変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第100話

 

 

 

 

 “KIRIKIRI”の操作するキャラクターが双剣でモンスターの尻尾を切断する。

 そして、尻尾が切れたことによって前方に駆け出していったモンスターの目の前に竜の操作するキャラクターが狩猟笛を振りかぶりながら待ち構えていた。

 

 

「ぶっと、べぇっ!!」

『やった!スタンナイスです!』

 

 

 狩猟笛によって思いきり顔面を打ち抜かれたモンスターはクルクルと頭の上にいくつかの星を出現させて地面に倒れこむ。

 これはハンマーや狩猟笛などの打撃攻撃、徹甲榴弾による爆発、榴弾ビンのチャージアックスによる超出力と超高出力、強打の装衣を着た状態での攻撃などなど、いくつかの攻撃によって起きる状態で、しばらくの間モンスターが倒れてもがくだけのサンドバッグとなるのだ。

 ちなみにこの状態は基本的には気絶、もしくはスタンと呼ばれている。

 

 

『ぼっこぼこタイムです!』

「叩き潰す!」

 

 

 “KIRIKIRI”の操作するキャラクターが胴体に、竜の操作するキャラクターが頭部にそれぞれ攻撃を叩き込んでいく。

 

 胴体に連続で叩き込まれる斬撃の乱舞。

 頭部に連続で叩き込まれる重撃の回転。

 

 弱点となる部位を攻撃することによってさらに高い威力を叩き出していた。

 

 

「そういえば、また技名とかは言わないんですか?」

『んな?!あ、あれは別にテンションが上がってしまっただけでして・・・・・・。いつも言っているわけではないのですよ!』

 

 

 ふと思い出したように竜は“KIRIKIRI”に尋ねる。

 竜の言う技名と言うのは、前に“KIRIKIRI”と一緒にプレイしたときに“KIRIKIRI”がモンスターを攻撃しながら叫んでいた言葉のことだ。

 竜の言葉に“KIRIKIRI”は動揺してしまったのか、盛大に攻撃をスカしてしまう。

 

 

「こっちは狩猟笛だからそういう系はないんですよねぇ」

『なら次の狩りは双剣とかで来てくださいよ。それなら問題なく言えますから・・・・・・』

 

 

 竜の操作するキャラクターの攻撃がモンスターの頭部にヒットしてふたたびのスタン。

 そこからの2人がかりによる攻撃にモンスターは倒れた。

 狩猟笛という変わった武器がマンガなどで使われていることは基本的にはなく。

 竜の知っている限りでは見たことも聞いたこともない。

 竜の呟きに“KIRIKIRI”は恨みがましく次に使う武器をよく使われているものにするように言った。

 

 

「ふむ。んじゃ、次は久々に太刀でも使っていきますかね」

『太刀ですか。ならこっちは耐衝を着けないといけませんね』

 

 

 モンスターを狩り終わって集会エリアに戻った竜はアイテムボックスを操作して武器と防具を違うものに変えていく。

 竜が武器だけでなく防具も変えていることを不思議に思うかもしれないが、モンハンではスキルが防具ごとに着いているので、それを使う武器ごとに変えていった方が戦いやすいのだ。

 といってもそれは序盤から中盤辺りにかけてのことで、終盤辺りからになると防具はほとんど変わらず防具につける装飾品をいくつか入れ換える程度で終わることも少なくはないのだが。

 

 

「っし、準備オッケー。そんじゃ、このクエに行きますか」

『これですか?ふむ、であれば武器の属性を変えないといけませんね』

 

 

 竜の貼ったクエストを確認して“KIRIKIRI”は武器を持ち変える。

 モンハンではモンスターごとに弱点属性があり、それに合わせた属性の武器を使うことで狩りやすくなるのだ。

 “KIRIKIRI”が武器を持ち変えている隣で竜も持ち物の最終確認をしている。

 回復アイテムなどを持ち込み忘れたとしてもクエストに向かった先でアイテムを補充することはできるのだが、ときどき狩猟ターゲットのモンスターの目の前に落とされることがあるので可能ならばクエストに出発する前に持ち物を確認しておいた方が良いのだ。

 そして、準備を終えた竜と“KIRIKIRI”はクエストに出発するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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