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先の見えない道を4人の人間が走る。
どこまで行っても光は見えず、終わりのない闇。
終わりがないのが終わり。
「・・・・・・ふぅ」
コントローラーを置き、竜は短く息を吐く。
殺人鬼、今回はヒルビリーから逃げている間は緊張のあまり呼吸が荒くなっており、落ち着くために竜は目を閉じる。
思い返されるのは廃病院の中をヒルビリーに追い回されてチェーンソーで切り裂かれたこと。
「さっきはすぐに死んで悪かったな」
『ええって、それを言うたらうちらも殺されとるし、遅いか早いかの違いしかないんやから』
『そうですね。見たところランクも1つ上の殺人鬼だったみたいですし』
『ランクが近くても異様に上手い人とかいますからね』
先ほどまでのことを思い返した竜は一番最初に死んでしまったことを他の3人に謝る。
“DEAD BY DAYLIGHT”の生存者は、初期人数の4人から1人減るごとに脱出できる可能性が一気に下がっていく。
そのためなるべくなら死なないような立ち回りを心がける必要があるのだ。
とはいっても上手い人が殺人鬼の場合はそんなこと関係ないといわんばかりに殲滅されたりするのだが。
「それじゃあ、次いってみようか」
『そうですね』
『せやなー』
『いきましょうか』
入手したブラッドポイントを確認した竜は、いつまでも引きずっていても仕方がないと気持ちを切り替えてリザルト画面を進める。
竜の言葉に他の3人も答えて画面を進めた。
「えっと、ポイント的にこの辺が取れそうか・・・・・・」
『次はどんな構成で行ってみましょうかねぇ・・・・・・』
『うっし、次は青の番やでー』
『うぇっ?!ほ、本当にボクがやるの?!』
『青さんはホラーが苦手なんでしたっけ。大丈夫なんですか?』
『問題ないで。それに少しずつでも慣れていった方がええと思うしな』
先ほど手にいれたブラッドポイントで竜はブラッドウェブから取得できそうなものを選んでいく。
それと同時にゆかりは装備する能力の選択を始め、茜は葵にコントローラーを手渡した。
コントローラーを手渡された葵は怯えたような声をあげる。
葵の声の調子から“KIRIKIRI”は大丈夫なのかが気になり、声をかける。
“KIRIKIRI”の言葉に茜が答える。
「これで、準備はオッケーかな。取りたかったパークが取れて良かった」
『“D-ragon”はどんな構成にしたんですか?』
「俺はサボタージュとキズナ、突破を使ったフック破壊構成だな」
竜の言葉にゆかりはどんなパーク構成にしたのかを尋ねる。
竜の言うサボタージュ、キズナ、突破という3つのパークは固有パークと呼ばれるもので、少しばかり特殊なものになる。
“DEAD BY DAYLIGHT”においてパークとは全キャラに共通のものと固有のものがあるが、固有のものも条件を満たせば他のキャラでも使えるようになる。
そして先ほど挙げた3つのパークはどれも固有パークとなっており、最低でも2キャラ分の条件を満たしているということになるのだ。
『ううぅ、本当にボクがやらないといけないの・・・・・・?』
『せやで。諦めてパークを選ぶんやな』
『頑張ってください、青さん』
竜とゆかりがパークの構築について話している裏で、葵はいまだに嫌そうにしていた。
嫌そうな葵の言葉を茜は無情にも切り捨てる。
どうあっても葵にプレイさせたいのだろうという茜の意思を言葉から読み取ったのか、“KIRIKIRI”は葵のことを応援することしかできなかった。
「そんじゃ、ま。あとは青だけかな?」
『そうみたいですね』
『うう、わかったよ!やれば良いんでしょ?!』
『がんばりやー』
葵以外の3人の準備が終わり、とうとう逃げ場のなくなった葵は叫びながら準備完了を押すのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ