色々と挫折しました。
プロットが無いと駄目だ…
今日もゴミ発掘をしていたら、なんと山ほどの宝石を見つけた。
ゴミ山の奥、ゴミ洞窟の奥深くに、黒光りする綺麗なスーツケースがあり、その中にはダイヤやルビーなど沢山の宝石があった。
飛ぶように俺は即効で宝石を換金しに行った。全ての宝石を店主に渡し、査定まで時間がかかるので暇つぶしに店内を見ている。
嬉しいのだが、いまいちテンションが上がらない。
数日前、知らない間に手の甲に蜘蛛のイレズミを彫られた。まるでヤの付く職業の人、もしくはギャの付く黒スーツの人だ。今は隠す為に、黒い革手袋をしている。ぼーっと店内を見ていたら…
「あら、こんにちわ。偶然ね」
どこかで聞いた事がある声だったので振り向いたら…
「………」
あの殺人鬼の女性が居た。この前とはまた違った白いドレス姿だった…フリフリが増量してる。確か…名前はリリーさん…だったな。
「どっ、どうも。お元気そうで何よりです」
言葉にしてから思ったが何を言ってんだ俺は…馬鹿か!
「ふふ、えぇ。綺麗に切られたから綺麗に治ったわ。でも…ウィルが貴方を必ず殺すって言ってたわね」
「えっ?」
たぶんウィルってのは、あの燕尾服の男性だよな。リリーさんの旦那…そりゃ嫁を傷つけられたら怒るか。命、狙われてるのか俺…
「でも止めたから安心してね。あなたを殺すのは私だもの」
にこやかな笑顔だった。一瞬でも安心した自分が馬鹿みたいだ。泣けるぜ。
「…ここで、ヤるつもりですか?」
いつでも逃げれるうに準備しながら聞いてみた。
「昼間には殺人なんてしないわ。綺麗な月も出てないでしょう?」
さも当たり前のように女性は言ったが、理解不能だよ。でも今の時間帯は殺られ心配が無いのはありがたい。俺が一安心していたら女性はリリーさんは続けて喋った。
「貴方も、そうゆうモノあるでしょう?」
「はい?」
マジで意味が分からん。
「貴方は命が危険にならないと本気を出さないのかしら?それとも、そのギリギリを感じて楽しんでるのかしら?」
「いやいや、そんな事これっぽっちも無いですよ」
なんだ、その危な過ぎる思考は。
「ウィルはね、切るのが好きなの。私は表情を見るのが好きなの。私達って同類だけど、まるで別の生き物みたいよね」
最初に「そう」と、どうでもいい感じで受け流し、リリーさんは独り言のように喋った。
「はぁ…」
つまり今のは殺人の趣向的な事だよな。
何故俺に話す、まったく意味が分からん。
「それではね。また綺麗な月夜に会いましょう」
俺がボケッとしていたら、リリーさんは「ごきげんよう」といった感じで店から去っていった。
その後、店主に換金できたて言われ、ようやく俺は我にかえった。
むちゃくちゃ背後を気にしながら、わざわざ遠回りして家に俺は帰った。
五日ほど俺は家に引きこもった。
〜〜〜
バイト代が十分に貯まった。
よしっ。シズクさんに今までの恩返しだ!
だから!デートに誘った!よっ!
昨日、食事を食べ終わり二人でソファに座っていた。シズクさんは本を読み、俺はテレビを見るともなしに見ていた。緊張していたが、なんでもないように俺はシズクさんに尋ねた。
「明日、暇ですか?」
「ううん。本を読むから暇じゃない」
「あ〜、…なるほど。あのですね、良かったらですが明日どっか二人で行きませんか?」
そこで始めてシズクさんは顔を上げ、少し間があってから一言短く答えた。
「…いいよ」
そして今日、デート当日。
俺が外で待ち合わせしたい胸を告げると、シズクさんは「面倒じゃない?」と素で言っていた。ある事ない事をテキトーに言い、最後は納得してくれた。俺はさ、デートっぽくしたかったんだよ!
崩れ落ちた時計塔の横で待っていたら、遠目からシズクさんが来たのが見えた。いつも通りのジーパン・セーター姿だが、可愛いぜ。
「さっきぶりだね」
こっちに歩いて来たシズクさんは手を振りながら、そう言った。
「そうっすね…」
なんか違う気がする…
まっ、いっか。
「じゃあ行きましょう」
「うん」
以外にも流星街はちゃんとしてる場所が多い。流星街には区画があり、0〜60(俺が知ってるのは)ある。ちなみに番号が0に近いほど治安がいい。ただし例外もある、4がつく数字は流星街でも激危険な場所になる。無法地帯で、歩いてるだけで殺さる可能性がある。
区画ごとに特徴があり、0〜10は真新しいビルの町並みが多く、だいたい一日に10人ぐらい人が死ぬ。11〜20は煉瓦の町並みで、だいたい一日で20人ぐらい死ぬ。俺とシズクさんが住んでるのは、この20番街にある。後は段々と死ぬ人が多くなる感じだ。
今、向かってる場所は5番街にある映画館だ。
ベタだが仕方ないだろ…童貞には!これが精一杯のデートなんだよ!
はい。無事何事も無く映画館にたどり着いた。今は何を見るか二人で相談している。1番「ラブレター」ベタベタの恋愛モノ。2番「スキュラの秘宝」ハラハラの海洋活劇。3番「サムのピクニック」夜眠れなくるホラーサスペンス。
しかし、悩む必要は無いな。1番の一択だ。それは何故か、シズクさんが読む本は恋愛モノが多いのだ。俺が「ラブレターにしますか?」と聞くと、シズクさんは「うん」と頷いていた。可愛い…
俺はチケットを買いに行き、シズクさんにチケットを渡そうと声を掛けた。
「シズクさん、チケットです」
普通に、普通に声を掛けた。なのにシズクさんは。
「………」
無言で、そっぽを向いた。
えぇ?!何かした?!おれ?!
う〜ん、あっ、あぁ、忘れてた。つか、まだ慣れないな…
よしっ。心の中で気合を入れ、声を掛けた。
「シズク、チケットだよ」
俺が名前を呼び捨てで言うと。
「うん」
そっぽをやめて、返事をしてくれた。
一週間前「シズク」の呼び捨てになったのだ。しかし慣れない。ただシズクさんに、さん付けすると口を聞いてくれない。あと何故か、出来るだけ素の喋り方にするようシズクに言われた。慣れない、マジで慣れない。
その後ポップコーンとコーラを買い。映画を見た。
なんつーか…、よく分からない。内容だった…
たぶん、俺には難し過ぎた…
高尚すぎた映画だった…
ただシズクが楽しめたようなので良かった。
見終わった後は、とりあえずトイレに行った。
早く行かねばヤバイ。漏れる!
その後は近くの本屋に立ち寄った。
好きな小説家の続編や新刊があり俺は二冊の本を手に取り、シズクは有名な恋愛小説を手に取っていた。けっきょく二人で五冊の本を買い。ブラブラしながら家に帰った。
いつも通り俺が夕食を作った。でも今日は豪華バージョンだ。
イタリアのフルコースっぽい感じで作った。まぁ所詮はエセだけどね。面倒なので前菜やパスタ、肉料理など全部テーブルに並べた。奮発して買ったワインもある。パーぺキの完璧だ。
食事を食べ終わり、いよいよ本日のメインイベントだ!
プレゼント!渡すぞ!
シズクは茶を飲みながらソファで本を読んでいる。ドッキドキのド緊張しながらシズクの隣に座った。行くで!やる時きゃやる男だ!
「あの、これ、どうぞ」
リームーでした…。なんとか、かんとか包装されたプレゼントを渡すのが精一杯でした。でした…
「これ…プレゼント?私に?」
「はい。そうっす」
「開けていい?」
「どうぞ。でも、あの、高くて良いモノじゃないですよ」
シズクは華麗にスルーし、包装を丁寧に開けた。出てきたのは俺が買った逆十字の銀色のネックレスだ。あぁは言ったが、そこそこ奮発して買ったモノだ。さっそくシズクさんはネックレスを首にかけた。逆十字を手に持ち、頷き気味に見ていた。
「ありがと」
…シズクが笑っていた。
はっきりと笑顔を見たのは初めてで俺は呆然とした。
その後、俺とシズクは普通に本を読み始めた。
アレだ。なんか感情が一周して冷静になった。そんな感じ。
本を読み始めて思ったが、ヤバイ。
シズクは本を読むと色々な姿勢をとる。横に座ってる俺に寄りかかってきたり、俺の膝の上に頭をのっけたり、背中合わせになったりする。
今まで一番ヤバかったのは俺がソファで仰向けに寝転がっていたら、その上にシズクが腹ばいで乗っかり本を読んだ事だ。顔が近いは、胸は当たるは、相変わらずイイ匂いだは、最上で最高でした。ただ息子様が暴れて暴走する寸前だったがな。ふっ。
ちなみに今日のシズクの姿勢は、俺の肩に首を傾け寄りかかってきている。やべぇ…シズクから、いつもと違うフローラルな香りがする。本に集中できねぇ。
仕方なく俺は本に栞を挟んでサイドテーブルに置いた。ハァと心の中でため息を吐き、目をつぶり目頭をほぐしていたら肩が軽くなった。たぶんシズクがどいたのだろう。
ジュースでも取りに行くか。
そう思い目を開けたら、シズクの後ろ姿があった。
そしてゆっくりシズクは俺の太ももに腰をおろした。
はい?はーい?はい!?why!?who am i!?いや!俺は俺だ!つか、なんなんだコレは一体シズクは何がしたいんだ!
それにしても、いつも以上にいい匂いだし、密着してる面積大きいし、この体勢はヤバイ!しかしシズクは俺の胸中も知らず寄りかかってきた。俺とシズクは頭一つ分ほど身長が違うので、苦しくはないのだが髪の毛から直に素敵な匂いがする。
名も知らぬ父上母上ご報告があります。息子様が起きました。なんとか股で挟み込み押さえているが、ヤバイです。ムリです。ナニが!ナニぞ!このヤロー!
しかも!しかもだ!
シズクは座り心地が悪いのか、お尻で俺の股間辺りをグリグリしてきた。その周辺はヤバ過ぎです。ようやっと良い座り心地を見つけたのか動きを止めた。マジでぇ果てるべぇ。やっ……ぼいっ!
ギリギリアウトのセーフ!いやいや!違う!ギリギリセーフのアウト!いやいや!これも違う!もう!訳わからんが!とりあえずセーフだ!
くそっ!このままじゃ頭が沸騰するわ!ヤバイ!マジ!やべぇ…
そして何を思ったのか俺はガシッとシズクを後ろから抱きしめた。
「んっ」
シズクは小さな声をもらし、顔を少し横に向け俺を見た。
「あったかいね」
若干、照れてるように見えた。
今日は…色々な事があり過ぎたよ…
キャパオーバー、もしくはブラックアウト、あるいはブレーカーが落ちる、または気絶、俺は意識を失った。
あったかい。柔らかい。気持ち良い。
まどろみの中、俺は幸せを噛み締めていた。
この抱き枕は最高だな。…いや待て俺って抱き枕持ってたか?
それに何故か近くから寝息が聞こえる。ゆっくり目を開けると、シズクの後頭部が見えた。ふぅ…。とりあえず辺りを確認した。ここはソファで、毛布がかかってあり、俺はシズクを抱きしめ寝ていた。つまり、あの後そのまま眠り続けたのか。しかし、…俺の半身が暴れん坊将軍になっとる。いつでも戦える状態だ。
あぁ、つかシズクの体って柔らかいな。凄く抱き心地が良い。それに、やっぱりいい匂いだ。寝ているのでシズクの頭に顔を埋めて匂いを嗅いだ。今更ながらに思うがシズクの事が好きだな。すげー好きだ。思わずギュッと抱きしめたら「んっ」とシズクは声を出しモゾモゾ動き出した。どうやら起きたようだ。ちなみに息子は、いつの間にか治まっていた。
「おはよう。シズク」
俺は抱きしめていた腕を放し、ソファから落ちないよう片腕でシズクを支えた。
「おはよ、ハルト」
シズクは目をこすりながら起き上がり、サイドテーブルにあった眼鏡をかけた。まだ目や表情がトロッとして眠たげだ。可愛いなぁ…
うん。
今日も一日、頑張りますか。