ログホラX東方   作:ランキ

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第1話

 エルダーテイル・・・20年以上もなお、続けている老舗オンラインゲーム。その世界は〈ハーフガイア・プロジェクト〉と呼ばれる計画に沿って1/2サイズの地球再現を目指す広大なもので、そのゲーム設定やモンスターやダンジョンなどの要素は世界中に多くのプレイヤーを魅了し続けた。

 そして、12番目の拡張パック〈ノウアスフィアの開墾〉はレベル上限が100まで上がるなどの超大型アップデートで世界中のプレイヤーはそれを心待ちにしていた。だがそれが、すべてが「現実」に変わるとは思いもよらなかった。

 

 

 肌をなぞる風。湿った空気。周りには朽ちた建物と生い茂る植物。画面の向こうで見慣れた風景が、今、目の前に存在している。

 

「えっと・・・・??? ここは何処?」

 

 確か、私は〈ノウアスフィアの開墾〉が来るのをパソコンの前で待っていたはずなんだけど、なんで、朽ちた建物と生い茂る植物の場所にいるのかな?

 というか、この風景、何処で見たことあるな~と思ったら、ここ【エルダーテイル】の風景だと気づいたのは1分も掛からなかった。

 

 「マジかよ・・・てっ、私【魔理沙】になってるじゃん」

 

 自分の格好を見ると魔女帽子を被った金髪金目で片方おさげのロングヘアーで白いブラウスと黒いサロペットスカートのような服に、スカート部分に白のエプロンを着けた少女になっている。完全に私のアバターである【魔理沙】になっている。

 

 なんで、こんなことになっているのか解らない。辺りを見ると、周りには私と同じような人が沢山いた。呆然とする者、悲鳴を上げる者、周りに当たる者、喧嘩をする者などどう見ても、パニック状態に陥っている人が多くいる。それを見たら、私も落ち着かないといけないなと思った。

 

 とりあえず、ここがゲームの世界だと言うなら、メニュー画面が開けるはずだと思い、メニュー出ろと念じてみるとゲームのメニュー画面が出てきた。アイテム、装備品、キャラレベル、特技、フレンドリストなどがあり、ログアウトやGMコールもあったが押してみても反応なし。これからどうしようかと考えていたら、フレンドリストを見て、ギルドメンバーと連絡できるではないかと思い、一番の腐れ縁のに念話をしてみた。しばらくすると、そいつに繋がった。

 

「よう【霊夢】今、暇か?」

「暇じゃないわよ!今、アキバにいるギルドメンバーを収集するのに忙しいから、あんたも、さっさとアキバ支部(・・・・・)のギルドハウスに来なさい」

 

 プッツンと切られると少し、イラッと来たが霊夢の言う通りさっさとギルドハウスに向かった方がいいと思い、急いで向かった。道中、さっきと同じような人が多く、見てられないなーと思いながら、ギルドハウスがあるギルド会館に着いた。

 ギルドハウスと言っても倉庫や情報交換、集合場所として使っているので仮のギルドハウスだ。本拠地はアキバの外(・・・・・)にある。支部に着くと10人くらいの女性がギルドハウスにいた。

 

 ここにいるのは全員、私と同じギルドメンバーで全員がレベル90のプレイヤーで、身に纏っている装備どれもこれも強力な装備だ。みんな、改めて見ると強そうだな~と思っていたら、黒髪茶色目で髪を大きなリボンで縛っており、袖が無く、肩・腋の露出した赤い巫女服を着たヤンキー風の神祇官が声を掛けてきた。

 

「なに、ボケっーとしているの魔理沙。この非常事態でついに馬鹿になったの」

「うるせー霊夢。相変わらず、口が悪いな。だから、周囲から〈暴君巫女〉って呼ばれるんだぜ」

「なっ…あんただって、〈超火力馬鹿〉とか〈小心な魔砲少女〉って呼ばれているんじゃない」

「うるせー!そのあだ名を出すんじゃねーよ」

 

 こいつは【霊夢】レベル90で種族は人間 職業は〈神祇官〉サブ職業〈符術師〉のプレイヤーでヤマトサーバーでは大規模戦闘(レイド)で活躍する凄腕の神祇官だ。とっ言っても、口の悪さと横暴な性格の為に周囲から〈暴君巫女〉と呼ばれている。まぁ、根はいい奴なんだがな。

 

「二人共、喧嘩はやめなさい。とりあえず、全員集まったことだし情報をまとめましょう」

 

 そう言って来るのはここのギルドハウスの管理をしている〈召喚術師〉の【幽々子】着物を着たピンク髪のミディアムヘアーで胸凄くデカい女性で主な戦闘スタイルが〈動く骸骨〉などのアンデット系モンスターを使う為〈冥府の女主人〉〈亡霊姫〉と呼ばれる。

 

 幽々子がデカいテーブルがある大部屋に向かうとギルドハウスに居た全員が椅子に座り、情報を交換しあった。どうやら、アキバを含めたプレイヤータウン全て起きているそうで、どこも混乱状態、落ち着いてきた者は所属していたギルドに集合しているそうだ。

 あと、アキバの街などのフィールドやダンジョンが売りに出されてたり、都市間トランスポートゲートが使えなくなったり、全ての料理アイテムが味のしないふやけた煎餅みたいな味になってしまうことがあり、特に後者は幽々子が唇を噛み、血の涙を流しそうになりながら、話していた。

 

 幽々子の気持ちもよくわかる。リアルでは、人生にゲームと食べることに全てを費やしたきた女だ。実際、食べてみたけど凄く気持ちが分かってしまった。それは私だけではなく、ここにいる全員思ったらしく一瞬でお通夜状態になってしまった。

 そういえば、聞いていなかったことがあった。

 

「そういえば、他の奴らはどうしたんだ? 他のプレイヤータウンに居るのか?」

 

 そう。ここには私たち以外のギルドメンバーがいない。主にギルマスやサブマス、あと、マッドな生産職たちなどがいない。その質問をすると幽々子がため息を吐いて、疲れた顔で私の質問に答える。

 

「うちのギルド〈幻想郷〉のギルメン全員がこの世界にいるわ。ここ以外のメンバーは全員、本拠地の〈アサクサ〉にいるわよ」

 

『なっ?!!』

 

 幽々子の口から出た言葉にみんな驚きを隠せない。私たちのギルド〈幻想郷〉は総勢50名くらいの少数精鋭の女性限定のギルドで大規模戦闘では〈黒剣騎士団〉と並ぶ戦闘系ギルドだ。

 その本拠地であるギルドハウスは〈アサクサ〉と呼ばれるNPCの村のはずれの広大なゾーンにある。そこには、ギルドメンバーが好き勝手に建てた建築物があり、うちらはギルドの名に因んで〈幻想郷〉と呼んでいる。

 

「ちょっと待ってくれ。なんで他の奴らが〈アサクサ〉に居るんだよ?」

「知らないわ。念話したら、他のメンバーみんな本拠地に居て、今、あっちも忙しいから、話かけないでくれてっ言われたわよ」

 

 幽々子はそう答えると座ってたギルメンの一人が手を挙げる。

 

「そういえば、元の〈D.D.D.〉櫛八玉から、シブヤ近くのテンプルサイドの街にいるそうだぜ。他にも低レベルプレイヤーが多数いるだとよ」

 

 そういってくるのは、金髪ロングで赤目の体操服みたいな服を着ている女性だ。彼女は〈武闘家〉の【星熊勇儀】結構、豪快な性格で『姐さん』みたいな存在だ。

 そんな情報が勇儀の口から出ると他のみんなから『なるほど』と頷く。似たようなことが他でも起きているなら、こっちでも起きているのかと納得できる。

 

 「そんなわけどうする? あっちも大変だけど、むしろこっちの方が大変よ」

 

 幽々子がそんなことを言うとみんなもどうしようかと考える。本拠地の〈アサクサ〉はアキバの外にある。つまりは、モンスターがいるフィールドに出なければならないと言うことだ。私たちは戦闘系ギルドだから戦闘には自信がある。だけど、今は違う。ゲームと違って、画面の中での戦闘が現実で行われるのだ。どんな風にやればいいのか、わからない。  

 加えて、死んだら大神殿で復活できる保証がないと混乱の影響でアキバ周辺にPKが大発生する可能性がある為、どうしようかと全員で会議した結果、アキバ周辺の低レベルゾーンで戦闘訓練を行い、復活の保証が出来たら、高レベルモンスターと戦ってみる。

 PKに関してはなるべく、遭遇しない事。遭遇したら戦闘しながら、退避と言う形を取ることにした

 

 というわけで、夜にアキバの外のフィールド〈書庫搭の林〉に来た。この世界での初戦闘のため6人フルパーティーを構成した。

 パーティーメンバーは

 〈守護戦士〉幻月

 〈施療神官〉夢月

 〈武闘家〉星熊勇儀

 〈暗殺者〉ヤマメ

 〈妖術師〉魔理沙

 〈神祇官〉霊夢

 

 の以下のメンバーで行くことになったのだが,正直、不安である

 

「モンスター、全然襲ってきませんわね」

「お姉さま。レベル差がありますから」

 

 黒漆の大槌を持つ金髪の少女が不満を漏らすとメイド服を着て、白銀の大斧を持った同じ顔の少女がその不満を宥める。大槌を持つのが幻月。大斧を持つのが夢月。リアルの双子姉妹でゲームでは〈最凶最悪の姉妹〉と呼ばれる程の戦闘狂である。

 

「まあ、落ち着け。焦って死んだら元も子もないからな」

「勇儀の言う通り。やるんなら、確実に一撃で殺すのが一番」

「いや、そう言ってる訳じゃないからな。ヤマメ」

 

 物騒な事を言っている少女の名【ヤマメ】サブ職業〈毒使い〉で毒と急所狙いのスタイルで戦う〈暗殺者〉でPvP戦では上位入りしたほどの腕前を持つ。

 

「〈アンカーハフル〉を使えば来ますかしら?」

「いいアイデアですわ。お姉さま」

「ちょ、やめなさい。使うならせめて、障壁貼ってからにして」

「霊夢の言う通りだぜ。うちだって、まだ心の準備ができてないぜ」

 

 幻月が挑発系特技〈アンカーハフル〉を使おうとするのを、魔理沙と霊夢がそれを止めようとする。

 そんな光景を見ていた勇儀がふと、思ったことを口に出す。

 

「あのさ、ふと思ったことがあるんだが」

「なんだ?」

「なんなの?」

 

 勇儀が少し戸惑い見せながら、それを言う。

 

「敵を見ながら、メニュー画面開いて、コマンド入力しながら戦闘するって、ムリがあるんじゃないか」

 

『・・・・・・・・・』

 

 勇儀のその言葉に5人とも無言になる。同時に同じ答えを口にする。

 

『無理』

 

 

 




ステータス

名前:魔理沙
レベル:90
種族:ハーフアルヴ
メイン職業:妖術師
サブ職業:魔女

アイテム:1〈星夜の魔女帽子〉
夜と星の研究をしてた魔女が長年、愛用し続けた幻想級アイテム
攻撃魔法の詠唱時間短縮や消費MP減少などの効果を持つ。
効果は高いがサブ職業〈魔女〉がカンストしてないと装備できない

アイテム:2〈ほうき星の写し杖〉
夜と星の研究の末に生まれた幻想級アイテム
性能も高いが膨大な魔力を込めれば、ほうき星を呼ぶと言われる
夜間にほうきに乗ると空を飛べる能力を持つ

アイテム:3〈魔法の缶詰〉
使い捨ての制作級アイテム。
魔法を込めれば、ノーリスクで魔法を放つ事ができる
ただし、威力は半分になると制作する際、それなりに貴重な素材を大量に必要とする
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