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インターホンの音で誰かが来たのは分かっていたが、それがあかりだとは思っていなかった竜は不思議そうにあかりを見る。
そんな竜の視線に食材の入った袋を持ったあかりはニコリと笑いかけると、玄関の中に入ってきた。
「えへへ、マキ先輩たちから話を聞いて、先輩がちゃんと晩御飯を食べていないんじゃないかなぁって思ったので来ちゃいました」
「みゅみゅみゅっみゅ、みゅみゅみゅ・・・・・・」
食材の入った袋を見せながらあかりは言う。
あかりの言葉にみゅかりさんは「なに言ってんだ、こいつ・・・・・・」といったニュアンスの鳴き声をあげた。
「食材・・・・・・、ってことは作りに来てくれたってことか?」
「はい!」
あかりの見せた食材に竜はあかりの意図を確認する。
竜の言葉にあかりは自信満々に頷いた。
「それは、助かるが・・・・・・良いのか?」
「良いんですよ~。私がやりたくて来たんですから!」
確かに晩御飯を作ってもらえるなら助かるが、本当に良いのか。
竜は悩みつつあかりに確認をする。
というよりも、そもそもとして竜が料理を作ることをめんどくさがらずに作ればいいことなのだが。
そんなんだから茜に甘やかされて晩御飯をご馳走になったり、マキにお昼のお弁当を作ってもらうことになったりするのだ。
「というか、あかりって料理できるのか?正直、シェフに作ってもらうだけで料理の経験はほとんど無いってイメージなんだが」
「みゅいみゅい」
竜の言葉に同意するようにみゅかりさんも頷きながら鳴き声をあげる。
まぁ、お金持ちの家の娘のイメージなんて基本的にはそんなものだろう。
もしくは習い事が多くてピアノやらバイオリンやらを弾けたりしそうなイメージだろうか。
どちらにしても料理ができそうなイメージはほとんどない。
竜とみゅかりさんの様子にあかりは少しだけ頬を膨らませた。
「むぅ、そのイメージはちょっと心外ですね。私だって料理くらいしますよ?」
「そうなのか?」
「そうなんです。それじゃあ、晩御飯を作っちゃいますね」
そう言ってあかりは食材の入った袋を持って台所に移動した。
包丁やまな板、鍋やフライパンなどの置いてある場所を説明するために竜も台所に移動する。
「包丁とまな板はここ。鍋とかはここの戸棚に入ってるから。菜箸とかお玉とかはここの引き出しに入ってるから」
「了解です。それじゃあ先輩はそちらの部屋で待っててください」
「ああ、じゃあ頼んだよ」
あかりに言われ、竜は台所からリビングに移動する。
そこで竜はいつのまにかあかり草の姿がないことに気がついた。
「あれ?みゅかりさん、あかり草がどこに行ったか知ってるか?」
「みゅう?みゅ~、みゅあ~?」
ピョコピョコと足元で跳び跳ねていたみゅかりさんをタイミングよくキャッチして竜は尋ねる。
竜の言葉にみゅかりさんはとぼけるように鳴き声をあげて、竜の腕に前足を絡ませるのだった。
「分からない、って感じかな?まぁ、けっこう自由に出入りしてるし大丈夫、か?」
みゅかりさんの様子に竜は少しだけ心配そうに部屋の中を見回しながら呟く。
自由に家の中に入ってきたりしているあかり草のことだから大丈夫だろうとは思いつつも、いつの間にかいなくなっていたことを竜は少しだけ心配していた。
「みゅみゅみゅう。みゅーい」
竜があかり草のことを考えていると察したのか、みゅかりさんは鳴き声をあげて竜の気を引く。
腕に絡みついているみゅかりさんの鳴き声に竜は苦笑し、ワシャワシャとみゅかりさんの頭を撫でた。
「んー?どうしたんだよ?」
「ふみゅみゅみゅみぃー」
竜に撫でられややメチャクチャな鳴き声になるも、みゅかりさんは嬉しそうに竜に撫でられるのを受け入れていた。
そして、竜はあかりの作る料理ができるまでみゅかりさんを構い倒すのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ