変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

129 / 620
第111話

 

 

 

 頭の上にみゅかりさんを乗せ、座っている足の間からあかり草を生やしながら竜はモンハンを進める。

 すでに“KIRIKIRI”はベヒーモスのいるエリアの入り口におり、竜の到着を待っていた。

 

 

「すみません。お待たせしました」

『いえ、そこまで待ってないので大丈夫ですよ。それじゃあ、行きましょうか!』

 

 

 竜の言葉に“KIRIKIRI”は問題ないと答えた。

 そして、2人はベヒーモスの待ち構えるエリアに足を踏み入れる。

 

 ベヒーモスとの3回目の戦闘をするエリア。

 ここもまた斜面の多いエリアで、先ほどのエリアよりも急な斜面が複数存在しているために斜面の裏にベヒーモスが隠れてしまったり、斜面によって視界が遮られている状態からの奇襲を受けてしまうことがある。

 それに加えて先ほどのエリアと同じように斜面による移動の暴発にも気をつけなければならない。

 それによってこのエリアは先ほどよりも戦いにくいエリアとなっていた。

 

 2人がエリアに足を踏み入れた瞬間、黒い大きな影が2人の頭上に現れる。

 影に気づいた2人は反射的に急いで前方に大きく飛び込み、影の下から逃れた。

 2人が影の下から逃れた直後、なにか大きなものが落ちてきた音がし、それと同時に土煙が周囲に舞う。

 飛び込んだ体勢から立て直した2人は頭上から落ちてきたものの姿を確認し、自身の装備している双剣を引き抜いた。

 

 

「これは・・・・・・なんともハデな歓迎ですね」

『それだけ私たちのことを思ってるんですね・・・・・・』

 

 

 土煙の奥、そこから聞こえてくるのは何度も聞いてきた唸り声。

 そして咆哮によって土煙が吹き飛ばされ、土煙の中にいたものの姿があらわになる。

 土煙の中にいたのは、聞こえてきた咆哮からも分かっていたことだがベヒーモスだ。

 どうやらベヒーモスは竜と“KIRIKIRI”がエリアに入ってきたと同時に跳び上がり、奇襲を仕掛けてきていたらしい。

 2人が反射的に前方に飛び込んでいなければ、間違いなくベヒーモスによって踏み潰されていただろう。

 

 

「みゅみゅみゅっ?!」

「わわわわぁっ?!」

 

 

 ベヒーモスが跳びかかってきていたことを理解したみゅかりさんとあかり草は声をあげて大きく驚く。

 まぁ、あれほどまでに大きな体で跳びかかってくるとは予想もできなかったのだろう。

 

 そして、ベヒーモスは咆哮をあげながら竜と“KIRIKIRI”へと襲いかかってきた。

 

 

「っと、最初の狙いはこっちか!」

『なら敵視取りは任せました!閃光玉の準備もしてあるのでガンガンいきましょう!』

 

 

 自身に向かって振るわれるベヒーモスの太い腕を回避しながら竜と“KIRIKIRI”は左右に分かれる。

 ベヒーモスを挟撃するような位置取りをしつつ、竜と“KIRIKIRI”はベヒーモスに攻撃を叩き込んでいく。

 分散してから集中的に狙われ始めた竜はベヒーモスの攻撃を回避し、大きな隙ができたときに数回斬りつける程度に抑え、可能な限り攻撃を受けないように立ち回っていた。

 

 反対にベヒーモスから狙われずに自由に動ける“KIRIKIRI”はベヒーモスの後ろ足に傷つけをして連続で斬りかかっている。

 ベヒーモスから狙われていないということで“KIRIKIRI”が警戒するべき攻撃は、一回転して周囲を攻撃する回転攻撃、上空から岩石を降らせるコメット、ハンターを包むように竜巻が展開されるミールストームなどだった。

 また、狙われている竜の近くに行けばサンダーボルトなどの範囲攻撃に巻き込まれる可能性もあるので他のハンターとの位置関係には注意が必要だろう。

 

 

「みゅっ、みゅみゅ、みゅいぃっ!」

「わぁわぁわぁ!」

 

 

 ベヒーモスの攻撃を回避していく竜にみゅかりさんとあかり草は興奮した様子で声をあげていた。

 楽しそうな2匹?・・・・・・1匹と1本?の声に竜は思わず口もとがゆるみそうになるが、ベヒーモス戦に集中するためになんとか堪える。ベヒーモスとの後半戦は始まったばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。