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放課後。
今日はバイトもなく、茜たちと一緒に帰ろうかと考えていた竜だったが、茜たちはなにか用があるようで竜は1人で帰ることになっていた。
茜たちがいなくてもあかりなら一緒に帰れるのではないかと思うかもしれないが、あかりは教室にやって来たと同時に茜たちに捕まって一緒にどこかに行ってしまったので一緒に帰っていないのだ。
とくにどこかに寄るような用事もないため、竜は帰ったらなにをしようかと考えながら歩いている。
「久々にモンハンをやるとして、なにを狩るかなぁ・・・・・・」
何度も言っているようだが竜はほとんどの武器や防具の作りたいと思ったものを作り終える程度にはモンハンをやっており、残りの作りたいものにしても集めるのがめんどくさい素材ばかりなので気まぐれにやるには向かないのだ。
また、適当なモンスターを狩るにしても武器や防具を作る過程でだいたいのモンスターを狩ってしまっているので1人で狩るとなると新鮮味も感じられない。
そんな理由から、竜はモンハンをやるときは基本的には茜たちとマイクを繋げて会話をしながらプレイしていた。
そして、竜は何事もなく家に着いた。
「・・・・・・んぁ?“
プレイステーション4を起動した竜はフレンドの1人がモンハンをやっていることに気がついた。
そして少しだけ考えるとフレンド欄からセッションに参加するを選んで同じ集会所へと移動し、集会エリアに移動するのだった。
“KIRIKIRI”のいる集会所の集会エリアに移動した竜はプレイステーションボタンを押してメインメニューに戻り、パーティーを作成して“KIRIKIRI”を招待した。
これによって竜と“KIRIKIRI”はマイクで会話をすることが可能になる。
竜がマイクとヘッドフォンを準備していると“KIRIKIRI”がパーティーに参加したという通知が届いた。
『どもですー。けっこう久しぶりですね“D-Ragon”さん』
「ですねー。最近だとDbDばっかりやってましたからー」
ヘッドフォンから聞こえてきたのはどこか幼さを感じるような女性の声。
それと同時に集会所にかなりゴツめの男性キャラクターが現れた。
これが“KIRIKIRI”の操作しているプレイヤーキャラクターだ。
“KIRIKIRI”の言葉に竜は最近モンハンをプレイしていなかった理由を答える。
幼さを感じられる相手なのに敬語なのは不思議に思うかもしれないが、どんな相手でも敬語で会話をするのはマナーとして当然のこと。
もちろん長い付き合いのフレンドや、リアルの友だちなどが相手であれば敬語である必要もないだろうが。
『ああ、DbDですか。そういえば最近はそっちをプレイしているって履歴が出てましたね。私もDbDはやってるんで楽しさは分かりますよ』
「“KIRIKIRI”さんもやってたんですね。なら今度一緒にやりますか?といってもこっちはランクがまだ2桁なんですけどね」
“KIRIKIRI”の言葉に合わせて操作しているキャラクターがうなずきのモーションをしている。
うなずきのモーションをしているキャラクターに竜は笑いつつ“KIRIKIRI”をDbDに誘う。
といっても今からやるのはモンハンなのでDbDをやるのはまた次の機会になるのだが。
『いいですね。適当にモンスターを狩りながら予定でも決めますか』
「ですねー。とりあえずイベントクエでもやってきますかー」
どう考えてもモンスターを狩りながらできることではないのだが、とくに気にすることもなく竜と“KIRIKIRI”は狩りに向かうのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ