変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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最近、VTuverとかやってみたいなぁとか思ったりしてます。

まぁ、まずはパソコンとか買わないとなんですけどね。





第173話

 

 

 

 

 心地よい微睡(まどろ)みの中。

 あまりの心地よさに竜の瞳は開かず、再び心地よい闇にへと飲み込まれていきそうになる。

 

 

 この温もりは人々の希望。

 

 命を癒す夢の証。

 

 眠るが良い。 

 

 

      『約束された2度目の眠り』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、この世に永遠に続くものなどどこにも存在しない。

 当然、竜を包み込んでいるその心地よい微睡みが続くこともないのだ。

 

 

「ほれ、起きぃいいいっっ!!」

「うわっ?!わわわっ?!?!」

 

 

 バッサァと思いっきり掛け布団を剥ぎ取られ、竜は驚きのあまり身を(ちぢ)こませてしまう。

 いきなりのことでかなり驚いた竜は目が完全に覚め、驚かせてきた下手人をジットリとした目で見た。

 

 

「ほれほれ、朝なんやからさっさと起きんと」

「起きろって・・・・・・、まだ大分早い時間じゃないか・・・・・・、くぁ・・・・・・」

 

 

 竜の掛け布団を剥ぎ取った下手人、ついなは竜が起きたのを確認すると、布団から出てくるように言った。

 ついなの言葉に竜は時計を確認しながら渋々と布団から起き上がる。

 スマホを操作して時間を確認すれば、普段の竜が起きる時間よりも早い時間だった。

 

 

「なんでこんなに早く・・・・・・」

「そんなに早くはないんやない?うちはいつもこんなもんなんやけど」

 

 

 竜の言葉についなは不思議そうに首をかしげる。

 不思議そうにしているついなの様子から、ついなが本当にこの時間帯で起きるのを早いと思っていないということが理解できた。

 

 ひとまず、目が覚めてしまったから仕方がないということで竜はパジャマから制服にへと着替えをした。

 なお、剥ぎ取った掛け布団を早々に畳んでいたついなはすでに部屋にはおらず、竜の着替えを見てしまって悲鳴を上げるといったイベントが起こることはなかった。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 パジャマから制服に着替え終えた竜は洗面所に行き、顔を洗う。

 ついなに驚かされてある程度は目は覚めていたが、冷たい水によって竜の頭はさらにハッキリと覚醒した。

 そして顔を洗ったついでに軽く寝癖などを整える。

 いつもであれば眠れるギリギリまで布団にいるので寝癖に関してはほとんどノータッチなのだが、ついなによって早く目が覚めたために寝癖を整える時間が生まれていた。

 

 寝癖を整え終え、竜は洗面所からリビングに移動する。

 

 

「おはようさん。朝餉(あさげ)はできとるから座って待っとってな?」

「朝餉?・・・・・・ああ、たしか朝御飯のことだったっけ」

 

 

 台所にいたついなに言われて竜は椅子に座る。

 ついなの言った聞きなれない言葉に竜は首をかしげるが、すぐに小説で読んだことのある情報と擦り合わせて意味を理解することができた。

 

 竜が椅子に座ってしばらく待っていると、ついながご飯とお味噌汁、おかずを運んで竜の前に並べていく。

 お味噌汁はネギと豆腐とワカメのとてもシンプルなもので、おかずは焼いた鮭と玉子焼きという、これぞ日本の朝食とでも言うかのようなメニューだった。

 

 

「スゴい手が込んでいるな。それに旨そうだ。いったい何時に起きたんだ?」

「えへへ、でも、そんなに難しいものは作っとらんよ?ほらほら、冷める前に食べてや」

 

 

 並べられた朝食に竜は素直に思ったことをついなに言う。

 竜の言葉についなは嬉しそうにはにかみ、朝食を食べるように促す。

 

 ついなに促され、竜は箸を手に取って朝食を食べ始めた。

 

 ついなの作ったお味噌汁を一口、口に含む。

 それは茜やマキの料理とはまた異なった落ち着きのある味だった。

 

 確かに、茜やマキの料理はとても美味しくていくらでも食べられそうなほどなのだが。

 ついなの料理はなんと言うべきか、田舎の祖母の作ってくれた料理のような、そんなとても落ち着いて休むことのできる味わいなのだ。

 

 ついなの作ってくれた料理を竜はのんびりと、味わうようにゆっくりと食べていく。

 そんな竜の姿についなは微笑みながら温かいお茶を用意するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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