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テレビ画面の上部に残り時間を表すメーターが出現した瞬間、竜を追っていたカニバルは残り時間が時間が少ないことを理解したのかチェーンソーを鳴らすようになる。
竜はすでに1度殴られて負傷状態になっているのでチェーンソーで攻撃をする意味はないのだが、それでもたしかな威圧感を発していた。
チェーンソーの音が聞こえてきたことに竜は顔をしかめる。
どの攻撃を受けても重症状態になってしまうのだが、それが分かっていてもチェーンソーの音などの殺人鬼特有の音は聞いていて気持ちの良いものではなかった。
「とりあえず出口に向かう!小屋の近くか遠くのどっちだ?!」
『ここは・・・・・・、小屋と離れてる方やね。ドラはどの当たりにいるんや?』
「そっちか!今は小屋の方に向かってた!」
聞こえてきたチェーンソーの音に竜は慌てながら空いている出口の位置を聞く。
マップ上に出口は必ず2つあり、そこにあるスイッチを起動させることによって出口のゲートが解放される。
つまりは殺人鬼に追われた状態では出口のゲートを開けることはできないのだ。
それを理解している竜はとりあえず逃げる方向として小屋の近くの出口を目指していたのだが、どうやら当てが外れたようで開けられていた出口のゲートはもう片方の方だったらしい。
茜の言葉に向かう方向を間違えていたことに気がついた竜は慌ててもう片方の出口へと向かおうとする。
『いえ、そのまま小屋の方に
『ん、そんなら青は“KIRIKIRI”と合流やね。ドラが捕まった場合にすぐに救助できるようにするんや』
『トーテムもちゃんと壊したから安全・・・・・・、だよね?』
『カニバルということで不安はありますが分かりました。ひとまずはマップの真ん中の大きな建物で合流しましょう』
ゆかりの言葉から意図を理解した茜は、葵に次の行動を指示する。
茜の言葉に葵はうなずき、移動をする前にチラリと壊したトーテムの跡を見てから呟く
葵の呟きに“KIRIKIRI”は答え、合流場所を決めた。
「小屋が、見え・・・・・・、ぐべらっ?!・・・・・・っあー、すまん。やられた」
『やられましたね。キャンプをされなければ良いんですけど・・・・・・』
『出口の解放まで1人も吊れていないわけですし、殺人鬼からしたら1人は確実に持っていきたいでしょうし・・・・・・』
『ま、キャンプはほぼ確定やろうね』
『どうにか救助できれば良いんだけど・・・・・・』
もう少しで小屋が見えるかといったところで竜はカニバルに攻撃されて倒れてしまった。
『そういえばドラくんが倒れた周辺のフックは壊していないんですか?』
「この辺は・・・・・・、壊してないな。無理そうなら脱出してくれー」
ゆかりの言葉に竜は周囲を見渡し、この辺のフックを壊してないと答える。
竜を担ぎ上げたカニバルは一番近くのフックへと移動する。
すでに残り時間も半分ほどになっており、ここから竜を救助するのは難しいのではないだろうか。
「とりあえずはもがいているけど・・・・・・。無理っぽいなぁ・・・・・・」
殺人鬼によって担ぎ上げられたとしてもフックに吊られる前にもがくことによって逃げることができる可能性がある。
これはフックから距離のある場所で捕まったりした場合に助かることのできる仕様なのだが、どのフックからも離れているというのはほとんどないことなので、もがいて脱出できる可能性は限りなく低いと言えるだろう。
『来たで!』
『うん!』
もう少しでフックに到着する諦めてもがくのをやめようとした竜の耳に茜と葵の声が届く。
それと同時に強力な光が起こる。
光の出所を見れば、葵の操作するキャラクターが懐中電灯を片手にそこにいた。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ