変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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UAが31000を越えたのでアンケートを締め切ります。

番外話を書くときは今後は茜と葵は分けずに、琴葉姉妹として書くことになりました。





第135話

 

 

 

 

 今までは白銀色のキレイな色をしていたイタコ先生の髪の毛。

 それがどうして黒色になってしまっているのか。

 戸惑いながら尋ねた竜にイタコ先生はうなずいて答える。

 

 

「そうですわね。まず、そもそもとそして私の髪の色が他の人には黒く見えていることは知っておりますわよね?」

「ええ、まぁ・・・・・・」

 

 

 自分と他の人との認識の違いはずっと感じていたこと。

 イタコ先生の言葉に竜はうなずいた。

 

 

「少しばかり信じられないような話をしますが・・・・・・。私の中には強い力を持ったキツネ、九尾がおりますの」

「・・・・・・・・・・・・人柱力ですか?」

 

 

 突拍子もないイタコの言葉に竜はキョトンとしてしまい、思わず連想してしまった言葉を言った。

 竜の言葉にイタコ先生とずん子は苦笑を浮かべる。

 人柱力、それは漫画“NARUTO”に出てくる強大な力を持った生き物を体内に宿した人間の総称。

 ある意味ではイタコ先生も人柱力とも言えるのかもしれない。

 

 

「あながち間違いではありませんわね。それで、私の髪の色は九尾の体毛の色が表に出てきていたものなんですの」

「・・・・・・え?」

 

 

 イタコ先生の言葉に竜は部屋の前で出会って服の隙間に潜り込んできたキツネの姿を頭の中に思い浮かべた。

 あのキツネの体毛の色も白銀色をしていた。

 それだけで無関係だとは思えないだろう。

 しかしイタコ先生は竜の呟きを違う意味に捉えたのか、神妙な表情を浮かべながらうなずいた。

 

 

「分かってしまいましたか。そうなんです。今、九尾は私の中におりませんの・・・・・・。今の彼女は本来のものよりも弱まってしまっていて・・・・・・」

「いや、そうじゃなくて・・・・・・」

「ああ、心配ですわ・・・・・・。本当にどこに行ってしまったのかしら・・・・・・」

 

 

 心配そうにイタコ先生は言う。

 いつもは自分の中にいる九尾のキツネがいないと言うことで心配なのだろう。

 そんなイタコ先生に竜は部屋の前で出会ったキツネについて話そうとするが、イタコ先生は九尾のキツネのことが気になってしまっていて話を聞いていなかった。

 

 

「かわいい子ですし、もしも外に出てしまっていたら・・・・・・。もしかしたら誘拐?!そんなことになってしまっていたら私は!」

「あの!イタコ先生!」

「ちゅ、ちゅわ?!」

 

 

 イタコ先生はそう言って巫女さんが持っているようなお祓い棒、正式名称は大幣(おおぬさ)を手に持って震え始めた。

 思考が暴走し始めていたイタコ先生に竜は驚き、大きな声で呼びかける。

 竜の声に驚いたイタコ先生は驚いた表情を浮かべながら竜を見た。

 

 

「ちょっと見てもらいたいものがあるんですが・・・・・・」

「ちゅわ?!なにをしていますの?!」

「き、公住くん?!」

 

 

 イタコ先生が自分の方を見たことを確認した竜は、服の隙間に潜り込んできていたキツネを見せるために思いきって服を捲り上げた。

 竜がいきなり服を捲り上げたためにイタコ先生とずん子は驚いて思わず顔を隠す。

 ずん子はともかくとして、イタコ先生は保険医なのだから診察とかで見慣れているはずように思えるが、どうやらいきなりのことで心構えもなにもできていなかったらしい。

 

 竜が服を捲り上げたために、服の隙間に潜り込んできていたキツネの姿が現れるが、顔を隠してしまっていたイタコ先生とずん子は気づいていなかった。

 

 

「き、公住くん?!いきなり肌を見せるというのは色々と早いと思いますの!そういうことはもっとお互いのことを知って夜にお布団の上でするべきだと思いますわ!」

「公住くんにはそういった趣味があったんですか?!まだ外でやる勇気がないから私たちの前で見せてるんですか?!はっ!もしや私たちも一緒にやろうというお誘いのつもりで?!」

 

 

 顔を隠したままイタコ先生とずん子は妄想が暴走してしまっている。

 そんな2人の姿に竜はため息を吐いて体にしがみついているキツネを見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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