この物語は、変態ドラゴンとそれに悩まされる宿主の物語である!

※作者は原作を知りません。二次創作とアニメくらいの知識しかないので、不快な方はブラウザバック!

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もしもドライグが乳龍帝だったら

「貴様で最後だ! 赤龍帝!」

「部長……みんな……」

 堕天使幹部コカビエルの宣言に、私は奥歯を噛みしめる。

 駒王学園のグラウンドで、コカビエルと対峙した私たちグレモリー眷属と聖剣使いゼノヴィア。狂ったエクソシストであるフリード・セルゼンが使いこなすエクスカリバーを、木場君が禁手『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』で切り砕き、残るはコカビエルだけとなった状況。そこまではよかった。何も問題がなく、順調と言ってもよかった。

 それが崩れたのは、コカビエルと戦った時だ。

 相手は、仮にも大戦を生き抜いた堕天使幹部。その力は、私たちの予想を遥かに超えて、信じられないほど強大なものだった。

 コカビエルが遊ぶように放った攻撃を誰も防ぐことが出来ず、時間をかけて一人ずつ、まるで私に見せつけるかのように、コカビエルは部長たちを倒していった。

 そして気がつけば、状況は最悪と言ってもいい有り様だった。リアス部長を含めた私以外の眷属は倒れ伏し、ゼノヴィアも同じく倒れている。幸い命に別状はないものの、それでも戦えるような状態じゃない。生徒会のメンバーも結界を維持することに必死で、こちらを助ける余裕はない。

 つまり、残っているのは私一人だけ。そして、コカビエルが普通に戦って勝てる相手じゃないことは、これまでの経験から考えなくても明白だ。

 かく言う私も無傷ではない。倒れていないというだけで、戦えるかどうかはギリギリといった状態だ。

 それに対して、コカビエルは傷一つない。自分の服についた埃を払う余裕すらある始末。

 私か、コカビエルか。どちらが有利なのかは、一目瞭然だ。

 はっきり言って、普通に戦っては勝ち目など微塵も存在しない。

 でも……。

「だからといって……諦めるわけないじゃない!」

「そうだ相棒。最高の赤龍帝の意地を見せてやれ!」

 私の叫びに、ドライグが答える。

 力の差がなんだ。勝ち目がないからどうした。そんな些細な事で、私が諦めるわけがない!

「ドライグ……アレ、やるよ……」

「相棒、本気か? アレをやることに、かなり抵抗していたじゃないか。いや、俺は嬉しいのだが。嬉しいのだが!」

「四の五の言ってられない! さっさと準備して!」

「相棒……承知した!」

 確かにコカビエルは強い。普通に戦って勝てる相手じゃないのは、実際に戦った私が一番よく知っている。

 だったら、普通に戦わなければいい!

 嫌だけど……本当に嫌だけど……手段は選んでいられない。取るべき手段があるのなら、例え死ぬほど嫌でもそれを使うしかない。

「ハァハァ……相棒! ハァハァ……こちらの準備は……ハァハァ……万端だ!」

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBBBBBBBBBBBBBBBBBBB!!』

 赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)に宿ったドライグのテンションが気持ち悪いほどに上がっている。それに伴って、倍化の速度が加速度的に上昇する。

 本来ならば十秒に一度倍化するという赤龍帝の篭手だけど、私に宿ってからその機能は進化した。

 十秒に一度倍化するのは変わらない。でも、ドライグのテンションに応じて倍化の速度が早くなるというように進化したのだ。

 あまり使い勝手はよくない。でも、ごく一部の状況において、その機能は真価を発揮する。

 私は制服の胸元を掴むと、徐々に力を込めた。恥ずかしいけれど仕方がない。コカビエルに勝つためには、これは必要な行動だ。

 覚悟は一瞬。行動も一瞬。覚悟を決めて、私は制服の胸元を一気に引きちぎった。

 赤龍帝の篭手の機能が真価を発揮する時。そう、それは……。

「キタアアアアアアアアアアアァァァァァァァ! まったく、相棒のおっぱいは最高だぜ!」

『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB!!』

 私が胸をさらけ出す時!

 

 ……死にたい。

 

「なんだ? 錯乱したのか?」

 コカビエルの呆れたような声が心に突き刺さる。

 恥ずかしさやら情けなさやらで死にたくなっている私を他所に、ドライグのテンションは鰻登りだ。それにともなって赤龍帝の篭手も倍化の速度を上昇させ続け、既に私の耳には赤龍帝の篭手から聞こえてくる音がまったくわからない。まるでノイズのようだ。

 ああ、それにしても恥ずかしい。何で私は敵の前で上半身をさらけ出さないといけないんだろう。恥ずかしすぎて、顔が熱い。たぶん、私の顔はゆでダコもびっくりするほど赤いに違いない。穴があったら入りたい。穴がなくても掘って入りたい。

 そうだ、死のう……。これが終わったら今度こそ死のう……。死んで、この変態から解放されて楽になろう……。

 そう、死とは全てからの解放だから。悩みも、苦しみも、痛みも、悲しみも。人をあらゆる苦しみから解放する最後の希望が、死による無への回帰なのだから。

「ドライグ。譲渡」

「ヒャッハアアアアアアァァァァァァ! おっぱいに倍化だああああああああああああ!」

『Transfer!』

 何度目かの悟りを開いた私はドライグに頼み、ドライグはそれを快く了承する。

 それは、私の胸への倍化。そしてこれは、私が持つ究極の技の準備作業。

 ドライグ曰く「究極のおっぱい」であるらしい私の胸は、何故か倍化との相性が抜群だ。何千倍、何万倍の倍化を行おうとも、全く底が見える気配がない。

 だったら、私の胸に魔力を集めて、それを倍化したらどうなるだろう?

「ドライグ。発射」

「おっぱいビイイイイイイイイイイィィィィィィィム! ファイアアアアアアアアアァァァァァァァァ!」

 その結果が、これである。

 魔王すら凌ぐ純粋魔力による馬鹿げたサイズと威力の砲撃。駒王学園を覆う結界を壊さないためにこれでもだいぶ抑えているけれど、その気になれば大陸を滅ぼす一撃を撃つことも可能だ。もちろん、そんなことをする気はないけれど。

 私の胸から放たれた砲撃がコカビエルを襲う。障壁を展開したようだけど、そんなものは私の砲撃の前では紙切れと同じだ。

 砲撃と障壁が衝突した瞬間、パリンというガラスが割れるのと似たような音が響く。障壁が割れた音だ。コカビエルが離脱する暇を与えず、砲撃はコカビエルを蹂躙する。

 殺すような威力ではない。精々半殺しといったところだ。殺しても問題ないかもしれないけれど、それが原因で堕天使勢力と戦争が起こるのはリアス部長の望むところではないはずだ。

 そして、あっという間に数秒が過ぎた。コカビエルからすれば、永遠にも感じられるほど長い数秒だっただろう。

 砲撃が通り過ぎ、ゴミクズのようになったコカビエルが地に落ちる。無事な所は一切ない。ご自慢だった翼も、全て失っている有り様だ。

 何はともあれ、これで解決。後はコカビエルを捕縛して、リアス部長に報告すれば全て終わりだ。

 とりあえずリアス部長を起こそう。私がリアス部長を起こすために振り向こうとした時、それに気がついた。

 高速で飛来する何か。視認すら難しい速度で飛んでくるそれが向かっているのは、明らかにこの駒王学園だった。

 迎撃は出来ない。速すぎて、砲撃で捉えるのは難しいからだ。

 何度も鋭角的な軌道を繰り返し、私に的を絞らせない。そして、一瞬止まったかと思うと、一気に急降下してきた。

 墜落。暴力的な音が響き渡り、小さな砂や石が私の全身を叩く。隕石が降ってきたと言われてもおかしくないだろう。

 落ちてきたそれの狙いは、私ではなかった。それの狙いは――コカビエルだ。

「素晴らしい一撃だ! 惚れなおしたぞ!」

「うるさい。キモい」

 墜落の衝撃で舞い上がっていた砂埃が晴れるのと同時に、そんな声が聞こえてくる。聞こえてくる声は二つ。内容からすると、それほど仲はよくないのだろうか。

 墜落時にぶつかった際のダメージなのか、九割殺しといった状態のコカビエルを物理的に尻に敷いて座っている誰か。私はそれを見て、目を離せなくなった。

 そこにいたのは、美しい銀髪を持つ中性的な容姿の少女だった。一見少年にも見えるけれど、小柄ながらも存在する胸部の膨らみが、彼女が女性だと主張している。

 女である私から見ても、ハッとするほどの美貌を持つ少女だった。普段だったら、その容姿に呑まれていたかもしれない。でも、今回ばかりはそうならなかった。彼女の容姿以上に、目を引くものがあったからだ。

 それは、彼女の瞳だ。

 まるで奈落のような瞳だった。全てを飲み込む混沌のような、底知れない輝きを秘めている瞳だった。

 私は、彼女の瞳から目を離せなかった。何故なら、私はそれを知っているからだ。彼女と同じ瞳を持つ者を、私は一人だけ知っていた。

「久しぶりだな、赤いの。胸なんぞを求めている愚か者め」

「久しぶりだな、白いの。尻なんぞを求めている愚か者め」

 刺々しい口調で言い争う二匹の駄ドラゴンを無視して、私と彼女は視線を合わせる。

 言葉は必要なかった。お互い見るだけで、私たちは全てを理解することが出来た。

 彼女と同じ瞳を持つ者。それは、他ならぬ私自身だ。

「私は兵藤一瀬(ひょうどういちせ)。ドライグが言うには、最高の赤龍帝」

「ボクはヴァーリ。アルビオンが言うには、最高の白龍皇」

 私は彼女だ。彼女は私だ。私と彼女は仲間で、同士で、友人で、一心同体だ。

 何も言わずに、お互いに強く抱きしめ合う。言葉はいらない。ただ、私と彼女の存在さえあればよかった。

「ドライグと出会ってから、生きてみようなんて思ったのは始めて」

「アルビオンと出会ってから、生きてみようなんて思ったのは始めて」

 私たちは、ひたすら抱きしめ慰めあった。涙を拭うこともしないで、お互いの苦労と苦悩を打ち明けて、心を癒やしあった。

 こうして、私は出会ったのだ。最高の親友に。永遠のライバルに。そして、唯一の同士に。

 これが、私の親友である白龍皇『ヴァーリ・ルシファー』との始めての出会いだった。

 ちなみに、コカビエルはヴァーリが回収していった。足を掴んで逆さ吊りになりながら運ばれていくコカビエルを見て、私は少しだけ同情した。

 それと、私とヴァーリが抱き合いながら慰め合っている光景を見たらしい部長たちの温かい視線が、とても心に痛かった。




●どうでもいい設定一覧

兵藤一瀬:最高の赤龍帝(胸的な意味で)。またの名をかわいそうな赤龍帝。必殺技はおっぱいビーム。変態ドラゴン被害者1号。

ヴァーリ・ルシファー:最高の白龍皇(尻的な意味で)。またの名をかわいそうな白龍皇。必殺技はヒップアタック。変態ドラゴン被害者2号。
 
ドライグ:赤龍帝。またの名を乳龍帝。おっぱい大好きな残念なドラゴンその1。尻派のアルビオンとはいつも喧嘩している。

アルビオン:白龍皇。またの名をケツ龍皇。お尻大好きな残念なドラゴンその2。乳派のドライグとはいつも喧嘩している。

グレートレッド:夢幻龍。全ての夢を受け入れているため、全ての性癖を受け入れる。

オーフィス:無限龍。変態ばかりなドラゴンから解放されて静寂を得たい。

リアス・グレモリー:おっぱい

姫島朱乃:おっぱい

塔城小猫:いつかもぐ

木場何とかさん:空気

ギャス何とかさん:空気

ゼノヴィア:脳筋

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