ようやくベヒーモス戦が終わります。
なんだかんだで長かったですね・・・・・・
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地に倒れてもがくベヒーモスに竜と“KIRIKIRI”は途切れることなく連続攻撃を叩き込んでいく。
皮膚を削ぎ────
肉を斬り────
爪を砕く────
2人の繰り出す攻撃にベヒーモスの体はどんどん傷つき、ボロボロになっていく。
「“削三連”!からの“破裏剣武”!そして“旋風滅双刃”!」
『傷つけナイスです!“旋風滅双刃”!』
竜の攻撃でベヒーモスに傷がつき、そこからさらにダメージを与えられるようになれば、“KIRIKIRI”も合わさって同時にそこを攻撃する。
2人の連続攻撃にベヒーモスも大きなダメージを受けているのか、一際大きな鳴き声をあげた。
鳴き声をあげたベヒーモスは跳ねるように起き上がり、2人から大きく距離を取る。
「みゅみゅみゅ?」
「わぁわぁ?」
ベヒーモスが距離を取ったことに不思議そうにみゅかりさんとあかり草は首をかしげる。
といってもあかり草の場合は花の部分を傾けているのだが。
不思議そうにしているみゅかりさんとあかり草に竜はなにも答えず、ベヒーモスの動きに集中していた。
そして、ベヒーモスは岩石を降らせ始める。
ベヒーモスの行動からなにが来るのかを理解した竜は素早く岩石の後ろに移動した。
「恐らくはこれで・・・・・・」
『終わり、ですね』
ベヒーモスは咆哮する。
自身を襲う得体の知れない感覚を振り払うように。
ベヒーモスは強者だった。
強者であった、はずだった。
そのはずなのにたった2人のハンターを倒すことができず、すでに2発のエクリプスメテオを放ってしまっていた。
そしていま、3発目のエクリプスメテオを放とうとしている。
いままでにエクリプスメテオを耐えたものをベヒーモスは知らなかった。
いままで自身の体をここまで傷つけた生き物をベヒーモスは知らなかった。
いままで、このような得体の知れない感覚に陥ることはなかった。
だが、それもこれで終わる。
残された力を振り絞っての最後のエクリプスメテオ。
これを放てばいくらハンターといえどただで済むことはないだろう。
そして、エクリプスメテオが放たれ────
────直後に、自身の頭上から双剣の柄頭の部分を踏みながら双剣の切っ先を向けて落ちてくるハンターの姿がベヒーモスの最後に見たものになった。
「っし、ジャンプ成功!」
『やっぱりこれは決めておきたいですもんね』
倒れ伏し、動かなくなったベヒーモスを背に竜と“KIRIKIRI”は勝利の余韻に浸る。
マスターランクの武器と防具を装備しているということもあって極端に辛いということはなかったが、それでもなかなかに楽しむことができた。
「みゅーみゅ、みゅみゅみゅーい!」
「わぁわぁ、わわわぁわぁ!」
竜と“KIRIKIRI”がベヒーモスを倒したことに、みゅかりさんとあかり草も興奮しながら声をあげている。
興奮した様子のみゅかりさんとあかり草に、竜は笑いながらそれぞれを撫でた。
『それじゃあ次はどこに────』
『きりちゃ~ん?もうすぐお夕飯ですの。はやくピコピコをやめてこっちにいらっしゃ~い』
「・・・・・・今のは」
『タコ姉さま・・・・・・、すみません。夕飯のようなので私は今日は落ちますね』
「あ、はい。分かりました」
“KIRIKIRI”の声に被せるように聞こえてきたどこか聞き覚えのある声に竜が首をかしげていると、“KIRIKIRI”は残念そうにため息を吐きながら手を振るアクションをした。
というか正直に言って魔法少女のような格好の男女2人組のハンターに狩られたベヒーモスが不憫に思えて仕方がない。
『あ、そうだ。今日の狩りなんですけど、動画で使いたいので使っても大丈夫ですか?そちらの音声はキチンとカットしますので』
「動画にですか?まぁ、大丈夫ですよ」
今日の狩りの様子を動画で使うということは“KIRIKIRI”の操作していた男性キャラクターの魔法少女コスを配信するということだろうか。
一先ず竜は自身の声をカットしてくれるということなので許可を出した。
『ありがとうございます。それでは失礼しますね』
「お疲れさまです。また今度、時間が合えばー」
そして、“KIRIKIRI”はゲームからログアウトする。
“KIRIKIRI”がログアウトしたのを確認した竜もゲームを終了するのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ