シズクルート   作:眼鏡最高

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糞です。
あと二三ヶ月、消えます。
戻らない場合は、死んでます。


第八話 寄り道

飛行船の故障で温泉郷に寄る事になった。

エンジンからモクモク煙が上がった時は死ぬかと思ったね。いや、マジで。なんとか近場の空港に降りて、一週間ほど修理がかかるらしい。

ここまで料金が払い戻しになり「船か電車をご利用してください」と言われた。

 

俺はせっかく立ち寄ったので温泉に入る事にした。

この町の特徴は温泉だ。古代の人達が使っていた温泉を今も使っている。

見た感じでは、遺跡の温泉プールだ。水着を必ず着用だしな。

まぁイメージと違ったが、コレはコレで良い感じだ。

 

温泉卵を食べて、温泉に入った。

 

あぁ〜、気持ちいい。癒されるわぁ。

寝っころがれる場所で体を伸ばし、目元にタオルを乗せ、ゆったりしていた。あぁシズクさんに会えたら、もっと癒されるのになぁ。そんな事を考え、場所を移動しようと立ち上がり、辺りに視線をやると隣に…

フチに黒い眼鏡が置いてあり、顔にはタオルが乗っていて、スクール水着を着たナイスバディな女の人が居た。そして、ネームプレートに「しずく」と書いてあった。

 

しばしの間、俺は凝視していた。

 

「シズクさん?」

思い切って声をかけると。

 

「ん?」

女性はタオルとり、置いてあった眼鏡をかけた。

「ハルトだ。久しぶり」

シズクさんでした。本人でした。

 

「えっあぁ、お久しぶりです。…いや!そうじゃなくて!?なんでシズクさんが!?つか何故にスクール水着!?」

 

シズクさんは欲しい物があるので温泉郷に来たらしい。あとスクール水着は団長さんからのプレゼントらしい。もしかして団長もオタ族なのか!?いや早計だな、コレはじっくり考えねばな。うむ。

 

それにしてもスクール水着の「しずく」の文字が伸びて実にけしからん事になっとるで!スクール水着って何が良いかわからなかったが、生を見るとやっぱイイネッ!たまらんぜよ!

 

あぁ…、やっぱりシズクさんと居るだけで癒されるわぁ。

相変わらず綺麗だなぁ。くぅ、濡れた黒髪が色っぺー!

 

そんな感じでシズクさんと温泉を回った。

3時頃に温泉を出て、町をブラブラ見て回り、良さげなお店に入った。

 

少し早い夕食を食べる事にした。

俺はカルボナーラを、シズクさんはペペロンチーノだ。

食い終わり、シズクさんが泊まってるホテルに向かった。

 

シズクさんに「部屋、一緒で良い?」と言われ。

俺は即座に「もちろんっす!」元気良く、お返事した。

 

シズクさんと話をして、7時頃にシズクさんが風呂に入り、お風呂からシズクさんが出て、俺のお風呂の番になった。

ふと洗濯籠に目をやると、そこには!シズクさんの下着が!ぬっ脱ぎたて…、最近、欲を放出してないのでヤバイ…、あぁたまらねぇ…

それに久しぶりにシズクさんに会えて気持ちが…、高ぶってるよ!

 

あぁ勝手にライトハンドが、無理矢理レフトハンドで押さえつけ、なんとかギリギリ踏みとどまった。本当はクンカクンカしたかった…

かわりに風呂場の残り香を精一杯クンカクンカしましたマル

 

そろそろ寝る時間になったが、なんとベッドが一つしかなかった。またソファで寝るのか、まぁシズクさんと一緒の部屋で寝れるなら良いもんさ。

だが!しかし!なんと!

 

「一緒に寝る?」

シズクさんが普通に、そう言った。

 

「はい…?」

はい?

 

「じゃあ、行こ」

手を握られ寝室に向かった。

 

「ふぁい?」

コレは夢ですか?夢だよね?うん、夢さ。

 

ちなみシズクさんの寝間着は、いつものワイシャツ姿だ。

たまらなく良い、いつ見ても太もも最高だな。

 

で、シズクさんが先にベッドに入り眼鏡をベッド脇の机に置いた。躊躇っていたらシズクさんに促され俺もベッドに潜り込んだ。

 

「おやすみ」

シズクさんは静かに言い、俺に身を寄せてきた。

これ…、夢じゃねぇええええええええ!!

腕枕に重みが!しかも近いからイイ匂いが!もう!ヤバイ!

 

俺の葛藤的な思いをよそに、あっという間にシスグさんは寝た。すこやかに寝た。すーぴーすーぴー可愛い寝息をしながら、寝た!

 

…無理、無理、無理、無理、無理!無理!無理!無理!無理!むーり!りーむぅ!

もう!よく分からんが無理だ!

 

そんな頭が爆発して新しい世界が開けるようなエネルギーが脳みそを駆け巡り、悶々と、悶々と、悶々と、夜を過ごした。

天国のような地獄。もしくは、地獄のような天国だったよ。燃え尽きたぜ。灰も残らねぇよ。

 

当たり前だが、一睡も出来なかった。

窓から日が射し込んできてる…

 

不眠状態の俺とは違い、爽快に背伸びをしシズクさんは起きた。

 

「シズクさん、俺、寝ます」

それだけ言って死んだように寝た。

 

 

俺が寝てる間にシズクさんは、金剛龍、もしくはダイヤモンドドラゴンの鱗を取り、俺が起きたぐらいにダイヤの鱗を持ち帰ってきた。シズクさんは、このダイヤモンドの鱗が欲しかったようだ。

 

シズクさんの目的も終わり。

帆船じゃない、外輪付きの船で移動した。

今回は普通の船旅である事を願うばかりだ。

 


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