あと、ステータスは今度からできるだけ、二人以上にします。
大災害から六日目。〈書庫塔の林〉の夜から6日経ち、アキバの街は6日経っても立ち直れないプレイヤーが道の脇にたくさんいる。
そんなプレイヤーは全員、絶望という顔をしており、中には衛兵掛かる違反行為をして、断罪された者や違反行為に掛からない、いざこざや喧嘩などをしてる者もいる。
今日もアキバの街の空気は最悪である。だけど、そんな人たちばかりではなく、ギルドに所属している者は自分のギルドに集まり、更にギルドの勢力を伸ばそうとギルドの勧誘合戦を始まり、特に高レベル、レベル90やそれに近いプレイヤーは勧誘が激しく、最終的に大手ギルドと中小ギルドとの力関係がアキバの街に出来上がって来るようになった。
だがそれだけではない。プレイヤーが死んでも、大神殿で復活出来ると証明された。これはアキバの街に大きい影響を与えた。死んでも元の世界に戻れないことに嘆く者や復活出来ると安心した者など多い。
特に戦闘系ギルドはその情報を聞くとすぐにフィールドの外に出て、戦闘を始めている。アキバの代表的な6つの戦闘系ギルドも同じだ。
〈D.D.D.〉〈ホネスティ〉はミニマップが使えなくなった影響によりアキバの周囲のフィールドの探索を、〈黒剣騎士団〉〈シルバーソード〉は〈ノウアスフィアの開墾〉によるレベル上限解放により、レベル91を目指し始めたようで、あとの〈西風の旅団〉はシブヤの街で戦闘訓練をしているんだそうだ。そして、我らが〈幻想郷(アキバ在留組)〉はと言うと、
「グオォォォォ!!!」
「チッ、右に〈
「了解です。雷鼓、頼みます〈武士の挑戦〉」
「任せて。〈のろまなカタツムリのバラッド〉」
白いジャケットを着た女性が雷を纏ったドラムを打ち鳴らす。すると挑発を受けた〈
「いまです。〈ソーンバインド・ホステージ〉」
遅くなった〈
「〈キーンエッジ〉」
「〈火車の太刀〉」
〈武士の挑戦〉を使った白色の髪をボブカットの少女が長刀と短刀の二刀流で〈
直ぐに泡に変わり、ドロップアイテムや金貨に変わる。こちらの戦闘が終わるとあちらの戦闘に加わろうとするが、あちらの戦闘も既に終わっていた。
「お疲れ。よく〈
「いえ、やはり、特技を使いこなせてません。使いこなすまで結構、掛かりますね」
「まぁ、そうだよな。私なんか、〈シャドウレスキック〉で〈ロック鳥〉の羽根の関節を折ることしかできないよ」
「あなたに言われたくありません。十分使いこなしているんじゃないですか」
現在〈幻想郷(アキバ在留組)〉はアキバ近隣の高レベルフィールド〈シンジュク御苑の森〉で戦闘訓練をしている。
一日目の夜の戦闘から一晩経ってから、アキバに残ったメンバーに口による特技発動など戦闘方法などを伝え、残ったメンバー含めた残留組、全12名。ハーフレイド単位での戦闘訓練を始めることにした。
朝は味のしない朝ご飯を食べて、グロッキーになりながら、アキバの外に出て、戦闘訓練をして、アキバに戻る。これを今日も入れて、6日間繰り返し、過ごした。
最初は、〈書庫搭の林〉のような低レベルフィールドでモンスターを相手をしていたのだが、皆、大災害の鬱憤を晴らすためか結構、攻撃的になっており、低レベルモンスターじゃ鬱憤が晴れないのか、日が過ぎるごとにどんどん、高レベルのモンスターを相手をするようになり、最終的にパーティーランクのレベル80以上のモンスターがたくさんいる〈シンジュク御苑の森〉で戦闘訓練するようになった。
〈シンジュク御苑の森〉には、さっきの〈
「とりあえず、疲れたから休憩しましょう。もう疲れました」
「それもそうだな。おーい、一旦、休憩に入るから〈シンジュク御苑の森〉から出るぞ」
妖夢の要望に勇儀も賛同し、全員が動きだす。パーティーランクの高レベルモンスターが徘徊している〈シンジュク御苑の森〉で休憩するのは流石にヤバいので隣のフィールドまで移動する。
今回のハーフレイドパーティーは第1パーティーを主軸にして、第2パーティーは第1の援護と追加モンスターの足止めなどをする事になっている。ちなみにメンバーは
第1パーティー
〈守護戦士〉幻月
〈暗殺者〉ヤマメ
〈武闘家〉星熊勇儀
〈妖術師〉魔理沙
〈神祇官〉霊夢
〈施療神官〉夢月
第2パーティー
〈武士〉魂魄妖夢
〈付与術師〉宇佐レンコ
〈吟遊詩人〉雷鼓
〈召喚術師〉幽々子
〈暗殺者〉オノヅカ・小町
〈森呪遣い〉風見幽香
合計12人でここまで誰も死なずに戦ってきた。と言っても、まだ戦闘に慣れしてない人もいるため、そこら辺が難しい課題でもある。
〈シンジュク御苑の森〉から出ると見晴らしの廃墟ビルを見つけたので、その中で休憩することにした。
「しかし、やっぱ疲れるわな。ゲームじゃ感じなかった緊張感があって恐いわ」
「そりゃあ、そうでしょう。一日目の〈
「いや、〈緑小鬼〉でもモンスターは怖いから!!」
「そうだよ。というか、なんであんたら平気なのさ?」
「右に同じくです。霊夢、魔理沙」
そう、ツッコムのは〈付与術師〉の宇佐レンコ〈吟遊詩人〉の雷鼓〈武士〉の魂魄妖夢の3人だ。第2パーティーは昨日の夜の戦闘に参加していないため、緊張感は半端ないだろう。
「そう言ってるけど、あなたたちだって、ノリノリで戦ってたんじゃないの」
「そうだぜ。思わず、ちょっと引くような眼をしてたぞ。おめえら」
「しょうがないわよ。大災害のことでみんな、鬱憤が溜まっていたんだから」
霊夢たちが反論していると幽々子がなだめようとする。大災害以降のアキバの街は空気は、まるで、お通夜だ。
そんなお通夜みたいな状態は恐らくだが、結構、長く続くと思うと幽々子が言っていた。そんな空気に当てられれば、鬱憤も溜まるはずだ。
「まぁ、気持ちは解らない訳でもないけどさ」
「確かにあの空気に長時間いる、なんて無理だわ」
そう言うのは〈暗殺者〉オノヅカ・小町〈森呪遣い〉風見幽香の二人だ。それもそうだ。流石にアキバの街に長時間の滞在はキツイ。ここにいるメンバーもそれなりにストレスを感じている。ならどうするか。簡単だ。
他のギルドメンバーとの合流することだ。
「ねぇ、そろそろ〈アサクサ〉に向かおうと思うんだけど。どうする?」
『??!!!』
幽々子から出た言葉はみんな驚くが、全員がその言葉に納得する。
「確かに幽々子の言う通りね。今のアキバははっきり言って、居心地が悪いわ」
幽香がそう言うとみんなもそう頷く。
「それでいつアキバから出るの? 明日? それとも明後日?」
「そうね。準備も入れて・・・明日の早朝くらいにアキバから出たい所かしら?」
霊夢の質問に幽々子がそう答える。アサクサはアキバの近くにある為、アキバからアサクサまで現実では最短ルートで歩いて、46分。この世界じゃ半分の23分で着く。
早朝に、12人全員で移動しても、急増しているPKも、流石に襲ってくる可能性は低いと幽々子は考えている。その考えを伝えると全員から了解を得る。
と言う訳で全員で〈
魔理沙サイド
「マーケット、碌なもん残ってないな。おーい霊夢。なんかあるか?」
「駄目ね。幻想級の素材、高位ポーションもないわ。残っているのは、そこらの店売りアイテムくらいよ」
「あと、食材の素材アイテムもないぞ。味がするって知った途端に全部、無くなったらしいぞ」
魔理沙、霊夢、勇儀の3人組はマーケットを見ている。アキバの街から出ていくなら、マーケットでなんか買っとくか、と言う話になり、マーケットを見ているとなんもなかった。いや、品物はあると言えばあるがほとんど、低レベルの物ばかり。
マーケットにいた〈第八商店街〉のギルメンがいたので捕まえて、話を聞いてみると高位ポーションなどの高位アイテムは、大手ギルドが買い占めを行ったせいで在庫が空。食材の素材アイテムも同じ理由だそうだ。
売っていても相場の倍の価格で売られているのでぼったくりもいい所だ。幽々子に一応、念話で連絡をすると〈海洋機構〉・〈ロデリック商会〉・〈第八商店街〉に事前に取り置きをお願いしたそうで、食材アイテム以外はそれなりの量を適正価格で購入できたそうだ。
念話を切ると三人組は用が済んだマーケットを出て、ギルドハウスに戻るために歩く。道を歩くと相変わらず、ふさぎ込んでる奴が多く、道の真ん中を歩く私たちを見ると目を逸らすか、警戒する目で私たちを見るかの2種類しかない。
大災害以降のアキバはいつもこんな風景ばかりである。そんな風景を見ている私たちや他のメンバーも嫌な気分になる。こんな嫌な空気をなんとかできるんだろうか?
アキバにいる冒険者は全員分かっているはずだ。早く、何とかしなければ、アキバは終わると全員わかっている。
でも、誰がやる? 方法は? そもそも成功するのか? 失敗したらどうする? 普通の人間は優先的に物事の先峰に立ちたくないもの。失敗する事を恐れるからだ。そういうのは勇者とか英雄とか呼ばれる奴らだけ。だから、分かっていても誰もやらない。だから、何も変わらないのだ
そんなことを考えていると一瞬、目に入った光景から知り合い二人を見つけた。白いマント服を着て、眼鏡をした切れ長の三白眼という目つきをしている魔術師風の青年とがっしりとした体格で背中に大楯と剣を背負い、鎧を着たタフそうな青年。霊夢も勇儀の二人も気づいて、うちら、3人はその二人に近づいて、声を掛ける。
「よう。久しぶりだな、腹ぐろ、おパンツ」
「この前のフルレイド以来ね。腹ぐろ眼鏡」
「シロエ、直継、久しぶりだな」
3人が挨拶すると二人は最初は驚く顔をするが直ぐに返事を返す。
「お久し振りです。魔理沙さん、霊夢さん、勇儀さん」
「げっ、〈超火力〉〈暴君〉〈怪力乱神〉」
『おパンツてめぇ、しばくぞコラ』魔理沙はそう心の中で吐き、他の二人も同じことを思ったそうで、
「おパンツ。ちょっとPvPの訓練しましょう」
「おっ、いいね。私も男の顔面を一発、殴ってみたかっただよな」
「うちも全力の魔法を〈守護戦士〉にぶつけるとどうなるか実験してみたかっただよな。これ」
「すいませんでした。マジで許してください」
失礼なことを言ったおパンツはすぐに頭を下げる。私たちがおパンツと呼んでるのは【直継】腹ぐろと呼んでるのは【シロエ】二人共、私達〈幻想郷〉と張り合っていた〈
二人がここにいると言うことはやっぱり、大災害に巻き込まれたんだなと三人はそう思い、霊夢がどこか落ち着いた所で情報交換しないか話してみる。
「頭を挙げなさい。おパンツはおパンツのままなんだから。とりあえず、シロエ。ここじゃなんだから、どこか落ち着いた所で話さない?」
「えぇ、いいですけど今、ちょっと、パーティーメンバーの一人を待っているんですけどいいですか」
「別にいいわ。魔理沙、勇儀いいよな」
「いいんだぜ」
「いいよ」
「ちょっと待て。なんか俺、スルーされた気がするんだけど」
直継のツッコミもスルーして、そこら辺の瓦礫に座ろうとすると小さなポニーテールの少女がこちらに向かってくる。
あの子がシロエの言っていたパーティーメンバーだろうとそう思うと少女は真っ先にシロエの方に向かう。
「主君。頼まれた物を買ってきたのだがそこの人達は?」
んっ? 主君? なんで、この少女はシロエのことを『主君』と呼んでいるんだ? まさかそういうプレイなのか? 3人はそう思って、聞いてみるとどうやらこの少女【アカツキ】は大災害で困っていた所をシロエに救われて、その恩を返すためにシロエたちのパーティーに加わり、助けてくれたシロエを主君と呼ぶ様になったそうだ。
でも、なぜ主君?と言うとゲーム時代の時は忍者のロールプレイをしていたそうでそう言っているそうだ。
「アカツキさん。この人たちはギルド〈幻想郷〉のメンバーの魔理沙さん、霊夢さん、星熊勇儀さんだよ」
「なっ・・・・・?!! 〈幻想郷〉だと」
アカツキが私たちのギルドの名前を聞くと驚愕した顔になる。まぁ、私達のギルドはヤマトサーバー有数のギルドだからな。そんなギルドのメンバーが目の前にいるなら誰もが驚くわ。
「なんだ、ちっみこ。魔理沙たちの事、知ってるのかよ」
「知らないわけないだろう。バカ継。〈幻想郷〉と言えば、女性プレイヤーだけ結成された大手戦闘系ギルドで〈黒剣騎士団〉や〈ホネスティ〉並ぶほどの戦闘系ギルドだ。しかも、メンバーはほぼ、全員、二つ名付き。有名なのが、〈最凶最悪の夢幻姉妹〉〈戦楽の三姉妹〉〈暴君巫女〉〈スキマの妖怪〉〈人形姫〉〈絶命の死神〉などと言った所か。あと、海外サーバーでの遠征を優先的にやり、〈中国サーバー・プレイヤー都市占領戦〉〈日本人プレイヤー初めての北米の
「お、おう」
アカツキの突然の早口説明に直継がちょっと引くように答える。
「えっと・・・・アカツキさんは幻想郷のことよく知っているね」
「当然だ、主君。昔、私もかの、戦闘系ギルドの事をよく調べたからな」
シロエもアカツキの説明に少し、呆然となる。魔理沙たちも少し恥ずかしそうにしながらも、とりあえずシロエたちを連れて、近くの個室のある酒場で情報交換することにした。
酒場に着き、個室を借りるとさっそく、シロエたちと情報交換する。と言ってもシロエが持っている情報は私たちが知っている物で得られる情報はなかった。シロエ達のパーティーもフィールドでの戦闘訓練を積んでいるそうで、レベル40前後のモンスターを相手にしてるだそうだ。安全マージンと言うやつだ。
私達が〈シンジュク御苑の森〉で戦闘訓練していると言うとすごく驚かれた。それから、私達がアキバの街から出ていくことを話したら、
「あのさ、シロエ。私達さ、明日、アキバの街から出ていくだけどさ」
「え、そうなんですか」
「あぁ、本拠地の〈アサクサ〉でこの世界の生活基盤を立てていくつもり」
「そうですか・・・・・」
シロエが少し残念そうに答える。そんなシロエたちを見て、私達はシロエたちに質問する。
「なぁ、シロエ。今のアキバはお前から見て、どう思うだぜ」
「・・・・・正直言って、みんなやることがないんです」
「やることがないね・・・・」
やることがない。それは生きていると言う実感がないからだ。
確かにこの世界はすごい。死んでも生き返ることやゲームの中で使えた魔法や特技も使える、身体能力も倍以上もある。低レベルのモンスターを倒せば生きていけるお金も稼げる。それで生きていける。大多数がそれが何だと言う話だ。ゲームじゃ感じなかった現実での戦闘、味のしない料理、大切な人と会えないさみしさ、漫画もインターネットなどの娯楽もないこの世界で自分は生きているのかわからなくなる。だから、全員、道の片隅でうずくまったり、PKに走ったりするのだ。
何か、この状況がひっくり返すことがあるだろうか・・・・・・
そう思いながら、私達はシロエ達と別れて、明日の準備のために、ギルドハウスに帰った。
ステータス
名前:幻月
レベル:90
種族:ヒューマン
メイン職業:守護戦士
サブ職業:狂戦士
アイテム;1〈暴食暗黒巨鯨の頭骨槌〉
〈深く食らう海底鉱山〉のレイドボス〈暴食暗黒巨鯨〉からドロップ出来る大槌。
海底にある鉱石が含まれた骨の中で一番の強度を持つ頭骨から作られており、耐久性は最強クラスとも言われる。更に〈鮮血の魔人斧〉に次ぐHP吸収能力を持つ。
アイテム;2〈黒鋼樹の丸盾〉
黒鋼樹と呼ばれる樹皮を重ねて作られた丸盾。
頑丈性と軽量性を持ち、両手武器持ちでも腕に付けられるとして人気がある。
幻月からすれば、盾の特技を使うための武器として使っている。
アイテム:3〈凶獣の血濡れ腕輪〉
凶獣の血から作られる腕輪。
回復能力上昇や攻撃特技の再使用規制時間の短縮の効果を持つ。
狂戦士のサブ職業が持てば、更に性能が上がる。
ステータス
名前:夢月
レベル:90
種族:ヒューマン
メイン職業:施療神官
サブ職業:メイド
アイテム;1〈神侍女の奉仕神鎧〉
全サーバーにいるサブ職業:メイドの世界一を決める大会で戦闘部門を優勝したことでもらえる幻想級のメイド服型の重装鎧
高い物理防御性能と主人と設定したプレイヤーが近くにいると戦闘能力が上昇する特殊能力を持つ
アイテム;2〈聖戦女の白銀斧〉
西欧サーバーの高難易度クエストで手に入る幻想級の大斧
回復魔法の効果増大や再使用規制時間の短縮などの回復魔法全般で高い強化性能を誇る。
更に攻撃をすれば、ランダムで少量のMP吸収能力を持つ。
アイテム;3〈主従の指輪(従者)〉
主従の指輪(従者)はサブ職業:メイド専用の指輪
この指輪は(主人)と(従者)の二つの指輪で一つのアイテムで片方、紛失してしまうと効果が無くなる。
指輪の効果は(主人)の指輪を装備している者の消費MPを(従者)の指輪をしている者が微量で肩代わりする。