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あかりが料理を作り終えるのを待ちながら竜はみゅかりさんを構う。
竜に撫でられ、みゅかりさんはくすぐったそうにしながらも嬉しそうに頬を弛めていた。
「ふみゅみゅみゅ、みゅみゅい!」
「おー、ここか。ここが良いんか」
気持ち良さそうなみゅかりさんの鳴き声に、竜は鳴き声をあげた際に触れていた場所を重点的に撫でていく。
重点的に同じ場所を撫でられたみゅかりさんはだらしなく口を開けてくったりと脱力し、竜の膝の上で完全に身を任せていた。
「んみゅっ・・・・・・、みみゅ・・・・・・、みゅあぅ・・・・・・」
「あらま、液体みたいになってら」
竜の手が動くたびにビクビクとみゅかりさんは体を震わせる。
普通の猫は脱力すれば液体のように体をグンニャリとさせるが、みゅかりさんも同じように脱力していることに竜は笑いながら呟いた。
竜は笑いながらだらしなく開いているみゅかりさんの口の近くに指を近づける。
「んみゅ・・・・・・、はみゅっ!」
「うおっ」
目の前で揺れる竜の指にみゅかりさんはピョコンと食らいつく。
といっても歯をたてずに優しく咥え込むような感じだが。
みゅかりさんにいきなり指を咥え込まれた竜は少しだけ驚きつつ、軽く指を引っ張った。
「みゅ・・・・・・、ちゅっ・・・・・・、ちゅっ・・・・・・」
「スゴい吸いつきだな・・・・・・」
竜の指をそこそこに強い力でみゅかりさんは吸う。
吸う力によってみゅかりさんの体が軽く浮いているといえばその強さが分かるだろうか。
みゅかりさんの吸いつきに竜は苦笑しながら指を引っ張るのを止めた。
竜が指を引っ張るのを止めたことによって、吸いついていたことによって軽く浮いていたみゅかりさんの体も戻り、ポフリと竜の膝の上に降りた。
「んみゅ、れりゅ・・・・・・、ちゅぱ・・・・・・・・・・・・み゛ゅ゛っ゛?!」
竜が指を引っ張るのを止めたために吸いつく必要のなくなったみゅかりさんは口の中の竜の指に舌を這わせる。
みゅかりさんの舌が指に触れ、竜の背筋にゾクゾクとした感覚が走った。
ゾクゾクとした感覚に驚いて竜が指を曲げてしまうと、みゅかりさんの頬の内側にぶつかってしまい、ぽっこりとみゅかりさんの頬が膨らんでしまった。
「す、すまん!」
「みゅい!みゅみゅみゅう!」
いきなり頬を内側から押されたことに驚いたのか、みゅかりさんは抗議するように竜の腹部をポフポフと前足で叩く。
それでも竜の指を咥えたままなのだが。
「竜先輩、晩御飯ができまし・・・・・・。どうかしたんですか?」
「いやぁ、ちょっとみゅかりさんに怒られてて」
「みゅぷっ・・・・・・、みゅあー!」
晩御飯を作り終えたらしいあかりがリビングに現れ、竜とみゅかりさんのやり取りを見て首をかしげる。
みゅかりさんの口から指を引き抜きながら竜はあかりに答えた。
口からいきなり指を引き抜かれたことが気にくわなかったのか、みゅかりさんは大きく跳び上がって竜の頭にしがみついた。
「あははは、とりあえず晩御飯は作り終わったので手を洗ってきてくださいね?」
「ん、分かったよ。みゅかりさんも手を洗おうな」
「みゅーい」
竜の頭にしがみつくみゅかりさんの姿にあかりは笑いつつ、手を洗ってくるようにうながす。
あかりの言葉に竜はみゅかりさんを頭にしがみつかせたまま洗面所に向かった。
みゅかりさんは前足を使って食事をするわけではないのだから手を洗う必要はないのでは、と思うかもしれないが、その辺りは念のため程度なので気にしなくてもいいだろう。
そして、竜とみゅかりさんはキチンと手を洗ってリビングに戻ってくるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ