変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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うっかり1話を消してしまったので書き直します。

バックアップとか残しておけばよかった・・・・・・


第132話

 

 

 

 

 ずん子の案内のもと、竜たちは東北家へと到着した。

 平屋の大きな和風建築で、坪数などは分からないがそれでもかなりの広さの敷地だということが分かる。

 加えて言うと庭の方には池のようなものも遠目に見えていた。

 

 

「ただいまー」

「おかえりなさいなのです。・・・・・・あーっ!!」

 

 

 ずん子が玄関を開けると1人の少女が現れた。

 見覚えのあるその少女は竜を指差すと大きく口を開けて声をあげる。

 

 

「あのときのワンキル男!」

「間違ってはおらんけど、どんな覚え方しとるんやこの子」

「というか、きりたんって生徒会長の妹だったんですね」

 

 

 まるで転校生の女の子と登校中に曲がり角でぶつかって下着を覗いてしまったことをホームルームで暴露したかのような叫び方をするきりたんに茜は思わずといった感じにツッコミを入れる。

 きりたんの叫びを無視して竜はずん子に確認をした。

 

 

「そうだけど・・・・・・。きりたんのことを知っているの?」

「ええ、まぁ。きりたんが動画を投稿していて、それ関係で偶然出会いまして」

 

 

 きりたんのことを竜が知っていることが意外だったのか、ずん子は竜にきりたんのことをどうして知っているのか尋ねた。

 ずん子の質問に、とくに隠すことでもないので竜はざっくりと説明をした。

 

 

「そうだったのね。それじゃあ改めて妹の東北きりたんよ」

「東北きりたんなのです。ワンキル男以外の皆様、どうぞよろしくお願いします」

 

 

 竜の説明で納得したのか、ずん子は改めてきりたんを紹介する。

 ずん子の言葉に続けて、きりたんは竜以外の全員に頭を下げた。

 ここまでくるといっそ清々しいほどのきりたんの態度に竜たちは思わず苦笑してしまう

 

 

「うちは琴葉茜やでー」

「ボクは琴葉葵だよ」

「私は結月ゆかりです」

「私は弦巻マキだよー」

「私は紲星あかりです」

「ええと、茜お姉ちゃん、葵お姉ちゃん、ゆかりお姉ちゃん、まきお姉ちゃん、あかりお姉ちゃんですね?」

 

 

 名前と顔を頑張って一致させようときりたんは順番にゆかりたちを見る。

 頑張って名前を覚えようとしているきりたんの姿にゆかりたちは微笑ましそうに見ていた。

 

 

「あ、俺は公住竜な」

「あなたはワンキル男で十分です。お姉ちゃんたちの名前を覚えるのを邪魔しないでください」

 

 

 最初の挨拶の時点で覚えるきはなさそうだなと思いつつ、竜も一応名前を言う。

 しかしやはりと言うべきかなんと言うべきか。

 きりたんはジロリと竜を睨むとそのままゆかりたちの名前を覚えることを再開した。

 

 

「もう、きりたんったら・・・・・・」

「あはは・・・・・・。まぁ、自分は気にしてないんで」

「そう?でも、きりたんがごめんなさいね?」

 

 

 きりたんの様子にずん子は少しだけ怒りながら注意をしようとする。

 そんなずん子を引き留めて竜は気にしていないと伝えた。

 結局は小学生の子供のやることで、しかもあだ名がついている分早めに覚えることもできるだろう。

 それらのことから竜はこのままでも構わないと考えていた。

 竜の言葉にずん子は申し訳なさそうにしながら謝った。

 

 

「それじゃあ、きりたん。私は公住くんをイタコ姉さまのところに案内するから、みんなを居間の方に案内してくれるかしら?」

「分かりました!どうぞこちらに来てください!」

「元気やねぇ」

 

 

 ずん子の言葉にきりたんは張り切ってゆかりたちを居間へと案内し始めた。

 ピョコピョコと跳び跳ねるきりたんの姿にゆかりたちは一層のこと微笑ましそうに見る。

 

 

「それじゃあ、私たちも行きましょうか」

「はい」

 

 

 そして、竜とずん子もイタコの待つ部屋へと向かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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