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竜の家の向かいの家があかりの家だと判明し、茜とゆかりは思いきりあかりに詰め寄る。
3人のそんな様子を竜と葵は少しだけ離れた位置で見ていた。
「デカい家だとは思っていたが、紲星グループの家なら納得だわな。葵はどうして気づいたんだ?」
「えっと、工事のときにかかってる幕があるでしょ?あれに紲星グループのマークが描いてあったからもしかしたらって思ってたんだ」
工事をしているときにも思っていたことだが、あらためて竜はあかりの家を見渡して呟く。
一般家庭にはまず建てることが難しいと分かるほどの大きさの家だが、それも紲星グループの家だと分かってしまえばむしろ普通なようにも感じてしまう。
一通りあかりの家を見渡した竜は葵に尋ねる。
竜の言葉に葵は竜の家の向かいの家があかりの家だと気づいた理由を話した。
「もしかしたら建築会社が紲星グループなだけなのかとも思ったけど家の大きさ的に、ね?」
「ああ、たしかに」
葵の言葉に納得したのか、竜はしきりに頷いた。
いつの間にか3人の会話が終わったようであかりは家の中へと入っていった。
「終わったか。んじゃ、行くぞー!」
「ヤッデッヤデデデ、カーンッ!」
「いや、お姉ちゃん。急にボケられても困るんだけど・・・・・・」
「たまに動画とかで見ますけど元ネタはなんなんでしょうね?」
竜の言葉に合わせて茜が効果音のようなものを言う。
茜の言った効果音に葵は呆れた表情を浮かべ、ゆかりは茜の言った効果音の元ネタがなんなのかを考え始めた。
ちなみに茜の言った効果音の元ネタは『ロマンシングサガ ミンストレルソング』に登場する『カール・アウグスト・ナイトハルト』というキャラクターのテーマ曲であり、他にも『コレガワカラナイ』や『体に触るぞ』などの名言もあったりする。
そしていつものように竜は茜、葵、ゆかりの3人を送るために一緒に“清花荘”へと向かうのだった。
「モンハンもある程度やってるとやることがなくなってくるんだよなぁ・・・・・・」
「せやねぇ、メイン武器を各属性揃えたらあとはモンスターを適当に狩るくらいやもんな」
「ボクもお姉ちゃんも武器は作り終わってるし、最近はマム・タロトかムフェト・ジーヴァくらいしかやらないから倒し方もワンパターンになっちゃうしね」
「属性武器なら煌金、攻撃力重視なら覚醒武器ですからね。生産するにしても防具くらいでしょうけど、だいたいはムフェト一式かカイザーとブラキの複合ですから代わり映えもしませんし」
歩きながら最近のモンハンについての話を竜たちはする。
基本的に、竜たちは全員がマスターランク100に到達しており、葵はともかくとして竜たちはほとんどのモンスターを狩っているのだ。
なお、
「まぁ、本当にやり込んでる人なら導きの地とか珠集めとかをやるんだろうけどな」
「うちらはそこまでやり込む派でもないしなぁ」
「使いたい武器を作ってそれで戦えれば充分ですもんね」
竜たちのプレイは楽しめればオッケーというエンジョイ勢のやり方なので、やり込んで最高の武器や防具、装飾品などを揃えている人たちに比べればはるかに装備としては不十分である。
まぁ、それはあくまでやり込んでいる人と比べてなので、普通の人からしたら充分すぎる装備なのだが。
「そういや、近々新しいモンスターが追加だったか?」
「そういえばそんなのあったね。追加されたらボクたちも狩りにいく?」
「防具や武器も気になりますし。良いんじゃないですか?」
「どんなデザインの装備がくるのか楽しみやなぁ」
モンハンに新しく追加されるモンスターに思いを馳せながら竜たちは帰路につくのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ