓もその勢いに乗って体を浮かべる。

 こうなれば絶好の機会なのだが――カナヲは「何かがおかしい」と訝しむ。

 

 ――花の呼吸 陸ノ型 渦桃。

 

 楓は空中で体を捻り、カナヲの木刀に強打させる。

 そしてカナヲは、木刀を斬り上げた状態であり、型を繰り出すことは不可能だ。なので必然的に、楓の強打でカナヲの両手から木刀が抜け道場の隅に当たる。

 地に着地した楓は、カナヲの首筋に木刀の切っ先を向ける。

 

「カナヲ。俺の勝ちだ」

 

 カナヲは両手を上げる。

 

「……ま、参りました。兄さん」

 

 楓は木刀を下ろし、口を開く。

 

「じゃあ、今日の稽古はここまでだな」

 

 現在の時刻を確認すると、手合わせから一時間が経過する所だ。

 

「カナエさんが風呂の準備をしてるはずだから、カナヲは汗を流しちゃえな」

 

「う、うん。お先にお風呂もらうね、兄さん」

 

 そう言ってから、カナヲは屋敷の方へ向かって行った。

 こうして、義兄妹の稽古が終わったのだった。




伊之助は喉は、調合された薬のお陰で話すだけなら問題なく回復してます。……まあ声を張り上げるのは厳禁ですが。
ちなみに食卓には、現在の蝶屋敷のメンバーが食を囲んでいますね。

大正のコソコソ噂話。
楓とカナヲの稽古中、道場の隙から楓たちを見ていた真菰とカナエは「カナヲの剣筋は楓にそっくりね」「楓はカナエ弟子なんだし、カナエの剣にそっくりってことじゃないかな?」という会話をしていたのは、楓とカナヲは知る由はなかったりする。

しのぶから、真菰の呼び方は?

  • 真菰姉さん。
  • 真菰さん。
  • 真菰。
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