間違えて消してしまったので書き直しました。
以前のものとは内容が少し変わっておりますが、全体の流れとしては変わっていません。
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学校から帰ってきた自宅の前。
そこに転がっているものを見て男子学生────
「・・・・・・なんだこれ?」
見たところボールのように丸く、呼吸をするかのように膨らんだり萎んだりをしている。
このことからどうやら生き物ではないか、ということが想像できた。
正直に言えばよく分からないものなので近づきたくはないが、よりにもよって“それ”が転がっているのは竜の自宅の目の前。
これではどうやっても近づかなければならない。
「動か・・・・・・ない・・・・・・よな?」
実は転がっているのは演技で近づいた瞬間に襲いかかってくるのではないか。
そう考えて竜は警戒しながら“それ”に近づいていく。
残り20歩・・・・・・15歩・・・・・・10歩・・・・・・
ゆっくり、ゆっくりと竜は近づいていく。
そして、竜は“それ”の隣にまでたどり着いた。
「みきゅぅ~・・・・・・」
「気絶、してるのか?」
ここまで近づいても動かないことを不思議に思い。
竜は思いきって持ち上げてみた。
フワフワとした体毛で覆われており、転がっていたものが生き物だということが確定した。
触り心地の良い毛並みに竜は思わず撫で回したくなる気持ちを必死に抑える。
“ゆっくり”と呼ばれる生き物のような見た目をしているが、紫色のフワフワとした体毛が全体的に生えており、恐らくは耳であろう部位が2ヶ所ピョコンと生えている。
そして、前足のよう部分が左右から生えており、そこには輪っかのようなアクセサリーが着けられていた。
「・・・・・・・・・・・・はぁ、仕方がないか」
このまま外に放置してなにかがあれば寝覚めが悪い。
そう考えた竜はため息を吐いてその生き物を家の中へと運ぶのだった。
◇ ◇ ◇
生き物を家の中に運んだ竜は、一先ず自分の部屋に布団を敷き、そこに生き物を寝かせることにした。
この生き物がどんなものかは分からないが、それでも適当にどこかに置いておくことは竜にはできなかった。
「さて、と。とりあえず寝かせたけどどうするかなぁ・・・・・・」
冷蔵庫からジュースを取り出しながら竜は呟く。
触れた感触などから生き物だとは思っているのだが、それでもあんな生き物は見たことも聞いたこともない。
動物病院などにつれていってまともに診察をしてくれるのかすら竜には分からなかった。
「まさか精巧なロボットとかではないだろうし・・・・・・」
ジュースをコップに注ぎながら竜はまさかとは思いつつも思い浮かんだことを呟く。
が、すぐに首を横に振ってその考えを否定する。
家の中に運んだときに触れた体温は機械的に再現したものとは思えず、触れた柔らかさも機械とはとても思えないものだった。
そのために竜はその考えをすぐに否定したのだ。
「・・・・・・まぁ、考えても仕方がないな」
どんなに考えたとしても結局は答えは出せない。
そう考えた竜は生き物のことを考えるのを一旦止めて、漫画を読み始めた。
『みゅみゅみゅみゅみゅいーーーーー?!?!?!?!?!』
不意に驚いたような大きな鳴き声が竜の部屋の方から聞こえてきた。
それと同時になにかが崩れる音やなにかが壁にぶつかる音が聞こえてくる。
いきなりのことに竜は一瞬だけ驚いたが、すぐに先ほどの生き物が目を覚ましたのだということに気がつく。
「あんまり散らかさないでくれると助かるんだがなぁ・・・・・・」
聞こえてくる音と鳴き声に竜はため息を吐きながら自分の部屋へと向かうのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その15
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佐藤ささら
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オネ