UA110000を越えたので番外話です。
ヤンデレといっても作者のイメージするヤンデレですので好みが分かれるかもしれません。
それでもよろしければ読んでください。
なお、本編のネタバレも含まれますので気をつけてください。
・
ジュニアアイドルである“UNAユーナ”に思い人がいる。
そのニュースが放送されたとき、放送をしたテレビ局には詳細を聞きたいという電話が相次いでかかってきたらしい。
それもそのはず、“UNA”といえばかなり有名なジュニアアイドルであり、ドラマや映画、番組のメインコメンテーター、果てにはアニメの声優などなど幅広くテレビに出ていてかなりのファンが存在しているのだ。
そんな“UNA”に思い人、分かりやすく言うのであれば好きな人がいるというのはファンにとって────いや、ファンでなかったとしてもすさまじい衝撃となるのは想像するのも難しくはない。
「お兄ちゃん、早く行くぞー!」
「おいおい、落ち着けって・・・・・・」
「あんなニュースがあったとは思えんほど元気やねぇ・・・・・・」
まぁ、そんな噂の渦中の人物である“UNA”ことウナは上機嫌に竜とお出かけをしているのだが。
ぴょんぴょんと元気良く飛び跳ねながらウナは竜のことを呼ぶ。
思い人がいるなどというニュースで騒がれているというのに元気なウナの姿に竜とついなは苦笑しながらウナのもとへと向かって行く。
ウナが竜と遊びたいということで、竜たちはいまウナの家の近くの公園に来ていた。
「いくら変装しているにしてもバレる可能性はあるんだから気をつけろよ?」
「あははー、分かってるよー」
元気があふれて楽しくて仕方がないというウナの様子に、竜は落ち着かせるために少しだけ注意をする。
いまのウナの格好はボーイッシュ寄りとなっており、パッと見ではウナと気づけないような格好となっている。
それでもよく見ればウナだと気づくことはできるだろうし、人によっては声で気づく可能性もある。
そのため、竜はウナと遊びつつも周囲をさりげなく警戒していた。
竜の言葉にウナは竜のお腹へと抱き着きながら答える。
「大丈夫。お兄ちゃんには絶対に近づかせないから・・・・・・」
「うん?いまなにか言ったか?」
竜のお腹にぐりぐりと頭を押しつけながらウナは誰にも聞こえないような小さな声で呟く。
自身のお腹にウナの頭が当たっていたため、なにかしゃべっているような振動を感じた竜がウナに尋ねるが、ウナはニッコリと笑みを浮かべるだけで答えることはなかった。
そして、竜たちは公園で疲れるまで遊ぶのだった。
◇ ◇ ◇
お兄ちゃんと出会ったのはウナが1人でお出かけをしようと思って外に出た日だった。
外に出てすぐにウナの────ううん、“UNA”のファンに見つかってしまい、隠れていることしかできなかったウナのことをお兄ちゃんは助けてくれたのだ。
それからお兄ちゃんはウナと一緒にご飯に行ったり、行きたいと思っていたところに連れていってくれて、普通の子みたいなことができてとても嬉しかった。
それからもお兄ちゃんはウナのことを“UNA”じゃなくてウナとして見てくれて、ジュニアアイドルをしているウナじゃなくて普通の子みたいにウナのことを扱ってくれた。
それがなによりもウナにとって嬉しかったのだ。
だから────
「ふふ、ふふふ・・・・・・。“UNA”ちゃぁん、この写真をバラされたくないよね?この男の子なんでしょぉ?“UNA”ちゃんがぁ、好きな人っていうのはぁ?」
────こういう人間には絶対に手加減なんてしてやらない。
◇ ◇ ◇
『成人男性が小学生の女の子を襲ったとして逮捕されました。犯人は「俺はなにもしていない」などと供述しておりますが、現場に残されていたとされる女の子の破れた衣服などから有罪は確実なのではないかとのことです』
「はー・・・・・・。ロリコンとか救いようがないなぁ・・・・・・」
「自分の子どもも作れんような幼い子を襲うとか意味が分からんなぁ。子孫を残す気とかないんやろか?」
朝のコーヒーを飲みながら見ていたテレビで流れたニュースを見て竜は呟く。
同じようについなも呆れたような声を出しているが、微妙にズレているように感じられるのはついなが九十九神だからだろう。
ロリコン。
正式名称はロリータ・コンプレックスであり、一般的には幼い少女を性的に好んでいる人間のことを指していることが多いのだが、本来の意味合い的には性的な意味はほとんどなかったりする。
そのため、普通に男性を好きな女性がロリータ・コンプレックスであるということも大いにあり得るのだ。
ちなみに、ロリータ・コンプレックスと聞くと1桁かそれに近い年齢の少女を好きな人間だというイメージがあるかもしれないが、厳密に分けるとロリータ・コンプレックスは12歳~15歳の少女を対象とした言葉であり、それ以下の年齢になると7歳~12歳がアリス・コンプレックス、7歳までの少女がハイジ・コンプレックス、0歳あたりの赤ちゃんがベビー・コンプレックスとなっている。
また、ペドフィリアという言葉もあるが、こちらは10歳以下の子どもに対しての性愛や性的嗜好を持つ者のことを指しており、男の子女の子に関係なく好む者に対して使う言葉なのでロリータ・コンプレックスとはまた微妙に違ってくるのだ。
「っと、なんだ?・・・・・・ウナからメッセージか」
不意に自身のケータイが振動し、不思議に思いながら竜は画面を確認する。
ケータイの画面に表示されているのはウナの名前で、短くメッセージが送られてきていた。
「ウナちゃんから?なんて送られてきたん?」
「『今日も一緒に遊ぼう!』だってさ。普段がアイドルの仕事で忙しいから遊べるときにめいっぱい遊びたいんじゃないか?」
ウナから送られてきたメッセージが気になったついなは竜になんと送られてきたのかを尋ねる。
ついなの言葉に竜はウナから送られてきたメッセージを読み上げた。
ウナとは昨日も一緒に遊んだのだが、ウナに対して甘くなっている竜は笑いながら遊びに行く準備を進めていく。
そんな竜の様子についなも笑みを浮かべつつ、竜が使っていたコップなどを片づけていくのだった。
◇ ◇ ◇
遊びに行く準備を終えた竜は家を出てカギを閉める。
ついなもいつものように小さくなって竜の頭の上に乗っており、遊びに行く準備は万端だ。
「遊ぶにしてもなにするかなぁ」
「昨日は公園で遊んだんやし、読書とかでもええと思うんやけどなー」
ウナの家へと向かいながら竜とついなはウナとなにをして遊ぶかを相談する。
昨日はウナと公園で疲れるまで遊んでおり、今日も同じように公園で遊ぶというのはなんだか味気ないような気がしたのだ。
不意に、竜は後ろから車が近づいてきている音に気がついた。
いま竜が歩いている道は少しだけ狭いため、竜は危なくないように道の端に移動する。
「けっこう道が狭いから危ないんだよなぁ、・・・・・・うわっ?!」
「せやねぇ。・・・・・・なんやなんやなんやっ?!」
道の端を歩いていた竜の隣に車が来たのを見ながら竜は呟く。
この道の幅はそこそこに狭く、横を車が通るだけでも地味に危なさを感じられるのだ。
竜とついなが話をしていると、いきなり車の扉が開いて竜の体を車の中へと引きずり込んでいく。
あまりにもいきなりのことに竜は対応することができず、あっさりと車の中へと連れ込まれてしまった。
「は?!ちょっ?!なにっ?!」
「静かにお願いします。“UNA”ちゃん、いえ、ウナさんのためにも」
驚き困惑する竜に車の中にいた1人が答える。
聞こえてきた声に竜は困惑しつつも静かにし、車の中を確認した。
「あ、あなたは確か・・・・・・」
「どうも、“UNA”のマネージャーをしているものです」
竜の隣に座っていた女性は竜の言葉にぺこりと頭を下げながら答える。
見れば隣に座っている女性以外にも見覚えのある人たちが車に乗っており、竜はどういう状況なのかよく分からなくなってしまう。
「あの、どうしていきなりこんなことを?」
「いま、“UNA”ちゃんがニュースでいろいろと大変なことになっているのは知っていますね?その関係で彼女に一番近い人間としてあなたがあげられそうなんです」
車の中にいるのがウナの関係者であるということを理解して竜は落ち着きを取り戻し、どうしてこんなことをしたのかを尋ねる。
竜の言葉にウナのマネージャーは竜のことが世間に明るみになりそうになっていることを伝えた。
あまりにも予想外な事態に竜は思わずポカンと口を開けてしまう。
「は?え、どうしてそんなことに?」
「昨日、あなたが“UNA”ちゃんと遊んでいるところを目撃した人がいるんですよ。幸さいわいなことにすでにそちらに手は打ちましたが、それでもネットにあげられてしまった画像に関してはどうにもできなかったんです」
どうやら昨日のウナと竜が公園で遊んでいる姿を目撃した人間がいたらしく、変装しているウナの正体に気がついたらしい。
そこから、竜のことを守るために車で竜のことを捕獲したようだ。
「ですので、今後はあなたの出迎えを我々がして“UNA”ちゃんの家まで送ることになります」
「は、はぁ・・・・・・?」
「なんやよう分からん事態になっとるなぁ・・・・・・」
女性の言葉に竜は曖昧にうなずく。
そして、竜たちの乗っている車はウナの家の前に止まった。
◇ ◇ ◇
竜が車から降りると車はとくに何かを言うこともなく走り去ってしまう。
本当に送り迎えだけをするためだけに来たのだろう。
竜がウナの家のインターフォンを鳴らすと、勢いよく玄関が開いて家の中からウナが飛び出してきた。
「お兄ちゃん!」
「うぉっと、今日も元気だなぁ」
「っはー、今日も可愛いかっこしとるんやねぇ」
飛びついてきたウナを受け止め、竜はポフポフとウナの頭を軽く叩く。
竜に頭を軽く叩かれ、ウナはくすぐったそうに竜のお腹に頭をぐりぐりとこすらせる。
そして、ウナに手を引かれて竜は家の中へと入っていった。
「それで?今日はなにをして遊ぶんだ?」
「えっとねー・・・・・・。監禁ごっこ」
「ほぇっ?」
ウナの家の中に入った竜はウナになにをして遊ぶのかを尋ねる。
竜の言葉にウナは笑顔を浮かべ、ポケットから取り出したお札を竜とウナに貼りつけた。
お札を貼りつけられた竜とついなは体の自由が利かなくなり、床に座り込んでしまう。
「う、ウナ・・・・・・?」
「う、動けへん・・・・・・」
「えへへー、お兄ちゃんだぁ。東北から護身用にってもらったお札だったけど効果抜群だなー」
座り込んだ竜の膝に向かい合わせになるように座りながらウナは満足そうにうなずく。
どうやら竜とついなに貼りつけたお札はきりたんが作ったもののようで、かなり強力な術式が込められていたようだった。
「お兄ちゃんのことを利用しようって考えてる大人がいっぱいいるからさー。だからウナは頑張って兄ちゃんを守るんだよ。ウナはお兄ちゃんの妹なんだからずっと一緒にいるんだもんね。だからさ、ずっとここでウナと一緒にいてね」
どろりとした瞳を向けられ、竜は身動きできない体を強張らせる。
自力では剥がすことのできないお札に、竜はウナの好きにさせることしかできなかった。
それからしばらくして、芸能界の重鎮やらアイドルたちの不祥事なんかが連日のように取り上げられるようになったのだが、それにウナが関与しているのかは不明のままだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その11
-
鳴花姉妹
-
音街ウナ
-
月読アイ
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ