変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第102話

 

 

 

 

 竜が“KIRIKIRI”と一緒に技名を叫びながらモンハンをやっていた頃。

 ゆかり、茜、葵、あかり、マキの5人は学校近くのファミレスに集まっていた。

 なぜマキの家がやっている喫茶店“cafe Maki”ではなく学校近くのファミレスに来ているのか不思議に思うかもしれないが、“cafe Maki”でこれからする話をした場合、話を聞いて暴走する可能性のある人物があかりを除いた4人の頭の中に浮かんだからだ。

 ちなみに言わなくても分かるだろうが、マキの父親のことである。

 

 

「さて、それでは学校での話の続きを────」

「あ、すいません。ここからここまでのメニューを。あと、ドリンクバーは5人分でお願いします。それと食後のデザートは全種類をお願いします」

「・・・・・・・・・・・・はい?」

 

 

 話を始めようとするゆかりの言葉を遮ってあかりは近くにいた店員を呼んで注文をする。

 あかりの注文した料理の量に驚き、店員は思わず動きを止めてあかりを凝視してしまう。

 

 話を遮られたことにゆかりは少しだけ不満そうにあかりを見るが、ドリンクバーを注文してくれたこともあってとくになにかを言うことはなかった。

 

 

「・・・・・・ですから、ここからここまでのメニューです。あとドリンクバーを5人分。それと食後にデザートを全種類です。同じことを2度も言わせないでください。聞き返すという行為は無駄なんです。3度目は言わせないでください。無駄なことは・・・・・・私、嫌いなんですよ?」

「わ、分かりました!ちゅ、注文を確認させていただきます!ええと、こちらのページのメニューとドリンクバーを5人分、それとデザートを全種類ですね?」

「ええ、間違いありませんよ」

 

 

 驚いて固まってしまった店員にあかりは少しだけムッとした表情になりながらもう一度注文をする。

 穏やかに言ってはいるが、あかりから発せられる雰囲気に店員は思わず姿勢を正し、慌てて注文を確認した。

 そして逃げるようにキッチンの方へと向かっていくのだった。

 

 

「あ、すみません。家だと1回言うだけで用意してくれているもので・・・・・・」

「・・・・・・あかりさん、もしかしてジョジョとか読んでます?」

 

 

 先ほどのあかりの言い回しに聞き覚えのあったゆかりはもしかしてと思いながらあかりに漫画のタイトルを尋ねる。

 無駄という言葉を使いつつ説教する、通称“無駄説教”だっただろうか。

 ゆかりの言葉にあかりはしっかりと頷いた。

 

 

「はい!かっこいいなと思うセリフとかがたくさんあるのでお父さんと一緒に読んでるんですよ」

「はぇ~・・・・・・、紲星グループの社長でも漫画とか読むんやなぁ~・・・・・・」

「ちょっと意外だよね」

 

 

 あかりの言ったお父さんと一緒に読んでいるという言葉に茜と葵は思わずといった様子で声を漏らす。

 漫画を読むかアニメを見るかはしているだろうと思ってはいたが、それはあかりだけだと思っていたからだ。

 正直、イメージだけでの話になってしまうが社長という人間は漫画とかではなくなにか難しい本を読んだりしているイメージがあったため、本当に意外だったのだ。

 

 

「無駄無駄とかオラオラの印象は強いよね」

「そうですね。あれはもうほぼ代名詞と言っても過言ではないと思いますよ」

 

 

 あかりの話から自然と漫画の話に持っていけるようにマキは然り気無く話題を広げようとする。

 マキの言葉にゆかりもうなずき、ジョジョの有名な攻撃をするときの言葉を頭に思い浮かべていた。

 

 

「5部も良いけど4部も私はけっこう好きなんだよね。自分以外のものを治せる能力っていうところがとくにお気に入りでさぁ」

「うちはやっぱり3部やな。時間停止とかやっぱり最強やろ!」

「んー、ボクは5部かな。というか1部と2部は見たことがないし」

「やっぱり3、4、5に偏っちゃうのかな?ゆかりんは?」

 

 

 マキの言葉に茜と葵はそれぞれが好きなジョジョの話をあげる。

 目論み通りに話題が変わりそうなことにマキは笑いそうになるのをこらえつつゆかりにも尋ねた。

 

 

「私の好きなジョジョの部、ですか・・・・・・?」

「うんうん」

「まぁ、そうですね。私も好きな部はありますし、それについて語るというのも悪くないかもしれませんね・・・・・・」

 

 

 勝った!

 これで自分はゆかりたちから追求をされずに済む!

 

 ゆかりの言葉にマキは自身の勝利を確信する。

 これで自分は助かる、と。

 

 そんなマキの希望は────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが、断ります。私たちがここに来た理由。それはマキさんに話を聞くためですから」

 

 

 ────無惨にも砕かれるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ
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