◆U究極相撲O◆スモトリニンジャでイくVRニンジャスレイヤーRPG 実況プレイ   作:酢酢酢豆腐

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ニンジャスレイヤーRPGのプラグインが更新されていたので初投稿です


#2

重金属酸性雨避けのドームの中、サイケデリックな照明、血と酒精の臭い、メン・タイ巻きタバコやよく分からない粗悪なドラッグの煙が充満する空間に巨大な檻めいた構造物が存在する。

 

檻の周囲には観客席があり、青少年の何かに確実に悪影響な扇情的衣装を身に纏ったマイコ売り子が飲食物やZBRドリンクなどを売り歩いている。

 

ここはツチノコ・ストリートでもっとも大きく、そして血生臭い(そしてデカイ金が動く)殺人オスモウ・コロシアムだ。殺人オスモウショー以外にもバイオスモトリや危険バイオ生物を複数人で倒すショー等も開催されており、ツチノコ住民がコロシアムと言えば大体ここを指す。なお、何らかのマネーの流れが有るのかネオサイタマ市警もこのコロシアムには臨検や摘発などの手出しは一切してこない。

 

ホリ・モタロにとってこのコロシアムは生活費を稼ぐ場であり、かつ、トレーニングの成果を実践する場でもあった。汚い血にまみれた汚いマネーであろうと価値に貴賤はない。若いモタロ一人が食っていくには十分すぎるファイトマネーが出るのだ。残った金は貯蓄して肉体のサイバネ置換に使っても良いし、より高額な人工筋肉等のバイオサイバネを導入しても良い。何より両親の仇を討つ為には力と情報が必要だった。

 

彼は元来体格と膂力に恵まれ、高校オスモウインタハイ優勝の経歴を持っていた。そのまま順調にいけばリキシ・スモトリ間違いなしとも言われた。だが、マッポーの世はそのような栄達も穏やかな生活も許しはしなかった。高校卒業の年の春、彼は全てを失った。オスモウ・ドージョーから戻ると両親は殺害され口に豚足を詰め込まれた状態で血の海に倒れていたのだ。

 

父もマッポであったにも関わらず、ネオサイタマ市警は何故か捜査に消極的であり、それは父が悪名高き49課所属のマッポだったからかもしれないしネオサイタマの暗黒社会の圧力によるものだったからかもしれない。どのみちモタロにはなんの情報も与えられなかった。そして公式には未だに犯人の手掛かりさえ見つかっていない。

 

ただあの日見た鋼鉄の星、証拠品として押収される前にモタロが拾い上げたが、時間経過で重金属の粉末へと戻ったあのスリケンこそがモタロの両親を殺害した犯人がどのような存在かを示している。

 

 

 

ニンジャだ。

 

ニンジャは実在する。

 

そしてモタロ達が生きる世界の裏側で暗躍しているのだ。

 

そして罪無き一般市民を雑草でも刈るように殺すのだ。

 

両親を殺害したニンジャを殺害せねばならぬ。

 

何としてでも殺害せねばならぬのだ。

 

両親を惨たらしく殺害したニンジャ殺すべし。

 

 

 

殺意のスイッチが入り、ドロリとした眼で対戦相手を見る。有りがちなチャンコ072ドープ済み肉体に、有りがちな片腕サイバネ置換スモトリ崩れだ。一撃を加えると既に幾つかの試合をこなしているモタロ自身の経歴について何か言ってきたが気にもならなかった。

 

この掃き溜めで闇カネモチやヤクザ、闇医者やカネモチ子弟のジョック大学生、悪趣味なカチグミサラリマンら相手に殺戮ショーで金を稼いでいる以上は上も下もない。生きるか死ぬか、どちらのエゴが強いかだ。

 

「ドッソイ!」「グワーッ!」

 

誰もが褒めたぶちかましからのテッポウ!俺にはこれしかない!サイバネ義手の一撃を警戒して直ぐに距離を取る。相手のスモトリ崩れは顔を真っ赤にしてサイバネ義手によるピストンパンチを繰り出してくる。避ける。ひたすらに避ける。

 

「ドッソイ!」「グワーッ!」「ドッソイ!」「グワーッ!」「ドッソイ!」「グワーッ!」

 

そして満身にカラテを込めたぶちかまし。そして相手がふらついた隙に連続でテッポウを叩き込む。顎、人中、耳を狙った一撃は重サイバネ者相手でもない限りは通用する。掌底で捻りを加えながら突き抜ける。スモトリ崩れの耳や鼻から派手に血が吹き出し、観客が沸き立つ。

 

「ワオオオオーッ!」「そこだ!モタロ=サン!殺せーッ!」「ガキ相手に何やってんだコラーッ!」「意地見せんかい!」「ワシはもっと血が見たい!」「ワオワオーッ!」「どちらでも良いから惨たらしく死ねーッ!」「モタロ=サンの苦痛に歪む顔が見たい!」「アタシいま体温何度あるのかなーッ!」

 

口々に好き勝手なことを叫び、かぶりつきの様相を呈する観客たち。そこにきて時間経過で投下されるアチーブメントウェポンがリング内に降りてきたことで観客の興奮は最高潮に達する!何たるマッポー的光景か!ここに集った獣たちは皆、男女の別も無く血に酔っているのだ!ナムアミダブツ!

 

「ワオワオーッ!」「殺せ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」「コ・ロ・セ!」

 

モタロはバックステップついでに、アチーブメントウェポンであるスパイク付きの鋼鉄グンバイを掴み取ると攻撃的なカラテ演武を行う。ファンサービスを行うことでオヒネリが増えるためだ。

 

スモトリ崩れは出血とテッコの自重によってトレーニング不足の身体が振り回され、グロッキー気味なもののオーソドックスなオスモウの構えを取った。モタロも迎え撃つように左手をテッポウの形で、右手でスパイクドグンバイを握りしめて前傾突撃姿勢をとる。突撃、コンマゼロゼロ秒の世界に一瞬突入したモタロを観客が視認したときには既にグンバイが振り抜かれ、スモトリ崩れの頸骨は明らかに粉砕されていた。

 

 

「ワオオオオーッ!」「ワオオオオーッ!」「ワオオオオーッ!」「ワオオオオーッ!」「アタシいま体温何度あるのかなーッ!」「モタロ=サンの苦痛に歪む顔が見たかったのになーッ!」「ザッケンナコラーッ!」「いいぞーッ!」「ナイスキル!」「ヨッ!セキトリ!」

 

爆発する歓声、飛び交うザブトンとオヒネリ。血に酔った観客がひたすらに叫び、闇カネモチが売り子の尻を揉む。賭けに負けたとおぼしきヤクザやチンピラが怒声を発し、兄弟のように一様に同じ見た目をした警備員達に制圧される。試合が終わったのでサケやおでん、ポップコーンやスシを買い求めに観客達がコンコースに出ていく。

 

拾い集められたオヒネリと今日のファイトマネーから取り分を受取り、出待ちや闇討ちを避けるためある程度の時間をおいてから家路につく。着流しの上に厚手のオスモウウエスタンポンチョのフードを目深に被り、観客に紛れて外に出る。

 

適当な裏路地を進んでいくと正面に人影があった。

 

「ドーモ、モタロ=サン。デンジャラスナイフです!今日の試合も観てたぜぇ!サイバネ野郎相手に見事なもんだ!ずいぶん鍛えてるんだなぁ!」

 

ヤッカイ・オタクか?それとも対戦相手の関係者か、賭けで損をしたヤクザだろうか?IRCネームのようなものを名乗ったところをみると、テクノ・ギャングだろうか?何にせよチャカガンなどを使われれば、消耗している今は厳しい戦いになるだろう。

 

「ドーモ、賭けに負けたってんなら自己責任だよ。今度からは俺に賭けな」

 

目の前の男はあからさまに危険なアトモスフィアをかもし出しながら大振りのナイフを舐め、嘲笑った。

 

「今度ォ?今度なんてものはないんだよなぁ。実際オレはお前のファン重点だぜ。お前の出る試合は毎回観てきた。俺はお前の一番のファンと言ってもいいだろうなぁ。でももう我慢できないんだ!オレはお前みたいないかにも鍛えてるんだって奴を拷問して殺すのが好きなんだ!いいだろぉ~?」

 

あからさまに発狂マニアックなのである!

 

「異常者め!ドッソイ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

 

弄ぶようにモタロを切り刻み、致命の一撃を与えない!オスモウ耐久力の限界も近い!ブッダよ!寝ているのですか!

 

「ちょっと飽きてきたし終いにするか!イヤーッ!」「アババババーッ!?」

 

両親と同じように血の海に沈んだモタロの意識は暗転した。どこか遠いところに呼び寄せられるような感覚と視界の端に写った赤黒の影が最期の記憶だった。

 

「イヤーッ!」「アバーッ!?」

 

モタロが倒れるのとほぼ同時に赤黒の影がデンジャラスナイフにカラテパンチを加える!一体この闖入者は何者なのか!

 

「推しているものをいたぶるのがファンとは片腹痛し。オヌシはただの異常者に過ぎぬ」

 

「何だテメェは!」

 

「ドーモ、ニンジャスレイヤーです!」

 

アイサツは絶対の礼儀、古事記にもそうある。そしてアイサツされれば返さねばならぬ!

 

「ド、ドーモ、デンジャラスナイフです」

 

「イヤーッ!」「アバーッ!?」「イヤーッ!」「アバーッ!?」「イヤーッ!」「アバーッ!?」「イヤーッ!」「アバーッ!?」「イヤーッ!」「アバーッ!?」

 

アイサツ直後、ニンジャスレイヤーの情け容赦ないカラテ!デンジャラスナイフの顔面はもはや二目と見れない有り様だ!

 

「・・・サヨナラ!」

 

デンジャラスナイフは爆発四散!ニンジャスレイヤーはモタロの遺体を一瞥すると手を合わせ、ネオサイタマの夜闇へと去っていった。

 

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モタロは夢を見ていた。鋼めいた筋肉のスモトリニンジャがオバケを退治している光景、神殿や城郭の土台を祝福する神聖スモトリ戦士団、漆黒の力石を担ぎ上げ山に上る荒行を行う偉大なスモトリニンジャ、偉大なる開祖の死、対立する高弟たち、スモトリの本義を忘れてチャンコで肉体を大きくし戦いばかりにかまけるスモトリニンジャたち。

 

汝カラテを鍛え、鋼の如き肉体へ錬磨するべし。

 

汝地水火風の精霊とコネクトし、フーリンカザンするべし。

 

汝真のオスモウに至るべし。

 

さすれば我は汝、汝は我。今からオヌシはニンジャだ。

 

「俺が・・・ニンジャ?」

 

左様。その力、上手く使え。

 

その言葉を最後に声は遠くなり、モタロ自身の意識が浮上する。

目を覚ますとデンジャラスナイフはおらず、ネオサイタマのドクロめいた月がインガオホーと告げていた。

 

そしてモタロは新たな名前を得た。ニンジャの、名前を。

 

フォースストーン。力ある石。あの夢で見た漆黒の力石のような頑強さを目指すことを誓うとモタロは家路を急いだ。

 

 

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