閑話1 昼食with八百万
「隣、いいかしら」
「夜蜘さん!どうぞ!」
「そんな喜ぶことかしら?」
「ええ!夜蜘さんが隣に来てくれたのですから!」
「あなたねぇ……大げさよ。いただきます」
「しかし、珍しいですわね」
「何が?私が焦凍といないこと?」
「それは……ええ」
「あのね、私だって別行動することくらいあるわよ。まるで私が焦凍といつもべったりみたいじゃない」
「え?」
「え?」
「……。」
「も、もしかして付き合っていない……」
「………………そうよ」
「それであの距離……す、すごいですわ」
「何よ。距離感おかしいって言いたいのかしら」
「いえ!そんな事は!」
「なら何よ。八百万だって仲の良い友達とはあれ位の距離感でしょ?」
「ええと、その……既にお付き合いなさっているのかと」
「ばっ……いえ。そうね、本当は……なんでもないわ」
「なんですのその間は」
「気にしないで。そういう時があるのよ」
「そうなんですの」
「そうよ」
「……。」
「…………これが恋バナって奴なのかしらね」
「恋バナ……恋バナ……!これが噂に聞いた恋バナですのね!」
「びっくりした……そんなに喜ぶ?」
「まるで学生らしいではないですか!」
「だって私達は女子高生よ?ただ、私だけが不利益被るのは許せないわ。八百万の恋バナ聞かせなさいな」
「わ、わ、わたくしのですか!?」
「そうよ。人に言わせるくらいなら、あるんでしょう
「そ、それは……その……」
「言わないなんて、許さないわよ」
「わ、わたくし……その……お恥ずかしながら……そういった経験が無く……」
「まぁ、そうでしょうね。見るからにお嬢様だもの。なら、こういう人を彼氏や旦那にしたいって言うのは?」
「……ええと、優しくて……一緒にいて楽しいと思えて……それでいて……」
「ストップ。アナタの理想像聞いてたら、何かこっちも小っ恥ずかしくなってきたわ」
「え!?」
「あー、もう。本当に顔が熱くなってきた」
「そんなにおかしかったでしょうか……」
「初心で、純情で、どこまでもお嬢様だったわ。これは私はアナタ程透き通っていないって事がわかったわ」
「良いことなのでしょうか」
「良いことよ。確証は無いけれど」
「あら、もうこんな時間ですわ」
「本当ね。お喋りしすぎたかしら、急ぐわよ」
「食堂の閉まる時間もありますからね」
「「ごちそうさまでした」」
「何だか楽しいお昼でしたわ、ありがとうございます」
「こちらこそ。普段は喋らないし、いい機会だったわ」
「ふふ、夜蜘さんってお優しいのですね」
「何よ。私が見かけ冷徹みたいな言い草ね」
「いえ!そんな事はありませんわ。ただ、こうして長くお話することも無かったので……」
「……そうね。他の奴とも話すことないからかしら」
「でしたら、今後こうしてお話をしてみてはいかがですか?」
「それもいいわね。クラスメイトなんだから、交流しておいて損はないもの」
「はい!ふふ、級友としても友人としても、よろしくお願いしますわ」
「こちらこそ、だわ」