変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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ところで『白毛兎胸肉特上鍋御膳18000円』の歌詞とか知りたい人っているんですかね?





第166話

 

 

 

 

 休憩が終わった竜はバイトに戻る。

 それでも先ほどの生き物のことが気になるようで暇さえあればチラチラと店の中を見回しているのだが。

 

 

「また会うのは諦めた方がいいんかねぇ・・・・・・」

 

 

 そう呟いて竜はため息を吐く。

 ぎゅんぎゅんと鳴いて触り心地も悪くない生き物だったので竜としてはもう一度会っておきたかったのだが、ここまで探しても見つからないということは諦めた方が良いということではないかと竜は考え始めていた。

 入れ替わりで休憩に入ったマキが見つけておくとは言っていたが、それも本当に見つかるとは限らないので、竜の中では(なか)ば諦めが入り始めていた。

 

 

「ぎゅぎゅぎゅーん!」

「この鳴き声は!」

 

 

 生き物を探すのを諦めて仕事に集中しようと竜が考えた直後、竜の背後でついさっき聞いたばかりの鳴き声が聞こえてきた。

 聞こえてきた鳴き声に竜は慌てて振り返り、声の主を探す。

 竜が振り返ると、先ほど見つけた生き物が竜の方を見ながらそこにいた。

 

 

「おー、ようやくまた会えた!」

「ぎゅん!」

 

 

 生き物にようやく会うことができた竜は嬉しそうに生き物に近づいていく。

 竜が近くに来ると、生き物は1枚の紙を竜に向かって差し出した。

 生き物の差し出してきた紙を、竜は不思議そうに首をかしげながら受けとる。

 

 

 

「これは・・・・・・、マキから?」

「ぎゅーん」

「ええと・・・・・・?」

 

 

 生き物から受け取った紙を見てみればマキからのメッセージが書かれていた。

 紙に書いてあったメッセージは簡単に言ってしまえば生き物が見つかったということを教える内容と、探すのに疲れたから休んでいるという内容のものだった。

 

 

「なるほど。こいつを見つけてくれたマキには感謝しかないな」

「ぎゅぎゅん!」

 

 

 紙の内容からマキがこの生き物を探すのに苦労したのだろうと考え、竜はしゃがみこんで生き物の頭を優しく撫でながら呟いた。

 竜に撫でられて生き物は嬉しそうに鳴き声をあげる。

 

 

「そういえば、こいつって名前とかあるのかな?」

「ぎゅん?」

 

 

 生き物の頭を撫でながら竜はふと思ったことを言う。

 竜の言葉に生き物は不思議そうに首?をかしげる。

 

 はっきりと首と言わないのは、生き物の体が毛で(おお)われているために首の場所がよく分からないからだ。

 

 

「お前って名前とかあるのか?」

「ぎゅー・・・・・・、ぎゅんぎゅーん」

「ふむふむ、ほーん・・・・・・、なるほどなー。・・・・・・ぜんぜん分かんねえや」

「ぎゅんっ?!」

 

 

 竜の言葉に生き物はなにかを伝えようとジェスチャーを(まじ)えながら鳴き声をあげる。

 といっても竜はこの生き物の鳴き声や動きからなにかを読み取ることなどできるはずもなく、相づちを打っていたかと思えばアッサリと諦めたように良い笑顔で答えた。

 良い笑顔で答えた竜の言葉に生き物は驚いた表情を浮かべる。

 

 

「んー、“cafe MAKI”にいる毛玉だし・・・・・・。“けだまきまき”かな」

「ぎゅーん・・・・・・」

 

 

 安直な竜の名づけに生き物“けだまきまき”はやや不満そうに鳴き声をあげる。

 けだまきまきの鳴き声が不満そうなことは竜も気づいてはいたが、それよりも呼び名がないことの方が不便なので、竜は気づかなかったことにした。

 

 

「っと、仕事に戻らないとか。またな」

「ぎゅんぎゅーん!」

 

 

 店の中にいるお客の様子からいつまでもけだまきまきに構っていられないと気づいた竜は立ち上がる。

 叶うならばもう少しばかりけだまきまきと遊んでいたかったのだが、それをしてしまってはバイトとして雇ってもらっているマキの父親に申し訳ないので、竜は心の中で涙をこぼしながらけだまきまきに手を振った。

 竜の言葉にけだまきまきは鳴き声を上げ、仕事に戻る竜のことを見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ
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