Fate/kaleid eyes   作:ケリー

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元となった『平和な世界での守護者の投影』を楽しみにしていた方は本当にすいません。個人的に読み返してみると酷いと感じたのと閃いたアイディアを付け足したくなったので勝手ながらリメイクすることにしました。


夢のかけら

夢を見た。

それも初めて見る夢ではなく何度も見たことがある夢。

 

 

とても懐かしい(古い記憶)を見た。

 

 

悲鳴が聞こえる。

どこから?

遠くからだった気もするし、目の前からだったかもしれない。

あるいは両方か?

 

誰の?

赤の他人のだったような、でも身近な人のだったような・・・・

どっちもだったかもしれない。

 

少し靄がかかっていた視界がはっきりしてきた。

あぁそうだ。

この時の悲鳴は目の前にいる女性の声だった。

 

周りに見える炎のように(・・・・・・・・・・)燃えるような赤い髪が特徴的な女性だった。

 

その女性はその場にいたもう一人の黒髪の男性と共に女性と似た、しかしより濃い赤銅に近い色の、髪を持った子供を抱き上げて炎の檻から脱出した。

 

 

女性と男性が焦ったように会話をしている。会話の内容までははっきりと聞こえない(覚えてない)がどこへ避難しようかと相談していたような気がする。

 

周りを見てみるとどこもヒドイ地獄絵図と化していた。

一面に広がる炎

崩れ落ちた建造物

真っ黒に焦げた人だったものたち。

 

炎から発せられる熱気が肌を刺すように痛い

酸素が焼かれ、呼吸も満足してできやしない

呼吸をしようにも熱が喉を焼いて苦しい

鼻で呼吸をしようにも僅かな酸素と共に不快な臭いが一緒に入ってくる。

 

あぁ、なんてヒドイ光景だ。

 

子供が見るようなモノじゃないだろう。

 

そういえば目の前で燃えているこの建造物、見覚えがあると思ったらそうか、俺の家だった(・・・)な。

 

この時の子供()は一体何を考えながら家だったものを見つめていたのか?

 

思い出せない・・・・そもそも何も考えてなかったかもしれない。

急な出来事に頭が真っ白だった可能性のほうが高いだろう。

 

 

しばらく呆然としていると、次の目的地が決まったのかあるいはこの場にいるのが危険と判断したのか男女は子供()を連れて走り出していた。

 

子供()は引っ張られるままに走っていた。この状況についていけずにただされるがままに何も言わずに走っていた。

ふと視線を二人に向けると走りながらも男女は憎々しげに空を睨みつつ文句を言っていた。

空に何かがあるのだろう、つられて子供が目を向ける。

 

 

この時に見えた光景を子供(オレ/俺)は一生忘れることはないだろう。

 

簡潔に言うならばそれは黒い太陽だった。

しかし、それは色々な意味で少年を混乱させるものであった。

色もさることながらこの時は確かに夜であったはずだ。

女性(母親)が『お休み』と言って布団をかけてくれたのを覚えている。

その数時間後にたたき起こされたのだから朝という事は断じてない。

なのに太陽が見えるというのもおかしな話である。

いや、他にもおかしな箇所は色々あるし疑問に思う事も山のようにあるがそもそもの話__

 

 

アレはなんだ?

 

 

あの色はなんだ?

 

 

この炎はなんだ?

 

 

流れ出てくる見ているだけで吐き気がするような黒い泥はなんだ?

 

 

分からない。

 

 

何もかもが分からない。この状況もあの物体もこの惨事も。

分からないことだらけだが、一つだけ分かったことがある。

 

直感で分かった。子供ながらに理解できた

 

 

 

アレの仕業(せい)

 

 

 

アレがこの地獄を作り出したんだ。

アレが家を破壊した。

アレがここら一体を火の海に変えた。

 

アレが悪いんだ。アレこそが元凶だ。

 

あぁ、何故男女(両親)が憎々しげにアレを睨むのかがようやく分かった。二人もアレが原因だと瞬時に理解できたのだろう。

 

一体何故・・・・こんなことになってしまったのだろう。

 

 

_________________________________________________

 

 

 

アレから逃げるように走り続けたが崩れた家や逃げ惑う人たちによってうまく距離を離せないでいた。みんな必死なのだろうなりふり構わず他者を押しのけている。

 

体力も通常より消費が速く苦しさだけが募るばかり。

 

道中も地獄しか映らず見るもの全てが酷いものばかり、精神的にも子供の俺には限界が近かった。

むしろよくもったほうだと思う。

 

そんな子供()の様子に気づいたのだろう。男性(父親)が子供を抱き上げスルスルと身軽な動きで障害物を潜り抜けて走り続ける。母親も置いて行かれることもなく父親の後ろをついて走っている。

 

周りの人たちを置いていくような素早い動きで二人はただ走り続けていたがふと3人の頭上に影が差した。いち早くそれに反応出来たのは父親だけで、彼は俺と母親を前方へと押し飛ばした。

 

何故と思った瞬間飛ばされて宙を飛ぶ俺が見たものはあの忌々しく不快な泥が父親に降り注がれようとしている光景だった。母親もその光景が見えたのか叫ぶように彼の名を呼んでいる。だが間に合わない、量もそうだが焦っていて力の加減が出来なかったのだろう、かなりの距離を飛ばされているし、突き飛ばされた背中が痛い。二人はいまだに着地も出来ていない。奇跡でも起きない限り二人が彼を助ける事は不可能だろう。そもそも子供だった俺に一体何が出来るのか?

 

 

あぁ、駄目だ。

泥が落ちる、彼が飲み込まれる。

世界が遅く見える

 

なんでそんな顔をする、何安心したように笑っている。

何を泣きそうな顔をしている。

 

 

 

やめろやめろやめてくれ。

 

 

 

そんな光景みたくはない。こんなのは夢だ夢に決まっている。

認めないそんな事は許さない。

 

 

だが時間は進む、止まってはくれない。

泥が来る。

彼に降り注ぐ。

気持ち悪い、アレは駄目だ触れてはいけない。そんなもの視たら(・・・)分かる。

このままでは駄目だ。

あぁしかし、俺に何が出来るただミテいることしか出来ない俺に一体なにが出来る。そんな自分が腹立たしい。

 

 

 

 

 

俺は・・・・・

 

 

 

 

 

俺はっ!____

 

 

 

 

 

そんな現実(・・)認めない!!

 

 

 

 

 

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