ハイスクール・フリート〜空の覇者〜 作:たはまらたはまさまたらた
車がこの保安隊の為に用意された敷地に入っていく。元々陸軍こ訓練所だったらしいが使わなくなったのを整備したそうだ。
ここで日本海上保安隊の保安官となる者全員の顔を見られるのだ。さて今は雑に集まっただけだが上が言うには義務教育以外にもある程度そちらの教育も施しその中から選抜したそうだ。バスの中で着替えたのか制服を着ている。
建物は煉瓦造りのなかなかしっかりした建物。校庭の壇上にたち鋭く笛を吹いて整列と叫んだ。どうやら上の話しはホントだったらしい。ある程度バラツキはあるが素早く綺麗な整列をした。続いて右向け右の後行進。なかなか綺麗な行進だった。
次に階級ごとに並ばせる。
保査長以下はセーラー服に水兵帽。日本海上保安隊の金文字が入ったペンネントをつけている。
3等保安士補以上は白の詰め襟の制服。帽子も水兵帽ではない。
最後に敬礼をさせて1800にホールに来ることを伝え解散にした。あちらで部屋割などは決めいた模様ですぐに既に上官が指示を出す構図が出来上がっていた。恐らく私がやることはメンタル強化等の訓練だろう。
1800
「これより火器使用講習を行います。明日テストを行うので合格して下さい。でなければ弾の一発も撃てずに死にます。質問は?」
「谷風保安監、我々は既に乙種火器使用免許を持っています。それなのにな」
パンッ!銃声が響き遅れて薬莢が床に落ち静まったホールにカランッと音が響く。
わざと外して撃った為頬を掠めたくらいだろう。
「氏名、所属、階級を言え」
「下薗 五月、日本海上保安隊所属、3等保安士です」
「では下薗3等保安士。私の言葉をもう一度思い出してみろ。質問は?とは聞いたが口答えを許したつもりはないぞ。それにいつ私が乙種火器使用免許の講習といった?それに私が君たちに求めているのは甲種火器使用免許だ。乙種では長距離攻撃手段は扱えない。分かったか!後で原稿用紙5枚分の反省文と腕立て50回!サボったら射殺。いいな。返事は!」
下薗は半泣き状態で返事した。
「わがりまじだー、もうじまぜんからー、じゅうじまっでぐださい」
「さてでは続ける。まず甲種火器使用免許とは…………」
しばらく後
「では私は校舎の教官室にいる。わからない所がある者は来るように。下薗3等保安士は出頭すること。以上、解散」
因みにあの後下薗 五月は誰よりも真面目に聞いていた。罰を軽くするわけではないが昇進の機会があったら推薦することに決めた。
教官室でタバコを吸っていると失礼しますと言う声と共に下薗3等保安士と地村1等保安正だった。
「どうした地村1等保安正。質問か?」
「いえ、一応私は下薗3等保安士の所属班の班長です。しっかりと責任取ります。一緒に罰を受けます」
「宜しい、ではとっとと終わらせよう。それから私もやる」
「ほら、顎だけつけろ!休むな、更に疲れるぞ。ほら地村はもう終わりそうだぞ!」
「後3 2 1。終わりだ、よく頑張ったな」
「ありがとうございます、ほら下薗ちゃんも挨拶して」
「しなくても良い、疲れてるだろ。アイスでも食べるか?」
「良いんですか?」
「構わん、ただ余り言いふらすなよ。私の食べる分が無くなる。ほれっ」
二人共上手くキャッチする。
「ハーゲンダッツじゃないですか。陸軍入ってた時は上海とか重慶行かないと買えなくてある意味高級品でしたよ」
「班長って陸軍入ってたんですか?」
「軍人と言うより医官だったけどね。でもゲリラ化人民解放軍や国民軍は病院も襲ってくるから結構戦った方だと思うよ」
「凄いです。私は元々武装集団のまぁ小隊長的な事やってたんですけど最後の方なんて兵糧攻め状態で餓えて苦しんでる子達をせめて楽に殺してあげるくらいしか出来なくて。その癖上から早くアガリ持ってこいだの、酷かった」と言ってまた涙目になり始めた。
「二人共中々大変な経歴だよな。まぁこれからはそんなことは無いから安心しろ。君達の乗るずいかくは最新鋭艦艇、そう簡単には沈まないよ」
「そう言えば教官は何処から?」
「これまた難しい質問だな。敢えて言うなら海上安全委員会かな。実践経験はあるから安心しろ。さてそろそろ消灯だろうから戻るように。明日は休みだし好きに過ごすといい、後明日は私がいないと伝えてくれ。それから全員に明日給料支給されるはずだから受けとってね」
「了解しました。アイスありがとうございます」
「はい、おやすみなさい」
二人が出てった後ため息をつく。やはり表情を作るのは疲れるものだ。
煙草を灰皿に押し付けて火を消しゴミ箱に入れ軍服の上着を羽織る。外に行くと既にレクサスが止まっていた。乗り込むと滑るように走り出す。ここから宗谷家までは30分くらい掛かるためパソコンを開いて書類仕事を片付けていく。
弾薬や銃の申請にとある特殊な教材の手配等結構たくさんあるのだ。
また滑るように止まって宗谷家に到着し車から降りる。家の門をくぐり扉を開けて入ると真霜さんがやってきて夕食ができる旨を伝えてくれた。
「今日は和食にしてみたんだけどお口に合うかしら?」
「そんな、ありがとうございます。食事まで用意して頂いて」
「気にしないで、この超豪華和食フルコースみたいになってるのはお母さんが張り切りすぎたせいだし」
「そうだぜ色葉、もうこの家に住んでるんだ気にすんなよ」
「あの、色葉さん?いや色葉お姉さん?まぁいいや。後でわからない所があるので聞いていいですか?」
「こういう時ってどう答えればいいんですか?全然勉強教えるのは構わないんですけど答え方が」
「良いよとかでいいんじゃないかしら?歳も近いんだし」
「まっ、いいですよ。でも何処で勉強するんです?人の部屋に入るわけにも行きませんし」
「色葉〜、お前の部屋でいいんじゃね?」
と、真冬さん
「うちのましろが懐くことなんてあんまり無いし色葉ちゃんの部屋で良いんじゃない」
と真雪さん
「それは私も思うわねぇー」
と、真霜さん極めつけはましろ本人が希望。
味方は、いなかった。もう一度言おう、いなかった。
「じゃあそれでいいです」
因みに夕食はとても美味しかった。
色葉の部屋
「凄い殺風景ですね。色葉さんの部屋って」
「まぁ借りてるだけってのもあるけどそんなに私物ないしね」
確かに殺風景と言えば殺風景だろう。机と椅子、ベッドにパソコンが一台、本棚に本と近くにある鍵のかかる棚にはサーベルと拳銃が入れてある。あとあるのは電気式の湯沸かし器くらいか、確かに殺風景だ。
「それで聞きたいところって?」
「ここなんですけど」
「あぁ、二次関数か。めんどくさいよね。この場合は」
「所で時間大丈夫なの?もう2400だけど」
「えっ、もうそんな時間なんですか?」
「言おうかなと思ったけど集中してたみたいだから」
「すみません、こんな遅くまで」
「私は大丈夫だよ。紅茶飲む?」
「頂きます」
私はかなり紅茶に凝っている。この世界に来る前のとき撃沈されたイギリス海軍の船を助けたときその船の艦長が紅茶を入れてくれたのだがとても美味しくて入れ方を習ったのだ。今回の茶葉はダージリンのファーストフラッシュ、所謂一番摘みだ。新鮮で若々しい香味がある。結構高い。
ポットやカップをお湯で温めてポットに茶葉を入れる、続いてお湯を入れしばらく蒸らすと出来上がり。カップに最後の一滴まで注ぐ。
マカロンを取り出して皿に載せて出す。
「どうぞ、召し上がれ」
「ありがとう色葉お姉さん。本当に美味しい」
「それは結構。でも飲みすぎないようにね。寝る前だし寝れなくなるよ」
「うん、ごちそうさま。でも私初めて色葉さんの笑顔が見れた気がする」
「えっ?!」
「色葉さんいっつも口とか表情とかは穏やかでも目だけ笑ってないし」
「不覚だったなぁ。まぁそう言わないでよ」
「すみません、変なこと言って。勉強見てくれてありがとうございます。紅茶、ごちそうさまでした」
「また、わからない所があったら聞きに来ていいよ。おやすみ、ましろちゃん」
こうして宗谷家の夜は過ぎていった。
誤字脱字、感想等お待ちしています。
人を殺させるなら誰?
-
宗谷ましろ
-
岬明乃
-
知名もえか
-
西崎芽依
-
立石志摩