枯れた花は日を受け再び花開く(一発ネタ集 作:スクランブルエッグ
二話目ですー。
少し無理矢理があるので生暖かい目でお願いします。
ワシの子どもとも言える弟子達がここを立ってどれ程の月日が経っただろうか。
待てども誰一人帰って来ず。
来るのは子供達の訃報の知らせのみ。
水柱となった冨岡義勇は最終選別の生き残り鬼殺隊となったがそれ以外の子供達は皆死んでしまった。
そんな弟子が二人の子供を“連れてきた”。
鬼に家族を殺され生き残った二人の兄妹。
妹は鬼にされてしまい兄は妹を元に戻す方法探す為に、大事な者を守る為に力が欲しいとワシに頼み弟子入りした。
最初はもう弟子を取るつもりはなかった。
だが義勇と炭治郎からの強い要望で弟子にすることにした。
炭治郎は長男ということを差し引いても異常な程に根性があった。
何度も折れそうになるが己を鼓舞して打ち直し、より屈強な精神力で立ち上がっていた。
そんな炭治郎の様子を義勇は逐一鴉で訪ねて来るのでワシは言葉足らずでもかまわないから直接炭治郎になにか困っていることはないか。
助言があれば書いてやれと言ってやった。
それから義勇は兄弟子として言葉足らずの文でのやり取りではあるが甲斐甲斐しく炭治郎に助言や相談に乗るなど以前なら考えられない程に面倒見がよくなった。
対する炭治郎はどこか義勇を兄のように慕いだして言葉足らずの文を持ちワシに解読を頼みだした。
なぜだがワシに対してもどこか父親のように接しだした。
そして妹の禰豆子だが驚いた事に鬼特有の衝動を強靭な精神力で抑え込んでいた。
炭治郎曰く今まで人を喰った事がないとのことだがこの二年でその衝動が出てないことから本当なのだろう。
禰豆子は最初義勇に対して警戒心を出していたが義勇が再び発つ頃には義勇も兄と認識しているような素振りを見せだした。
ついでに禰豆子もワシの事を父親のように慕いだした。
炭治郎が修行に励んでいる間は勝手に山に入り山菜を取ってきたり、兎を狩ってきたり(絞殺の為血抜き未実施)ワシの肩を揉んだりとだ。
本当は鬼になっていないのではないかと一時疑った。
止めてくれ。ワシはお前の兄を死地へと送るのだぞ。
そう言ってワシを慕うのを止めるように言ったが禰豆子は関係ありませんと云わんばかりに笑いながら肩を揉むのだった。
そして炭治郎を最終選別に送り出して十数日。
今日も禰豆子はワシの肩を揉む。
最近は体力を回復するために寝てばかりであったが今日は起きていた。
むぅ~。と不満の声を上げているがそれは兄の帰りが遅いからだ。
禰豆子の兄は無事という絶対的な信頼感はワシも同意してる。
なにしろ文でのやり取りではあるが炭治郎は現水柱からも稽古を受けている。
言うなれば柱稽古を受けていたに等しい。
全集中を習得し、義勇からそれを日常化させろとも云われていてつい最近習得した。
十二鬼月以外ならまず問題なく対処できるだろう。
唯一の不安はワシの子供達を皆亡きものにしたという鬼だが
「?・・・・むぅ!」
そんなことを考えていると突然禰豆子が外へと飛び出していった。
その様子から無事に炭治郎が帰ってきたのだろうと思い後を追う。
天狗面の下で安堵の笑みを浮かべて。
「・・・・」
が、軒先では異様な光景が広がっていた。
抱きつこうと両手を広げて固まっている炭治郎を挟んで背後にはにこやかな笑みを浮かべている見知らぬ少女。
正面には目の光を無くした(ハイライトOFF)の禰豆子。
心なしか禰豆子の背後に鬼が見える。
そして彼女が喋れていればこういっていただろう。
お兄ちゃん。その女・・・だぁれ?
《鬼殺隊本部》
今日、鬼殺隊入隊試験である最終選別から娘のかなたが帰ってきた。
当初の予定よりは幾分遅かったが無事に帰ってきて何よりだ。
今はかなたから今年の報告を聞くために妻のあまねと共にかなたを労う。
「今年の新入隊員はどうかな?」
「ハイ。先代鳴柱様の御弟子様と今代風柱様の弟君、蟲柱様の継子である栗花落カナヲ様、先代水柱様の御弟子で今代水柱様の弟弟子である竈門様の四名が生き残りました。鳴柱の御弟子様はご自分に自信がおありにないようでしたが最終選別を生き残ったことから潜在能力は他に引けをとらないでしょう」
「そうかい。ところで何かいいことでもあったのかい?声が幾らか弾んでいるようだけど」
「そうですね。表情もどこか朗らかですね」
「はい。この度初めて失恋というものを体験いたしました」
娘の言葉に私と妻は硬直した。
失恋?
今娘は失恋と言ったか?
娘は恋をしたのか?
「あ、私のは御父様、御母様が考えているほどのものではありません。初めて好感を持てた殿方がいたのですがその方には既に相愛の方がいらっしやっただけです」
ですからかすり傷程度ですという娘。
聞けば好戦的な風柱の弟に髪を掴まれたのだが竈門炭治郎に助けられて、その弟に力づくで謝らせたそうだ。
「その後、お二人に簡略ながら夫婦の契りと祝言を挙げたいので仲人頼まれまして僭越ながらお引き受けさせていただきました」
うん・・・・。うん?
「鬼殺隊に入隊するということはいつ命を落としても不思議ではありません。互い想い合うお二人の為に勝手ながらお引き受けさせていただきました」
更に娘は近場にある由緒正しい藤の家紋持ちの神社に二人を連れていって祝言を挙げたそうだ。
心がみょんみょんしたらしい。
そういえば二人はまだ結婚できる年ではないはず。
娘はまだそれに気付いていない。
どれ、ここは可愛い娘の為に人肌脱いで根回しでもしておこうか。
妻は私の様子から私がやろうとしていることに気付いたようでにこやかに頷く。
流石私の妻。細かい所まで気が回る。
「まぁ、それは心が暖かくなるお話しですね。馴れ初め等は聞いてないのですか?」
妻もまだまだ若い女性。こういった話しは大好きなようで仲人をやってきた娘に詳細を聞くが。娘はその時の高揚感(ハイテンション)で聞き忘れていた事に気付いたらしく母親に今度聞いてみますと約束している。
それからも妻と娘はきゃいきゃいと楽しそうに語りだし、その笑い声を聞き付けてやってきたほかの子供達も混じって話しに花を咲かせる。産屋敷の一族にはない家庭の団欒。その声を耳に顔を綻ばせながら私はあまりこういったことに興味がない息子にとりあえず頼みごとをすることにした。
「蝶屋敷に祝いの品を送ってくれるかな?」
私の頼みを聞い他後、かなたを見て小さく笑いながらそれでは一緒に相談して何を送るか決めておきます。と返事を聞いて、あぁそうだ。と続ける。
「風柱を呼び出してくれるかな?個人的にちょっと話したいことがあるんだ」
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