Infinite Stratos Easy Day 作:キングオブ不死身さん
ベルギー トライデントセキュリティー社 ブリュッセル支社 警備部
現代において革新的なサービス業が生まれた。
それはいつでもどこでも必要な地域に対して軍事サービスを提供する会社である。
一般的にはPMCと呼ばれているが警備任務も兼任する場合はPMSCと呼称する。
その一つである「トライデントセキュリティー社」。それは世界でも有数のPMSC(民間軍事警備会社)である。
「ブラッククォーター」社、「マーティネズセキュリティー」社に並ぶ軍事会社として有名で、数多くの紛争地帯への人員派遣業務や、要人警備、軍隊との演習への参加といったさまざまな業務をこなしている。特に警備部は米特殊作戦軍との契約により、軍では不可能な特殊作戦の任務をこなす部署でもある。また、警備部のほかには、指揮管制センターや、航空作戦部、陸上作戦部、海上作戦部――そして、警備部のエリート中のエリートが、警備部特殊作戦課IS配備部隊「IS・SOU」である。警備部の指揮センターに入っていく一人の少年。彼はアフガニスタンでの武装勢力掃討作戦を終え、たった今支社に帰還してきたのである。特徴的なプラチナブロンドの髪をなびかせて、地下の上級将校が使用する士官室に足を踏み入れた。
そこは、調度品と言えるものはほとんど無く、いくつかのコンピューターや中空モニターが並んでいるだけの部屋である。
そのモニター群を抜け、部屋の一番奥にある。古めかしい椅子へ足を向けた。
「帰ってきたか、ヒルト姫。」
「いい加減その名前で呼ぶなよ・・・女みたいだって。」
くるり、と座席を銀髪の青年に向ける。
「そうか?クリームヒルトよりはマシだと思うがね」
椅子に座っている青年将校は彼と同じく銀髪である。
ただ、その髪が背中まで伸びている事と、蛇のような瞳が異なる点である。
「マシっていわれてもさ・・・ったく」
彼の悪態をかき消すような音で、デスクに何かの書類が叩きつけられた。
「ところで、お前に話がある。というより命令DA☆」
叩き付けた書類を今度は乱暴に見せ付けた。
「お前にな、IS学園に入ってもらう事になったんだよ。」
その書類は日本のIS学園からの入学依頼であり、はっきりとクリームヒルト・ローゼンシュタインとフルネームできっちりと一文字も間違えることなく自分の名前が書かれていた。
「ファッ!?」
え、何、IS学園?入学? 何を言ってるんだこいつ・・・?相手にしないほうが――いや、始末するしかない・・・!
「ああ、そうだ。お前に5月付けで入学してもらう。任務内容については追って連絡するから今は黙って入学していれば何の問題も無い」
どうやら自分の知らない所で話が進んでいたことに、クリームヒルトは言葉が出ない。いや、もはや驚愕を通り越し、呆れてものが言えないといったところだろうか。
「IS学園って言えば・・・女子しかいないよな。うん。当然だよな」
「当たり前田のクラッカーだ。そんなことも知らんでこの世界を16年も生きてきたのかこのボンクラが」
確認すると共に、激しく人見知りな彼にとってはそこが最悪の環境であることを悟らせる。
そもそも彼にとっては女子という生物自体が大嫌いなのである。
「だが安心しろ。入るのは3週間も先だ。その前にニカラグアのサンディニスタ民族解放戦線の連中が前にも増して勢いづいてやがる。やっとコロンビアを潰したら今度はニカだ。
忌々しい。向こうの現地工作員と共同で叩き潰しに行ってくれ」
ジークフリードが苦々しく手にしたタバコを灰皿へと放り投げた。