鬼滅の刃~花咲く桜舞~   作:舞翼

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更新が遅れて申し訳ない。最近、リアルがごたごたしてまして(-_-;)


繋がり

 ぜぇ、はあ、と道場に荒い息が落ちる。炭治郎たち額には、大粒の汗の粒が滲み出ている。

 

「つ、捕まえられない」

 

「あ、ああ。触れる気がしないよ」

 

「……蝶羽織り、本当に人間か?」

 

 善逸、炭治郎、伊之助と呟く。

 そう。今炭治郎たちは道場で機能回復訓練の最中なのだ。そして、炭治郎たちが現在行っているのは、機能回復訓練の一つである、鬼ごっこ(反射訓練)だ。

 

「炭治郎、善逸、伊之助。もうへばったのか?」

 

 楓がそう言った。

 

「ま、まだです!」

 

 炭治郎が楓を捕まえようと駆けるが、それは楓の最小限の動作で躱されてしまう。

 隙を突いたように、善逸、伊之助も楓を捕まえようとするが躱される。

 

「今日はここまでにするか」

 

 楓がそう言うと、炭治郎たちは膝から崩れ落ちる。

 

「か、楓さん。何でそんなに涼しい顔でいられるんですか」

 

「俺にとっては、この修行は当然だったしなぁ」

 

 楓が思い浮かべるのは、カナエとの修行の日々だ。

 

「でも、鬼ごっこは機能回復訓練ですよね?」

 

 炭治郎は「修行に鬼ごっこ?」と、疑問符を浮かべる。

 確かに、鬼ごっこ(反射訓練)は機能回復訓練の一つではあるが、楓の場合はそれが修行のも組み込まれていた。――そう、鬼ごっこは足の踏ん張りを使用し下半身を鍛え、体力の向上にも繋がるからだ。

 炭治郎たちにそう伝えると「なるほど」と頷く。

 

「炭治郎たちはこの後――走らないか?」

 

 楓がそう呟くと、炭治郎たち(特に善逸)が顔を青くする。

 

「は、走るんですか?」

 

 善逸は声を震わせる。

 

「そうだな。――とりあえずは五キロ。走り終わったら、呼吸の再確認と素振りな」

 

 ちなみに、楓の修行では鬼ごっこ後に一〇キロであった。……まあ、体力が向上するにつれ、徐々にキロ数も伸びていったのだが。

 

 ――閑話休題。

 

 走りでは基礎体力の向上、呼吸では肺を深く膨らませるように意識して肺活量を鍛え、素振りでは呼吸の型を体に覚え込ませる、型は戦闘時で重要になるからだ。

 伊之助は「稽古だろ、早く始めてくれ!」と元気に返事をするが、炭治郎と善逸は拒絶反応を示す。

 

「そ、それを今からこなすんですか?」

 

「……楓さん、オレ死んじゃいます」

 

「いや、参加しなくても咎めないぞ。てか、俺はこの倍以上の稽古(修行)を受けても死ななかったから大丈夫だ」

 

 まあ、最初の頃は死にそうになった楓だが。

 カナエとの修行は、この内容はデフォルト(通常)だったのだ。

 

「だ、大丈夫です。参加しますっ」

 

「お、オレも頑張りますっ」

 

 参加の意思を示す、炭治郎と善逸。

 

 ――閑話休題。

 

 休憩後に始まった稽古だが、最初は反骨精神を抱いていた伊之助も、稽古終了後は屍になったかのように動かなくなり、炭治郎と善逸は顔を青くし、膝から崩れ落ちていた。――正に、満身創痍(仮)と言ってもいいだろう。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「今日はここまで。カナエさんと真菰が夕食を作ってくれてる筈だから、炭治郎たちは汗を流してから飯を食って体を休めといた方がいいな」

 

 楓はそう言ってから、蝶屋敷の正面門に足を向ける。

 

「……あれ?楓さんは夕食にしないんですか?」

 

 炭治郎が楓を見ながらそう言うと、楓は「ああ」と頷く。

 

「俺は担当地区の見回りをしてからにするよ。炭治郎たちは、俺に気にしないで夕食を摂って貰って構わないぞ」

 

 そう言ってから門を出て、楓は担当地区の見回りに出る。

 そして炭治郎たちは、呆然と楓の後ろ姿を見ていた。

 

「……柱は化け物って、はっきり解るんだな」

 

 失礼ながら善逸がそう呟く。

 まあ確かに、善逸から見れば、同じ稽古を経験した後に見回りなんて同じ人間とは思えない。

 

「……そう、かもな」

 

「……………」

 

 炭治郎は失礼ながらそう頷き、伊之助は楓の姿を見つめるのであった。

 ちなみに、明日は楓が機能回復訓練に参加できないので、炭治郎たちの訓練には、カナヲを始め蝶屋敷の女の子たちが手伝うことになっている。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~数日後、道場~

 

 蝶屋敷の道場では、日輪刀と木刀を携えた四人の男子が剣を交えていた。

 

「ほら炭治郎、全集中の呼吸を休めるな。常中を身に付ない限り、カナヲに訓練で勝つなんて夢のまた夢だぞ」

 

 全集中の呼吸・常中とは、四六時中全集中の呼吸を継続することである。……ちなみに、楓の稽古の場合は、初日から常中の修行も組み込まれていた。

 

 ――閑話休題。

 

 炭治郎は「は、はい!」と頷くが、常中を身に付ける段階であり、呼吸を継続しての模擬戦は、拷問。に等しいだろう。

 炭治郎は「今だ!」と言って流れるような剣技で楓に襲い掛かるが、木刀でそれを受け流され、その流れと共に投げ技をかけられ床に転がる。

 そんな中、隙を突くように突撃しながら振るってきた伊之助の二刀の日輪刀は、楓の木刀によってあっさりと往なされ、隙が出来た部位に一撃叩き込まれる。

 

「ごはァっ!?」

 

 呻く伊之助。

 そして楓は流れる動きで屈み、伊之助を背で転がすようにして床に落とす。

 

 ――雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃。

 

 ――桜の呼吸 壱ノ型 乱舞一閃。

 

 善逸の居合いの一閃と木刀を左腰に回した楓の一閃が衝突したが、楓の木刀が善逸の日輪刀を弾き飛ばし、善逸に関節技を掛け床に落とす。

 

「ぐッっ!?」

 

 楓は、床に落ちた炭治郎たちを見ながら口を開く。

 

「連携も巧く取れてるし、剣技も冴えてる。――全集中の呼吸も継続して出来るようにもなってきてるし、常中習得まで、あと少し。って言った所か」

 

 楓は木刀の構えを解きそう呟く。

 

「取り敢えず、模擬戦は終わりにするか」

 

 楓は「あ、そうだ」と、ポンと手を打つ。

 

「俺、これから走り込みするけど、一緒に走る奴はいるか?」

 

 楓は柱に就任したからと言って、基礎を怠ることはしない。ちなみに、楓が今から走る距離は一〇キロである。

 そして炭治郎たちは、このように基礎を欠かせない楓を見て今にも折れそうな心で必死に踏ん張っているのだ。

 炭治郎たちは座りながら、

 

「は、はい!オレは参加しますっ!」

 

「じゃ、じゃあオレも……さ、参加しようかな」

 

「オレ様も参加だッ!へッ!今日こそはオレ様が勝つッ!」

 

 このようにして、炭治郎たちの基礎体力(肺活量)は日々上がっているのだ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 訓練が終了し、夕食を摂った炭治郎は深呼吸をしながら、蝶屋敷の屋根の上で座禅を組んでいた。

 ちなみに、夕食を食べた善逸と伊之助は稽古の疲れで病室で熟睡である。

 

 ────もしも〜し。

 

 ────集中しているみたいだし、邪魔しちゃダメよしのぶ?

 

 座禅をしていた炭治郎の耳に、蝶屋敷の主である元花柱・胡蝶カナエ、蟲柱・胡蝶しのぶの声が聞こえてきた。

 炭治郎が目を開け左右に目を向けて見れば、美女二人に挟まれている状態だ。

 

「常中の修行?」

 

「はい!楓さんが言うには、習得まであと少しなので頑張ろうと思いまして」

 

 カナエの問いに、炭治郎は元気良く応える。

 

「でも竈門君。無理はしたらいけないわよ」

 

 しのぶがそう言うのも無理もない。

 楓が炭治郎たちと行っている稽古内容は、楓とカナエの修行内容に酷似しているからだ。

 

「だ、大丈夫です!き、きついことは確かですけど」

 

 しのぶは「そりゃそうよ」と頷く。

 

「今、楓と竈門君たちが行っている稽古は、元はカナエ姉さんが考案したものなのよ」

 

 炭治郎は「え?」とカナエを見る。

 カナエは苦笑し、

 

「そうね。確かに、今の炭治郎君たちの稽古内容は、私と楓が行っていたものだわ」

 

 でも一つ違うのは、楓の時の稽古内容は今の五倍はある。ということだ。

 それを聞いた炭治郎は僅かに右口角引き攣らせ、そして納得する。数年の経験だけでの楓のあの強さは、カナエとの厳しい稽古の賜物なのだろう。

 

「か、楓さんは、逃げようとしなかったんですか?」

 

「楓は血反吐を吐きながらも稽古についてきたわ。本当に自慢の弟子よ」

 

 カナエは嬉しそうに笑う。

 

「そうね。常中も同時進行なんて、最初はカナエ姉さんの正気を疑ったけどね」

 

 カナエは、舌をペろっと出す。

 きっとカナエは「あれはやりすぎたと思うわ」と言いたいのだろう。

 ともあれ、場の空気を和ませた所で、カナエが本題を切り出す。

 

「炭治郎君。禰豆子の事は柱合裁判では認めてもらえたけど、鬼殺隊の中ではまだ認めない人たちは沢山いるはずよ」

 

 炭治郎はカナエの言葉に「……はい」と頷く。

 

「完全に認めてもらうには、実績を残していくしかないわ」

 

 耀哉の時も思ったが、鬼殺隊の()からの言葉にはかなりの重みがある。

 

「他人本願になっちゃうけど、炭治郎君。私は禰豆子のことを希望だと思っているわ。――だからこそ、禰豆子を護り抜いて。炭治郎君も絶対に死んじゃダメよ」

 

 そしてカナエは、炭治郎の後ろ盾になると決めている。

 

「柱合裁判では言えなかったですが、私も禰豆子さんの事を信じます(認めます)。――あと竈門君、一人で抱え込んだりしないでくださいね。貴方はもう一人じゃないんですから」

 

 カナエとしのぶは今の言葉を伝えたくて、炭治郎の元へ足を運んだのだ。

 そして炭治郎の目許には涙が浮かぶ。――こんなにも禰豆子のこと信じてくれている人たちが居るのだから。

 

「きっと、楓と真菰ちゃんも同じ気持ちだと思うわ。だから炭治郎君、私たちに遠慮なんてしないでね」

 

「私も力になるわ。遠慮しないで頼ってね」

 

 そう言ってからカナエとしのぶは立ち上がり、屋根を蹴り、この場からフッと消える。

 残された炭治郎は「頑張りますっ!」と意気込んでから、座禅の続きに取り掛かるのだった。




楓が居ない時、炭治郎たちの機能回復訓練は蝶屋敷メンバーが行ってます。
後アンケートの結果、しのぶさんからの真菰のを呼び方は、『真菰さん』に決定しました。

追記。
作中での最初の機能回復訓練では、体のほぐしと反射訓練は終えています。
炭治郎たちは那田蜘蛛山で、日輪刀は折ってません。

大正のコソコソ噂話。
善逸は眠らなくても、僅かな時間なら眠っている時のような力が出せる。

最終決戦で、楓は命を落とす?

  • 落とす。
  • 幸せな未来を築く。
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