No1ヒーロー
世界人口の約8割が何らかの特異体質——「個性」を持つ超人社会となった現在、誰もが一度は憧れた「ヒーロー」という職業が脚光を浴びていた。
これは憧れのNo1ヒーロー、オールマイトの真の姿を見てしまったことから始まる、俺が最高のヒーローを目指す物語だ。
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「何かいいオーラのやついねぇかなぁ」
俺の趣味は街歩き。受験を控えた中学生にしては変な趣味だとは思うが、それは俺の個性に由来する。
俺の個性は、オーラ。人や物に流れる気のような物を見たり、操ったりできる個性だ。ただし、他人のオーラは操るのに時間がかかることと、オーラは魂と直結しているようで、使い過ぎると死にかけることが難点だ。実際、個性が発現したての時に瀕死の状態で病院に担ぎ込まれた。
オーラは人によって色や大きさ、雰囲気が違う。だから、人の多い街でいろいろなオーラを見るのはけっこう楽しかったりする。
今日も今日とて学校帰りに適当な街で電車を降りて、スマホ片手に街歩きをしていると——
「ヒーローは何をしてるんだ」
聞こえてきたのはそんな人々の騒ぐ声と爆発音。
「何が起こってるんですか?」
「
「こんな所に……うぉっ!」
野次馬に押されて、俺は意図せずして最前列へと飛び出した。
そこで俺が見たのはベトベトの敵のねちっこいオーラ、抵抗して爆発を繰り返している中学生の攻撃的だがとても大きいオーラ、そしてそこに突っ込んできた中学生のあまりに小さく弱々しいオーラだ。
「無茶だ! あんなオーラで!」
勝てるわけがない。ヒーローでさえ動けないのに。この状況を打破できるのは、トップヒーローくらい。オールマイトくらいの人じゃないと……
「って、オールマイトォォ!!」
目の前に突如現れたのは、押しも押されもしないNo1ヒーロー、平和の象徴オールマイトだった。
「DETROIT SMASH!!」
彼の一撃は敵を吹き飛ばし、天気をも変えた。流石と言うべきか、人並外れたと言うべき力は唯一無二、オールマイトにしかできない芸当だろう。
ん? ちょっと待てよ。さっきオールマイト、
どこから現れた?
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騒動も収まり、人がだんだん掃けていく。俺も現場を離れ、なおもあてもなく歩いていた。すると、遠くの方に見えたのはさっき見た中学生2人のオーラ。
彼らはすぐに別れ、オーラの小さい天然パーマの中学生の方がその場に残っていた。
「ここにいてもしゃあねぇし、今日のところはそろそろ帰りますか」
駅の方に向かって帰ろうとした時、俺は見てしまった。あの巨大なオーラを。オールマイトの姿を。
「オールマイトじゃん! 何でここに……って、さっき敵と戦ってたからか。それより、何かサインもらえるもんないかな……」
リュックサックを漁りノートを取り出して顔を上げると、先程までオールマイトがいた位置には、蒸気を上げて立つ痩せこけた男が立っていた。
「はぁ?」
思わず気の抜けた声が出てしまった。幸いにも彼らの死角にすぐに入ったため、俺の存在は気づかれていないだろう。それよりさっきの男は何だ。誰なんだ。心の中で質問を繰り返す。
だが、俺は気づいてしまっていた。認めたくはないが、オールマイトのオーラとあの男のオーラが本質的に同じだということを。
「マジかよ……。オールマイトが、本当はあんな姿だったとは……」
おそらく、今日のことは一生忘れることはない。小さい頃から憧れた、No1ヒーローの真の姿を。
主人公の名前ですが、次の話で発表します。