変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第122話

 

 

 

 

 あかりに晩御飯を作ってもらった翌日、竜は学校の体育の授業を受けていた。

 お昼休みの昼食後の満腹感で眠くなる五時間目の授業ということもあって竜はどことなくぼんやりとしたまま校庭で立っていた。

 

 

「くぁ~・・・・・・、ねむ・・・・・・」

 

 

 あくびをこぼしながら竜はサボっているように見られないようにどうにか体を動かし始める。

 といっても他の元気なクラスメイトに比べると全然動いていないのだが。

 

 体育の授業は男女で分かれてやっており、ゆかり、茜、葵、マキの姿はここにはない。

 ちなみに、マキの姿がないことにクラスメイトの男子のほぼ全て・・・・・・というよりも全員が残念そうにしていたのは当然のことだった。

 男子がマキの姿がないことを残念に思っていた理由については、体育の授業でマキのマキマキが大きく動く様子が見れるから、とだけ言えば理解できるだろう。

 

 

「避けろぉっ、公住!」

「ふぁ?────ナッパぁっ?!」

 

 

 クラスメイトのヒデノリの声に竜はゆっくりと振り向く。

 直後、竜の顔面にサッカーボールが直撃した。

 どうでもいいことだが、竜が叫ぶべきだったのは避けた方の名前ではなく、それを指示した方の名前だったのではないだろうか。

 

 サッカーボールが直撃した竜は不意打ちだったこともあり、踏ん張ることができずに転んでしまう。

 転んでしまった竜の近くに頭を掻きながらクラスメイトが集まってきた。

 

 

「おーい、大丈夫かー?」

「ミツオくん、強く蹴りすぎじゃね?」

「いや、あれはヒデノリがはじいたボールだからヒデノリだろ?」

「ッつ~・・・・・・、いてぇ・・・・・・」

 

 

 どうやらミツオの蹴ったサッカーボールをキーパーをやっていたヒデノリがはじき、それがちょうど竜に直撃したようだ。

 サッカーボールがぶつかったところを押さえながら竜は立ち上がる。

 それと同時にタラリと水気のあるものが鼻から垂れるのを竜は感じ取った。

 

 

「ちょ、鼻血が出てんじゃねぇか。保健室行ってこい保健室」

「そうだな。ミツオくんには俺とヨシタケが制裁を加えておくから気にせず行ってこい」

「待て待て待て!」

「ん、まぁ、とりあえず頼んだわ」

 

 

 タダクニ、ヒデノリ、ヨシタケ、ミツオの言葉を深く考えずに竜は頷き、保健室へと向かう。

 ちなみに、この後ミツオはフリーキックをことごとく止められて、最終的にサッカーボールを抱えて泣きながらゴールに走り込むことになるのだが、些細なことだろう。

 

 

「すいません、イタコ先生いますか?」

「ちゅわ?どうしたんですの?あらあらまぁまぁ・・・・・・」

 

 

 保健室の扉を開け、中に入った。

 竜が保健室の中に入ると中にいた保険医の教師────東北イタコが不思議そうに竜を見る。

 しかし竜が鼻から血を出していることに気づくと口もとに手をあてて驚いた表情になる。

 

 

「鼻血が出てしまったんですのね。キレイにしちゃいましょう」

「お願いします」

 

 

 竜を椅子に座らせ、イタコ先生は鼻血の血をキレイに拭いていく。

 

 ちなみに、鼻血の対処として上を向く、首もとを軽く叩くなどの方法があるかもしれないが、これらは対処としては間違いである。

 正しい対処法は、やや下を向いて血が喉に行かないようにし、鼻の根本近くを5分~10分ほど圧迫することだ。

 このさいに冷やすことができればさらに効果的である。

 また、鼻にティッシュを詰めたりすることもあるかもしれないが、これも鼻の中を傷つけてしまうので、どうしても詰めるのならば柔らかい綿球にしておいた方がいい。

 

 向かい合うように座るイタコ先生の姿に竜は少しばかり恥ずかしくなってしまい、それによって鼻血の出る量が少しだけ多くなってしまう。

 まぁ、これに関しては美人でスタイルの良い女教師が目と鼻の先にまで近づいているために仕方のないことだろう。

 

 

「これで、よしですわ。あとは鼻血が治まるまで座って待っててくださいまし」

「はい、ありがとうございます」

 

 

 竜の鼻血をキレイに拭き、イタコ先生は氷のうを渡しながら竜に鼻血の対処法を教える。

 イタコ先生の教えてくれた鼻血の対処法をやりながら竜は鼻血が治まるのを待つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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