シズクルート   作:眼鏡最高

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多少は正気に戻ったので、クソみたいな小説になると思います。

あとプロット的なモノが消失しました。


第九話 白亜の町

一応、無事に船旅は終わった。

海獣や海賊に遭遇したが、沈没しなかったので良しとしよう。

凄くハードルが低い気もするが気にしたら負けだ。うん。うん…

まぁ確かに思っていた船旅では…、なかったがな!!

 

で、俺とシズクさんが到着した街は港町だ。でも、ただの港町では無い。街の両脇が断崖絶壁で、真ん中が段々になっていて、そこには白い家々がつらなっている。ドアだけが青い、オサレな街並みだ。

 

街の通りをブラブラしながら歩くと、どうやら丁度良く今日は祭の日らしい。街を歩いてる人や、カップルであろう男女が祭の話をしている。まったく嬉しそうな顔しやがって…、このリア充どもがっ!滅んでしまえっ!

 

ひとまず落ち着く為に、ホテルを探した。

部屋に荷物を置いて、しばし休んだ。よし、もう大丈夫。オールオッケー。その後また街をブラブラしてからカフェテラスの洒落た店に入り夕食をとった。夕食を食べ終わり、街の端の断崖絶壁に行ったりして日が沈み、俺とシズクさんはホテルに戻る事にした。

 

ホテルに戻る途中で、俺とシズクさんはパレードに出くわした。

牛っぽい動物が、車輪が付いた縦に長い車を引いている。その車には煌びやかなネオンが取り付けられ、無駄に豪華で眩しい。しかも周りでは、テンション上がりまくりの人達がハチャメチャな踊りを踊っている。

 

そんな光景を見ていたら、パレード車の上から俺とシズクさんの方に物が投げられ飛んできた。

飛んできた物、シルクハットと白いワンピース服を俺は掴み取った。パレードを見ていたら分かるがパレード車からは時々、物が投げられ、みんな喜んでもらっている。

 

せっかくなので俺とシズクさんは貰った物を着てみた。

もちろん俺がシルクハットで、シズクさんが白いワンピース服だ。

うん、可愛いね。まぁ服の上から着込んだからジーパンが見えてるけど、それでもシズクさんのワンピース姿は可愛いなぁ。

 

パレードを眺めながら、ホテルに向かった。パレードの通り道から外れると、一気に静かな街並みになり、祭りの熱も消えた。ただ、かすかに遠くから祭りの音が聞こえる。

なんとなく夜空を見上げると、綺麗な三日月が浮かんでいた。

 

風流を感じていたら、無粋な声で現実に引き戻された。

 

「あいや!待たれい!」

「そこにいるわ!キリングラバーズ!」

「「我ら雷風兄弟が成敗致す!」」

 

うん?誰…だって?

つか、なんなのコイツらは意味が分からん…

 

「あー、キリング?ラバーズ?…なんなのそれ?」

意味不明なので黄色着物と青色着物の兄弟に聞いてみた。

 

「シルクハット!白いワンピース!」

「間違いなく!キリングラバーズ!」

「「我らブラックリストハンター雷風兄弟が成敗致す!」」

 

なん!?だと!?BLハンター!?

俺って何か悪いことした…っけ?

そう言えば…図書館で本を返してない…。慌てて夜逃げしたからなアレの性か?…つか、なんで夜逃げしたんだっけ?

いやいや、落ち着け俺。この兄弟が、ただ勘違いしてるだけだよ。「キリングラバーズ」って「殺人鬼の恋人」だよな?言われた事ないし、完璧に人違いだろ。それにシルクハットと白いワンピースは祭りで貰った物だしな。うん、人違いだよ。

 

「人違いですよっぉおおおお!!」

俺が喋ってる途中で黄色の方が突然、刀で切りかかってきた。攻撃を避けながら横を見れば、青色の方は槍でシズクさんに切りかかっていた。

 

たっく、なんで勘違いで襲われなきゃいけないんだよ。面倒な奴らだな。ベンズナイフを一本取り出し、構えた。はぁ〜、…行くか。

 

ナイフで剣をさばき、避け、避け、俺は逃げていた。ときどき「くっ」とか「ぐっ」とか声を出しながら数十合ほど斬り合い、俺のナイフは空に飛んだ。

 

黄色は大きな動作で刀を振り上げ、俺を殺しにきた。ギリギリで刀を避け、隙だらけな脇腹を、もう一本ベンズナイフを取り出し、 切り裂いた。またたく間に黄色は崩れ落ちた。二本目のベンズナイフには即効性の麻痺毒が塗ってあるから、これで終わりだな。

ふぅ、疲れた。

 

シズクさんの方を見ると、青色はドタマかち割れていた。脳みそが飛び出てグロい、それに体がビックンビックン痙攣していて更に気持ち悪い…

 

まっ、いきなり襲ってきたんだ死んでも文句は言えまい。

ほっといて、さっさと逃げるか。面倒な事になりそうだしな。

ホテルはキャンセルだな。まったく無駄に疲れた。

 

そんな時に、突然、路地裏の暗闇から声が聞こえた。

 

「今日は、いい月夜ね」

綺麗な女性の声だったが、それは底冷えするモノだった。

 

暗闇から最初に出て来たのは、シルクハットに燕尾服の男性、次にフリフリの白いドレスを着た女性が現れた。美男美女だが、雰囲気がヤバイ…ヤバ過ぎる…

 

「こんにちは。今日は人を殺すには良い日ですね」

男性がほがらかな笑顔で話し、さらに言葉を続けた。

「さぁ楽しい楽しい…、茶会の始まりだぁ!!」

途中まで普通だったが、後半は怖過ぎる笑顔で叫んでいた。

ヤバイちびりそう…、いや…すでに漏れたかも…

 

男性は楽しそうに叫びながら、シズクさんに向かって走り出した。

女性はニッコリ笑って俺を見ている。

 

「もしかして…、キリング、ラバーズ、さん?」

恐る恐る俺は女性に聞いた。どうか違いますように祈りながら。

 

「ふふっ、そう呼ばれる事もあるわ。でもね…私達は恋人では無いのよ、夫婦なの。」

楽しそうは声を出し、俺の疑問に答えてくれた。補足付きで。

 

「あっ、あぁ、そうなんですか」

馬鹿のような声を出し、俺は頷いていた。

 

「ふふっ。そうなの、よろしくね」

何故そんな笑顔なのか、ホントに何が楽しいのか分からないよ。そして女性は白いフリフリドレスの裾を持ち上げ、ナタを二本ガーターベルトから取り出した。途中まではテンション上がったが、ナタが出て来てドン引きした…

 

「さぁ殺しアイましょう。…あぁでも、ふしだらな女だと思わないでね。私が愛してるのはシェードだけなのよ」

何を言ってんだか、さっぱり分からない。顔が美人なだけに、狂った笑顔が超怖い。帰りたい…、おうち、かえる…

 

「話してばかりじゃ…つまらないわね、そろそろ始めましょう」

そう女性は言い、まっすぐ俺に向かってきた。満面の笑顔でな。

俺は声を大にして言いたい……(つまんなくないよ!むしろ、つまってます!めちゃくちゃつまってます!)と。

 

そんな俺の思いを知らない女性は、ナタを振り上げ、襲いかかってきた。

ナタの初撃をナイフでさばいたが、うん、強い。その後もナタが嵐の如く俺に襲いかかってくる。右や左、上や下、まさに縦横無尽にナタの攻撃がやってくる。こりゃマズイ、あきらか俺より強い。このままじゃ死ぬな…マジで死んじゃうよ。

攻撃をふせぐので精一杯だ。まぁその防御も完璧には出来ず、体中に裂傷が出来てるんだけどね。ホント詰んでる。その後も、なんとか致命傷だけは喰らわないよう、避け、逃げ、ふせいだ。しかし、血の量が洒落にならないほど流れてるな。

 

「あなた、つまらないわ。もう終わらせましょう」

先程までと違い、からっぽの無表情で女性は俺に言った。

こんだけ俺を切り裂いといて、つまらない、とは…なんなんだよ…

 

そして女性は動き出し、あっという間に俺の目の前に居た。

今までと比べる必要もないほど、その一撃は早く、真横から俺の首に向かってナタが迫った。首を傾けたが、避けきれず首にかすった。血がヤバイ、片手で傷口を押さえていたら、もう一本のナタが俺の頭に振り下ろされようとしていた。それは、ゆっくり、スローモーションに見えた。

 

あっ、死んだ。

 

と、思ったら勝手に体が動いた。

逆に女性を切り裂いていた。

 

「あはっ。斬られちゃった…」

そう言って女性は倒れた。すると、すぐさま…

「リッ!?リリー!!」

あらん限りの声で男性が叫んでいた。

 

男性は倒れた女性に駆け寄り、言葉を交わしている。うん、女性は生きてたようだな。で、話し合いが終わったのか男性は、すくっと立ち上がった。女性をお姫様抱っこしてね。

 

「今日は、ここらで御暇します。また会う日まで、ごきげんよう」

そう男性は言い、颯爽と、颯爽と走って行き、見えなくなった。

 

ちなみにシズクさんは俺に駆け寄って来て「大丈夫?」と俺の事を心配してくれた。マジで嬉しい、けど…

 

「死にそう、です」

瀬戸際ぐらいに危険です。血がアホみたいに流れてる…

 

「じゃあ。病院、行こっか」

シズクさんはカル〜イ感じで言った。

マジで本気で、命の危険なんですよ、シズクさん。

 

 

 

 

病院に入院しました。

当たり前だが、俺は入院しました。

 

体中の裂傷は血を流し過ぎて危険だったし、ショック死していてもおかしくない、らしい。首筋の傷は少しズレていたら噴水のように血が飛び出ていたと、お医者様の先生に言われた。

 

四日ほど入院し、傷が治ったので退院した。

その日に、俺とシズクさんは流星街に帰る事にした。

善は急げだ。また殺人鬼に出会う事になったら、たまったものではない。

 

その後、ドラゴンっぽい生物で移動しました。

 

とても早かったです。

とても高かったです。

死ぬかと思いましたマル

 


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