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竜たちをテーブルに案内し終えたマキは自分の部屋で学校の制服から喫茶店の制服に着替えていた。
学校の制服を脱ぐ際にマキの体の一部が大きく揺れるが、悲しいことにそれを目撃するものは誰もいなかった。
まぁ、それを見たら見たで“DEAD BY DAYLIGHT”のドクターのショック治療を受けたレベルの発狂をするものもいたりするのだが。
「・・・・・・よし。さてと、まずはお父さんに竜くんが働いてもいいか聞かないと」
喫茶店の制服に着替え終わったマキは自分の部屋から出て父親のいる喫茶店のキッチンへと向かう。
キッチンにマキが着くと、父親が少しだけ忙しそうにケーキを用意していた。
父親の用意しているケーキの数がどう考えても多く、マキは少しだけ驚きつつ父親に近づいた。
「ただいま。お父さん」
「ああ、おかえり。マキ」
マキの言葉に父親は嬉しそうに笑顔で答える。
父親の用意しているケーキを不思議そうに見ながらマキは父親の近くに移動した。
「なんだかたくさんケーキを用意しているけど、そんなにお客さんが来てるの?」
「いや、これはマキの連れてきた後輩の子が1人で注文したらしいんだ」
「あー・・・・・・」
マキは大量に用意されているケーキを見て首をかしげつつ尋ねる。
マキの言葉に父親は苦笑しながら大量に用意されたケーキの理由を話した。
苦笑する父親の顔を見ながら、誰がケーキを頼んだのかを理解したマキはポリポリと頬を掻くのだった。
「あかりちゃんなら、仕方ないかぁ・・・・・・」
「悪いけどマキも運ぶのを手伝ってくれるかい?」
「もっちろんだよ!」
頭の中でモグモグと口を動かすあかりの姿を思い浮かべながらマキは呟く。
そして父親に言われて用意されたケーキを竜たちの座っているテーブルへと持っていくのだった。
◇ ◇ ◇
────フォークを刺す
────刺されたケーキが浮かび上がる
────ケーキが消える
まるで手品でも見ているかのような光景に竜たちは思わず飲み物を飲むことすら忘れてしまっていた。
そんな竜たちの視線を受けている主、紲星あかりは幸せそうにケーキを食べていた。
すでに空になった皿は10枚。
本当に味わっているのかと聞いてしまいたくなるほどの食べっぷりだった。
「ぅんまぁ~い!とっても美味しいですね!」
「ああ・・・・・・、まぁ、嬉しそうでなによりだよ・・・・・・」
「どうしましょう。見てるだけなのに胸焼けが・・・・・・」
「これ、カロリーにしたらどんくらいなんや・・・・・・?」
「ちょっとボクは考えたくないかなぁ・・・・・・」
マキとマキの母親によって運ばれてくるケーキもすでに15皿目がテーブルに置かれている。
すさまじいペースで食べていくあかりの姿に喫茶店の中にいるほとんどの客が驚きの表情であかりを見ている。
そして、それを目の前で見せられていた竜たちは食べてもいないのに胸焼けのような感覚に襲われるのだった。
「ん~・・・・・・、これだけ美味しいのですから追加で頼んじゃいましょうかねぇ」
「まだ食えるんか?!」
余裕綽々といった様子のあかりに茜は思わずツッコミをいれる。
これだけの量のケーキを食べたのにまだ食べられると言うあかりの言葉に竜たちは少しだけ疲れた表情を浮かべ始めていた。
「そうですね、まだまだ食べられますよ」
「これだけ食べてまだ食べられるんですね・・・・・・」
茜の言葉にあかりは嬉しそうにフォークを揺らしながら答える。
もはやあかりが満腹になることなどないのではないか、そんな風にすらゆかりは思い始めていた。
「あ~・・・・・・、この時間にそんなに食べて大丈夫なのか?」
「私的には大丈夫ですけど・・・・・・。そうですね、家の料理人にも悪いのでこの辺りで止めておくことにします」
あまりにも大量に食べるあかりに竜は思わず尋ねる。
放課後ということもあり家に帰ってしばらくすれば晩御飯の時間になるのはほぼ間違いはないだろう。
それなのに今こんなに食べて大丈夫なのか。
竜の言葉にあかりは少しだけ考えると、フォークを置いて追加で注文することをやめる。
まぁ、それでもサンドイッチとパフェがまだあるのだが・・・・・・
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ