試験から一週間後、俺は趣味の街歩きを再開するでもなくただただ自堕落な生活を送っていた。起きたのも昼前。誰もいない家で1人、郵便物を漁っていると出てきたのは雄英から送られてきていた一通の封筒。
「おぉ。雄英から……。この中に合否が書いてあるんだよな……」
とりあえず、父さんが帰ってくる夕方まで待って開けてみよう。
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「雄英から手紙届いたって!?」
「父さん、そんなに慌てなくても結果は変わらないよ」
俺以上に緊張している父さんを傍目に、俺は封筒を開封した。
中から出てきたのは、書類と小さな機械。機械の使い方がわからず、少しいじっていると……
『私が投影された!!』
現れたのはドアップのオールマイトの映像。相変わらず画風が違う気がするが、今更だ。
『いきなりなぜ私なのかって? 実は今年から雄英で勤めることになったんだ。HAHAHAHA!!』
「雄英にオールマイトが!?」
やばい。No1の元で勉強できるなんて思ってもみなかった。最高だ。
『おっと、巻きでという校長の指示だから早速本題だ。まずは筆記試験。これはトップ10に入り込む文句なしの合格点だ! 次に実技試験。君の敵ポイントは54! これに加えて、我々教師陣が見ていたのはヒーローとしての素質、つまりは人助けさ! 君は避難誘導をはじめ、巨大な敵に体を張って立ち向かう勇気を見せた! 君が獲得した審査制の
「しゅ、首席……。俺が……!?」
あまりの衝撃に、合格した喜びが押し寄せるより先に頭が真っ白になった。
「奥弥! やったんだよ、よかったな!」
父さん、嬉しいのはわかったからそれ以上体を揺すらないでくれ。脳震盪になる勢いですよ。
『来いよ!
オールマイトの映像も消え、静かな部屋に戻った。放心状態の俺と、騒ぎ疲れた父さん。外は夕日で空がオレンジ色に染まっていた。
「よかったな、奥弥。雄英受かって」
「うん。明日、母さんにも伝えてくるよ。高校ではオールマイトに教えてもらえるんだって」
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翌日、俺は病院に来ていた。ここの精神科病棟で母さんが入院している。
「母さん、来たよ」
「奥弥……ありがとうね、いつも来てくれて」
母さんの顔はやつれ、痩せ細った体は見ていられないほどだ。しかしそこには、息子の前では元気でいようとする母親の強さがあった。
母さんが入院するきっかけになったのは、小さい頃俺の個性が暴走したせいだ。
個性の制御ができず、自らそして周りをも瀕死の重体にさせてしまった。
俺の個性は母さん譲りのもので、父さんは無個性だった。そのこともあってか、母さんはこの責任を感じてひたすらに自分を責めた。その結果自傷行動に走ったり、精神的に追い込まれて鬱になったりした。
今では俺も個性をコントロールできるようになり、母さんの精神状態も安定してきたが、退院できる日がいつになるかはわからない。
「実はさ、雄英に受かったんだ」
「えっ! よかったじゃない。ヒーローになるの、夢だったんでしょ」
俺が報告すると、剥いてあげたリンゴを落としそうになる程母さんは驚いた。それと同時に、満面の笑みで俺を祝福してくれた。
「そっか。奥弥があの雄英にね……。看護師さんたちにも自慢しなきゃね」
「ほどほどにしておいてくれると助かるよ」
この調子だとすぐに病院中に俺の噂が広まりそうだ。
「まぁ、雄英だったら体育祭とかテレビでも見れるから見ててよ。俺の活躍をさ」
「奥弥の頑張りはいつでも見てるよ」
その後は母さんに家の事を話したり、売店でいろいろと買ってきたりして過ごし、病室を出た。
家族の期待を背負い、より一層気合を入れて高校生活に挑む覚悟ができた。
「ほどほどじゃあダメだよな。全力でやってみますか」
家族。それは俺の原点であり、原動力だ。
俺の中のオーラは静かに燃え上がっていた。
心操君をA組に入れるかどうか
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入れる
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入れない